桐朋小だより

2022.5.2

6年生

縄文のティーパーティー

6年生は多摩センターにある東京都埋蔵文化財センターへ社会科見学に訪れました。

40年にわたり調査研究されたこの地域の埋蔵文化財をつぶさに見学できる施設です。

昨年度は訪問が叶いませんでしたので、こうして学芸員さんに案内していただきながら、実物を目にできる幸せを噛み締めました。

土器をパズルのように再現する体験コーナーや、縄文時代の植生を再現した庭園にある当時の住居見学などもあり、6年生は好奇心いっぱいに学習しました。

午後は、近くの広い公園でひと遊び。

久しぶりにおもいきり外ですごせる自由時間、歓声をあげて走り回る子どもたちの姿がありました。

木立の切り株のまわりに集まっている人たちがいます。

おいで、おいで、と手招きされたので覗いてみると・・・

なんとも素敵な春の食卓が出来上がっていました!

小さなお花をさらに細かくほぐしたり、木の芽を刻んだり、豆をさやから出して並べたり。

縄文人になりきって、使い勝手のよさそうな石や小枝を利用してたんぽぽも調理?しています。

たんぽポン、たんぽぽポン、はしニッシモ、・・・

独特の名前もつけて、みんな楽しそう!

優雅な縄文のティーパーティーの始まりです。

この切り株を見ると、単なる「おままごとだな」と思われるかもしれません。

ですがこの遊びには多くの要素が詰まっていると感じました。

直近の授業をすこし思い出してみましょう。

・歴史の授業で学んだ、狩猟と植物採集の歴史

・理科で学んだ植物の仕組みと、分解したりスライスして調べた経験

・音楽の授業で学んだ記号の名称(箸ニッシモはイタリア語のpianissimoっぽい響きです。)

それに加えて、

・午前中に埋蔵文化財センターで出会った木の実を擦りつぶす道具や、石器や土器

・毎日の食卓の光景や、配膳の習慣(菜箸の扱い方や、葉っぱの敷物のアレンジなど、本当にお見事でした!)

などなど、いろいろな要素が絶妙に融合していることが想像されます。

 

・・・いやいや、こんな分析は実に野暮なことでした。

どんなに知識があったって、きれいな色の花や実をぱっとみつけて、友だちと一緒に思いきり楽しめる気持ち無しにこの素敵な時間は生まれません。

「あそびって、すごい!子どもたちって、本当にすごい!」

木漏れ日のティーパーティーにお呼ばれしながらそんなことを思った素敵な午後でした。

まだまだ6年生の縄文探訪は続きます。

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