2022.9.12

「一人ひとりの、幸せな子ども時代を」願い、必要な諸条件の整備確立を[Ⅱ‐311]

子どもが安心して園・学校生活を送れるよう願っています。コロナ禍であっても、子どもを中心に、保護者と教職員がつながりを深め、園・学校生活の良さ、課題、不安や疑問などを出し合いながら、いきとどいた保育、教育について話し合い、すすめていきたいと思います。

毎年、「公立私立ともに、教育条件の整備をすすめよう」「私学助成をふやそう」など、国や都にもとめています。ご家庭の経済的負担を軽減し、教育条件を改善したいと願って声をあげています。

 

プレイルーム前、「みんなの声の木」(こんな学校にしたい、という子どもたちの願い)

<◆諸条件の設備確立を> 公立、私立ともに、教育条件の整備をすすめていきましょう。桐朋学園初代理事長の務台理作氏は、1947年教育基本法制定に深くかかわりました。基本法10条には「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。」「2 教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。」とありました。とても大切なことです。

現在、世界各国の「対GDP比」で比較したデータをみれば、日本の「公的教育費」はOECD加盟国の中で最低水準です。公立小学校では、5年かけて全学年35人以下学級になりました。私学においても、少人数学級をすすめるために私学助成の拡充、専任教職員の増加などが求められます。必要な諸条件の整備確立はまだまだです。

<◆私学助成運動を> 私学助成は、私立学校の社会における公共性に鑑み、学園財政を支えて教育条件を改善し、私立学校の保護者の負担を軽減させていくために、国や地方公共団体が行なう助成制度のことです。私学助成は、制度の拡充を求める署名運動と結びついた形で前進してきました。東京では全国に先がけて、1963年に私立高校生への一律の授業料補助が始まりました。また、1969年に署名運動がスタートしました。この運動が全国にひろがり、1971年には国に宛てた署名運動が始まります。1989年からは、「ゆきとどいた教育をもとめる全国3000万署名運動」として、公立学校・私立学校共同の運動として取り組まれています。東京でも各地域で協力しあって進められており、毎年数多くの署名を集めています。

<◆公私の学費格差をなくし、私学教育の充実を目指して> 「私学助成金」は、私立学校に対する国及び東京都の補助金のことです。私学助成署名運動は、私立学校に通う園児・児童・生徒・学生、そして保護者の経済的負担を軽減するために「私学助成金」の維持および増額を求める運動です。保護者にとって私立学校の学費は随分と重い負担となっています。「私学の学費が高いのは当たり前ではないか」と言われることがあります。しかし、憲法の「教育を受ける権利」、教育基本法の「教育の機会均等」、学校教育法の「公教育」の規定、子どもの権利条約の「生きる権利・育つ権利・守られる権利・参加する権利」「教育についての権利」、そして私学振興法に貫かれる教育原則に照らしてみると、公教育である私学には十分な公費が保障されてしかるべきです。私立学校の学費が高いのは、公立学校と比べ公費による支援が大幅に少ないためです。

私立幼稚園は日本の幼児教育を担っています。全国の幼稚園児の8割以上の子どもが私立幼稚園に通っています。幼稚園教育の多くを担う私立の役割はとても重要といえます。全国7,000園以上の私立幼稚園では、それぞれが建学の精神に基づいて、様々な特色を生かした保育、教育活動を展開しています。私立小学校は、それぞれ特色を発揮して、児童の人格を尊重し、自主性を養い、個性を伸長する教育を実践しています。公教育としての使命を果たすとともに、日本の初等教育の充実発展のために寄与しています。

みなさんとともに、すべての子にゆきとどいた保育、教育をすすめていきたいです。

 

保護者の方といっしょにつくった竹馬の取り組み(2年生)。

こうした機会をつくることができて、とってもうれしい!

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