2026.1.20

先生と子どもたちの本 [Ⅱ‐451]

 桐朋小学校の先生と桐朋小学校の子どもたち、卒業生でつくった本『自分でできる! テーマが見つかる! 「自主学習ノート」アイデアBOOK 1 好きなことから見つける』(監修 伊垣尚人、協力 2025年度桐朋小学校5年西組・6年西組のみなさん/土居千紘、汐文社、2026年)について感想を書きます。

    

 「自分の人生の物語をつくる主人公は、子ども自身」です。子どもは、自分がやることを自分で決めることができます。自身の人生の物語をつくる、作品であらわすなど、よりよく生きたいと学んでいきます。

 先生たちは、子ども一人ひとりを支えています。取り組みの1つとして、子どもたちと「世界にたったひとつだけの『好きなこと探究ノート』」づくりに取り組んでみてはどうでしょう。「自分の人生の物語をつくる主人公は、子ども自身」を大切にした実践となると思います。

 どのように取り組むのか。本書を参考に、「好きなことを自主学習する」ことをしてみましょう。子どもたちの心に、おもしろそう! やってみたい! の火をつけましょう。本書には、「思いつかないときのヒント」なども書いてありますから、安心して取り組んでみてください。

 本書は、「好きなことを自主学習する…って、どうやるの!?」「きみの『好き』を見つけよう」から始まって、5年生、6年生の「見せて! みんなのノート」では、〇いちごを観察する、〇ねこの気持ちを考える・調べる、〇ペットのハムスターについて報告、飼育している動物を観察する、〇すもうを見に行って思ったことをまとめる、〇バレエのわざについて調べる、〇ルービックキューブのそろえかたをまとめる、絵をかいてみる・かきかたを説明する、〇自分だけの宇宙船を考えるなどの取り組み、ノートがたくさん紹介され、学びのタネがたくさんあります。

 好きなことは、自分を伸ばす原動力。本書に出てくる中1の千紘さん、自学ノートで自分の好きなことを探究しながら、授業で学んだこともどんどん膨らませていました。「どろ団子はクラスでブーム」になり、みんなで試行錯誤したことなども語られ、学級での共有、自分たちの学びを広げています。

 学ぶことは、自ら選んで自分を創る営みです。保護者や先生たちは、その子その子の気持ち、興味関心、動機、好奇心など、感情、気持ち、考えを引き出し、満たしていくプロセスを大切にしていると思います。

 本書では、先生が伴走者として、認め励まし、支えています。子どもたちのノートへのコメントが、「スーパーで買った大きないちごと、自分で育てたイチゴを比べているところがおもしろい!」「これよくあるー!!…」「かわいいな~この冒険!」「やったじゃーん!」「これはぜひのってみたい!!!」「こうやってみるとたくさんあるんだねー」「いつも見ているマンガやアニメも、よく考えてかかれているはず。次は、好きなイラストを観察して、わざをまねしてみるのもおもしろそう。」など、先生の心の弾みを感じました。

 返事を受けとるその子その子は、認められている、励まされている、たのしいと感じることでしょう。

 教育学者の大田堯さんが、大人は、一人ひとりのかけがえのない自己創出力を介添えし、その人の持ち味を引き出すこと。直接にそれにかかわる人びと、すなわち親や教師や保育者などにとってはヒトの自己形成を演出するアートであり、直接にかかわる人びとはアーティストであります、とおっしゃっていました。私には、たいへん素敵なことのように思えました。(実践するのは難しいけれども楽しい)

 いま、ここを大切にしたすばらしい出会いと創造が、先生の仕事にあると思います。

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