桐朋小学校の理科では︑知識を得るにあたり︑具体物を通して一般化する過程を重視し︑実験や観察を多く取り入れた授業を進めています︒﹁本物に触れて︑自分でやってみる︒そして学ぶことは楽しい﹂と子どもたちが感じることを何より大切にしています︒物の特徴や性質をとらえる 例えば金属ひとつをとっても︑様々な実験を行うことで︑五感を使い︑その多様な特徴や性質をとらえていきます︒ 4年生の﹃金属﹄の授業では︑金属の物質の特性をとらえるために︑実際に鉄・アルミニウム・銅などの棒を︑金槌と鉄床を使い︑叩いて延ばしていきます︒すると︑子どもたちは叩いた部分を触って︑﹁熱くなってきた!﹂と実感します︒子どもによっては︑より一層金属を薄く延ばして広げようと夢中になっていき︑厚さ0・5ミリ以下までに極めていく子もいます︒その後︑磨くとピカピカになることや︑熱の伝わり方も学んでいきます︒5年生の﹃三態変化﹄では︑ガスバーナーで金属を熱し︑固体と液体の変化の様子を見ていきます︒﹁金属って液体になるんだ﹂と体験することで︑より深く理解していくのです︒ミクロの世界を実感する 5︑6年生になると︑一人一台の顕微鏡で様々なものを観察したり︑標本︵プレパラート︶作りの技術を身につけます︒ 5年生の﹃メダカの誕生﹄では︑約1ミリほどのメダカの卵をじっくり観察します︒肉眼ではよくわからなくても︑顕微鏡を使って︑40倍~400倍の倍率で見ると︑﹁心臓︑血管が見えた!血液の流れがすごく速い!﹂と︑子どもたちは感動の声をあげながら︑そのつくりを実感していきます︒また︑6年生の﹃植物のしくみとはたらき﹄では︑身近な植物の茎や葉の切片を観察することで︑一つひとつの細胞にまで目を向けることができるのです︒ このように︑ものごとの本質を科学的に追究する態度を身につけることが理科という教科の醍醐味だと考えています︒理科実験・観察を通して、本質に迫る叩くと延びて熱くなる、金属の不思議を実感教科学ぶって楽しい!9
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