2022.10.5

子どもたちの運動会 [Ⅱ‐314]

本校の運動会は、子どもたちが大人と力を合わせてつくり上げます。前半は、体育学習の成果の発表。後半は、赤白による2色対抗競技などを行います。今年度は3年ぶりに例年に近い形での開催です。自分たちのおもいを、自分たちで実現していく過程、本番で、自信や自尊感情、お互いを認め合う、協働することなどを培います。

【民舞】(前半)~古くから人々に伝えられてきた踊りを表現します。

1年生「荒馬」。青森県今別町の踊りで、ねぶた祭りの踊りがもとになっています。「ラッセラー、ラッセラー!」威勢のいい掛け声や太鼓のリズムに、1年生の馬が駆け回ります。

2年生「花笠踊り」。花笠音頭に合わせて踊る山形県の踊りです。自分たちで飾りつけした花笠を持って、歌と掛け声に合わせて踊ります。…「きれいに花をつくったよ」と見せてくれる人、休み時間もだいじに笠をかぶる人から、花笠踊りをたのしみにしている気持ちが伝わります。「やっしょう まかしょ とうほうしょう」の元気なかけ声がきこえてきました。

3年生「桐朋みかぐら」。岩手県大森村に伝わる神楽舞を、踊りやすくアレンジしました。秋の豊作や幸せを願う気持ちが込められています。左手には、自分で選んだ色の扇、右手には、自分たちでつくった錫杖を持ち、太鼓のリズムに乗って踊ります。扇返しや足の動きなど、難しいところもたくさんあります。

4年生「ソーラン節」。北海道のニシン漁をもとに創作された力強くキレのある踊りです。押す、引く、かつぐ、放る、すくうなど、ニシン漁における作業の動きをします。自分たちでつくった法被を身につけ踊ります。…絵画室で、自分が考え出した法被をつくっている人たちと出あいました。ニコニコしている人を発見。

5年生「エイサー」。沖縄本島や近隣の島々の盆踊りです。祖先の霊を供養し、無病息災を願い、家庭の繁栄を祈念します。本校では長年、沖縄市園田青年会の踊りを取り入れています。太鼓を打ち鳴らし「はやし」を入れながら、大地を踏みしめ、勇壮に踊ります。

6年生「中野七頭舞」。岩手県岩泉町中野というところで、約180年前から踊られています。7つの道具を持ち、農地を開拓していきます。木を切り、畑を耕し、けものを追い払い、豊作を祝い、仕事の苦労をいやすという内容です。たいへん難しい踊りに取り組みます。…教室の授業を終えると、すぐ自分の道具にやすりがけをする人がいます。やすりをかけた場所を何回も触り、気持ちよさそうです。とてもだいじにしているな。

民舞は、民俗舞踊をもとにして、教育現場で教材として踊られてきました。民俗舞踊とは、各地域の祭りや盆踊り、神楽の奉納などで踊り継がれてきた芸能です。多くは日常生活の労働の中で培われてきた身体の使い方が踊りのもとになっています。また民俗舞踊は、歴史的に、地域の中で世代を超えて人と人を繋ぐ大切な共有財産、かけがえのない文化でした。人々は踊りを通して、繋がり合い、連帯し、生きる喜び、祈りや願いといった感情を共有しました。

民舞を学ぶことによって、私たちの中に身体感覚を問い直したい。身体を耕し、しなやかな身体をつくっていきたい。自分の身体いっぱいに表現し、たのしさを共有し、繋がり合いたい。そうした願いをもっています。

次回は、後半について書きます。

運動会に取り組むことで、自治的な力と関係を育てます。将来、自分自身が主人公となって社会に参加していくことの、根っこを育むものと考えています。

一覧に戻る