別冊とうほっこ3
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どうしたら 活き活きできるのか?  例えば︑子どもが夢中になって何かに没頭する 場面を私たちはまず思い浮かべます︒周りに面白 そうなこと︑楽しいことがたくさんあり︑好奇心 を持つこと︒もっとやりたい︑もっと知りたい︑とい う欲求を持つこと︒それが遊びであれ学習であれ︑ 意欲的な取り組みとなったとき︑大きな達成感や 満足感が生まれます︒初等部では︑一人ひとりの﹁や りたい﹂気持ちを満たしていくことを大切にします︒ ﹁これがやりたい!﹂﹁あの子と遊びたい!﹂﹁もっ と知りたい!﹂という気持ちが沸き上がると︑楽し く嬉しいことばかりではなく︑不満や葛藤とも出 あいます︒このような様々な心の動きを経験するこ とで︑豊かな心が育まれます︒豊かな心は︑周り の人を︑そしてありのままの自分を愛することにつ ながっていきます︒   お互いが認め合い、支え、 励まし合う関わりを  私たちは﹁挑戦してみよう﹂という気持ちを励ま し︑たとえ失敗しても﹁やりなおせる﹂というメッセー ジをいつも大切にしています︒  コロナ禍で改めて﹁出会い︑触れあう喜び﹂を感 じます︒子ども同士のつながり︑異学年の子どもの 交わり︒共に遊び︑学んで好奇心を呼びさまし︑一 緒に学ぶ様々な﹁文化﹂は︑人と人とを結びつけます︒ たのしかったこと︑夢中になった経験は﹁またやりたい﹂ ﹁違う形で実現したい﹂という願いを生みます︒そ れこそが﹁希望﹂に繋がると考えます︒願いの実現 には︑気持ちや意見を述べ︑話し合い︑考え合うこ とが必要になります︒こうして子どもたちの世界に︑ 自治や参加の大切な芽が育っていきます︒  私が担当する﹁トピックス﹂という授業で﹁男らしさ︑ 女らしさ﹂﹁性自認と体の性の多様さ﹂などを取り 上げ︑6年生と考え合いました︒ ﹁今回そのような人たちの思い︑気持ちを改めて知 りました︒私は男らしさ︑女らしさというような 言葉はきらいでしたが︑どこかで自分でも男だから︑ 女だからと認識していたかもしれません︒﹂  ﹁体の性と性自認が一致していない人たちのことは 知っていたけれど︑あまり深く考えたことはありま せんでした︒ですが︑今日の話を聞いて︑その人た ちに対して考えました︒同性のことを好きになったり︑ 異性の服を着ていても︑私は全く悪いことだとは思 いません︒むしろ︑尊重したいです︒これからの日本︑ 世界がそういう人たちを認められるようになったら いいなと思います︒﹂  子どもの考え︑意見に私も学びます︒かけがえの ない時間を大切にしながら︑その子その子が自分を 豊かに創造する姿に励まされます︒  子どもたちと一緒に︑自分 自身を安心して伸ばしていけ る園︑学校︑社会︑世界を つくりたいと願っています︒

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