2018.7.13

子どもたちの素敵なところ、学校のよさとは [Ⅱ-162]

 本日発行の『桐朋教育』50号・記念号は、初等部(幼稚園・小学校)の特集を掲載しています。先生たちの実践記録、座談会などを読ませてもらうと、「一人ひとりの子を大切にしたいと願い、先生たち一人ひとりが桐朋小をつくっている」と感じ、たいへん嬉しくなりました。

 座談会に参加された束原和郎さん、鷲阪恭子さん、滋野真優さん、星野俊樹さん、武藤あゆみさん、渡邉春菜さんの発言の一部をご紹介します。

桐朋小学校の子どもたち、学校の素敵なところは?

【束原】「遊びのきまり」があるということが、まずとてもいいなと思っています。みんなで平等に、安全に安心して遊べるという同じ目標に向けて、子どもたち自身がルールを話し合いながら決めていく文化が、この学校の良さだと感じています。

【鷲阪】放課後たっぷり遊んで、秘密基地なんかで自分たちの秘密事を共有するというわくわく感も、たぶん子ども時代ならではだと思います。小さな「やらかし」もして、時には叱られながら育つ場や時間が保障されているなあと思います。

【武藤】自分の不得意なところとか、「できないな」という心配とか、そういったものも受け止め、フォローしてもらえる。私はそういう雰囲気を教員同士の関わりの中で感じるし、大人たちがそういう雰囲気でいるから、子どもたちも自分のできないことや不安に思っている気持ちなどが出せて、互いに共感して、安心することができる。

【星野】(「その子が今困っていることに対して、その子がどうしたいかということをまず問う」という発言を受け止めて、)僕らは、子どもたちには18歳のときに自分の頭で考えて選挙で投票できる人になってほしい。そのためには子どもたちに、自分の周りの事だけでなく、社会の出来事にも当事者意識を持てるマインドを持ってもらう必要がある。子どもへの「どうしたい?」という問いかけは、子どもの自己選択・自己決定をとても大事にするものですよね。ある程度のコミットメントや当事者意識を子どもに要するような自己選択・自己決定の積み重ねによって、子どもたちは18歳になったときに投票できる主権者に育つのではないかと思うんです。だから、「どうしたい?」という問いかけは、奥が深いと思います。

これから何を目指していくのか

【束原】これからも、子どもたちのやりたいことや願いが実現できる学校であってほしいと願っています。学校が、さらに自分たちの思いから自分たちの学習をつくり出していくような、お互いにより深く学び合えるようなコミュニティーになっていけるといいなと思っています。

【滋野】自治的に子どもたちが自分たちで学校をつくっていくというのは、今後も本当に大事にしていきたい。そうしていくために、低学年のうちから自分の意見を言える場所をつくりたいと思い、クラス会議をやっています。(中略)自分の悩みに友だちがちゃんと向き合ってくれるとか、自分の悩んでいることを言っていいんだとか、そういう経験があるからこそ、友だちが困っているときは助けたいと思うのかなと感じます。そのように受け入れてもらうことが大事だなって。

【渡邉】自分とは意見がちがう人、価値観がちがう人がいて、いろいろな考えや思いがある。意見や価値観のぶつかり合いをいやだと思うのではなく、それを話し合っていくことが楽しいとか、そういう中でこそ、新しい学びや発見が出てくると思えることって大事だと思います。そういう学びに向かう姿勢をつくっていけるといいなと思います。/遊びや、学習や、自治や、いろいろな場面で、異年齢のかかわりというものを積極的につくっていきたい。

上の写真・5、6年生が学校を動かす(児童会企画「TOHOサマーフェスティバル」) 下・みんなの願いの木を育てよう 下・幼稚園の子も畑が大好き  

 

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