叩いて、のばして、さわって
理工室で、4年生が真剣な表情でそれぞれの金床に向かっています。
金属棒を持つ左手には軍手をはめ、金槌は素手でしっかり握って構えます。
「はじめ!」の合図で、みんなが一斉に金属棒を打ち始めました。
カン・キン・コンコン・・・おしゃべり声は一切なく、堅い音だけが理工室に響きます。
20回、30回たたくと、「やめ!」の合図が出ました。
先生が「いま、棒はどうなってる?」と問いかけます。
「ぺっちゃんこになった」
「ぐにゃぐにゃだったのが、硬くなった」
「なんだか、ほんのり熱くなっているような気がする」
それぞれ、自分の棒の姿を報告します。
「この熱はどこから出たんだろう?」先生がさらに尋ねます。
どうして?なんで?みんな、手元の棒をさわったり、こすったりしながら推理が始まりました。
黒板には「金ぞくは たたくとどうなるか?」と書いてありました。
この日の実験材料は、アルミニウム。
自分でやってみる。さわってたしかめる。そこからさらに考える。
そんな4年生の理科専科の一コマでした。