放課後̶想像力の翼が羽ばたく時間̶想像力の翼が羽ばたく時間 桐朋小学校では、授業が終わった後も4時まで遊ぶことができます。午後1時すぎに1日の授業が終わる日もある低学年の子どもたちにとっては、2時間以上の長い放課後です。 なぜ桐朋小学校では、放課後の時間をこんなに長くとっているのか。その理由として私たちは、放課後という時間が子どもの内面を育み、遊びを通じて様々な力を子どもたちが身につけると考えるからです。 子どもたちは放課後の時間を思い思いに過ごします。低学年の子どもたちは、グラウンドでの外遊びはもちろん、教室で様々なごっこ遊びをしたり、自然広場で秘密基地作りや泥だんご作りに夢中になったり、学校探検隊と称し、みんなで冒険の旅に出かけたりします。 学校のいたるところで、子どもたちは大人の思いもつかないような遊びを創り、放課後を楽しんでいます。想像力の翼を羽ばたかせ、遊びの中で現実と想像の世界を行き来しながら、子どもたちは心と身体を成長させていくのです。 中学年以降になると、遊びがさらに社会的なものへと変わります。遊びを創り出す想像力だけでなく、遊びを通じて、自分の思いや考えを伝えたり、遊びを成立させるために他者と交渉したり、時には折り合いをつけることも必要になります。 このように、遊びを通じて子どもたちは、自己主張したり、交渉したり、譲歩したりすることを経験します。それらの経験は、子どもたちのこれからの人生を豊かにする上で必要なもの。子どもたちにとって放課後は、遊びの時間だけでなく、教科書からは学べないことをたくさん吸収できるかけがえのない時間でもあるのです。30
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