2018.4.13

コラム

入学おめでとうございます [Ⅱ-151]

 1年生と5年生がいっしょに入場する前に、会場の皆さんへ「入学おめでとうございます」という気持ちと、私たちは「一人ひとりを大切にしていきます」という気持ちを込めてお話させていただきました。

 お子さん、お孫さんのご入学、おめでとうございます。
 お子さん、保護者の方は、桐朋小学校への入学を心待ちにされていたと思います。これからどうぞよろしくお願いします。
 2年生から6年生の子どもたち、私たち教職員もたいへんたのしみにしてきました。6年生は、1年生の教室の清掃や飾りつけなどを一生懸命に取り組んでいました。5年生は、パートナーとしての出会いにドキドキしていました。このあと、1年生をリードして入場してきます。4年生は、「みんなともだち」の背景画をつくりました。2年生は、学校代表として1年生を迎えようとしています。自分たちの成長と桐朋小学校の紹介をしてくれます。

 桐朋学園は、一人ひとりの人格を尊重し、自主性を養い、個性を伸長する、ヒューマニズムに立つ人間教育を大切にしています。
 1947年に東京文理科大学・東京高等師範学校の指導、協力を得て、第二の出発をしました。桐朋学園の初代理事長、校長は東京文理科大学学長の務台理作氏でした。務台氏は、1947年教育基本法制定に深くかかわった哲学者でした。桐朋では、教育基本法の理念、精神を大切にしています。桐朋の「桐」は、東京文理科大学・東京高等師範学校の校章で、この教員養成の総本山ともいうべき学校、大学とともに、戦後の新しい教育のあり方を探究していきたいという希望がこめられていたと考えます。そして、私たちもそうした気持ちで学校をつくっています。教育により、平等で自由、平和な社会づくりを実現したいと願っています。

 21世紀、私たちの社会、未来は、いろいろな課題に直面しています。地球環境の悪化や、エネルギーの問題、戦争が起きる心配などです。こうした課題は、誰かが何とかしてくれるというものではありません。私たちが社会の主人公として向き合っていかなくてはならないものです。自然と共生する、平和で共存する、多様な人びととつながり合う(違いを認め合い、平等につながる)などを経験し、大切にしていくことをすすめます。
 そのためには、幼児期や児童期から、信頼感や安心感を育み、自分を愛し、信頼できるようになること。考えるのが好き、人とまじわるのがたのしい、からだを使ってするのが好きな子に育つことなどを育んでいきたいです。生きるっておもしろい! もっとこんなことをやってみたい! という気持ちをたくさん育ててほしいです。
2年生が育てたチューリップ。「1年生がよろこんでくれるとうれしいな」

 桐朋小の教育目標は、「原点に子どもをおいた教育の実現」、「社会の主人公となりゆくための根っこを育てること」です。本日の入学式でも、5年生パートナーの取り組み、2年生の活き活きした表現などからそのことを感じていただければと思います。

 保護者のみなさんとともに、子ども一人ひとりの最善の利益とは何かを考え、いっしょに子どもを励ましていきたいと思います。いっしょに学級、学校、未来をつくりましょう。
 入学おめでとうございます!

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