2026.9.20

Ⅰ 「改修」子どもたちの声 Ⅱ 学ぶこと

Ⅰ 子どもたちにとっての断熱、木質改修

 2学期始まってすぐに2年生から、「図書室がかわったよ。先生も行ってみて」と声をかけられました。改修で図書室が大きくかわり、その喜びを伝えたくなって、私に声をかけてくれたのだと思いました。その気持ちを嬉しく受けとりました。

写真はすべて幼稚園ゆり組合宿の様子から。食事づくり、プール、みんなで布団を運んで寝るなど、いろいろな経験をしました。

 2学期、改修について子どもたちの声を聞きたく、アンケートをとりました。まだ集計途中ですが、5、6年教室、図書室について、前よりも良くなったという意見が多数あります。学校全体で集計をすすめ、2027年度の第2期改修工事の取り組みに生かします。

◆アンケートより

●夏休み中に行った「窓・壁・天井の断熱工事」と「木の工事」について、前と比べて今の気持ちを教えてください。

・教室について 教室に入った時、断熱工事の効果を感じますか?

 

5年生

6年生

1 とても感じる

16

19

2 やや感じる

11

11

3 あまり感じない

 6

 0

4 全く感じない

 1

 1

5 わからない

 0

 2

 

・図書室について 図書室の「涼しさ・過ごしやすさ(温度)は、工事の前と比べて変わりましたか?

 

5年生

6年生

1 とても快適(過ごしやすくなった)

15

20

2 快適になった

14

 7

3 少し快適になった

 3

 2

4 変わらない

 1

 1

5 わからない

 1

 3

 

●教室、図書室についての自由記述

 教室について

・エアコンがすぐに効いて、前より涼しくなっている。過ごしやすい。(多数) *エアコンの効きすぎで寒くなることがあると書いている人もいます。

・木の二重窓などのデザインが好き。

・前よりも教室がきれいになった。

・木の香りでリラックスが出来て、集中できるようになった。 ・木のにおいは落ち着くからいい。 ・木のにおいがいつでもかげていて、落ち着ける。(多数)

・前より音が特に静かになった。

・壁のはだざわりがよくなった。

・暑い時に前までは、めっちゃ生ぬるい空気だったけど、今では体育など終わった時に入ったら、めちゃめちゃ涼しくてすっごく気持ちが良かったです。

・ドアや窓が二重になって少しめんどくさい。

・工事してすごく良かったと思う。

・このきれいさを保ちたいなぁ。

 

 図書室について

・床がきれい。きれいになって、とても過ごしやすい。 ・床が前よりやわらかい感覚がする。床のはだざわりがよくて落ち着く。

・解放感があって、好きになった。

・本を返すところに生き物がいる。

・見た目が違うし、木のにおいがすごく好きで、図書が好きになった。

・落ち着いて本が読める。本がよみやすくなった。

・図書室は、他の教室よりダイレクトに木のにおいを感じるので、毎回入る時が楽しみです!

・木の上で寝転がると気持ちいい。

・前と比べて涼しくなった。

・床が高くなった。天井が高くなった。

・靴下で入れるのがうれしい。家みたい。上履きを脱ぐところがなんか気持ちいい。

・靴をぬぐのがめんどくさくなった。

・なんかすごく「森!」って感じがした! 私は好き。

・色がめっちゃいい。

 今後に向けての要望では、今回の改修でできなかった教室、部屋、廊下の断熱、木質工事を願う声が多数ありました。

 これからも継続して、教室や部屋の温度や二酸化炭素濃度の計測、光熱水費の集計と昨年度比較、温室効果ガス削減、抑制に向けての取り組みをすすめます。

   

Ⅱ 卒業生 平野雄吾さん(共同通信記者)に学ぶこと

 平野さんが書かれた「戦争と教育 -イスラエルから考える共感と憎悪」を読ませていただきました。これまで平野さんの著作(『ルポ 入管──絶望の外国人収容施設 』、『パレスチナ占領』共にちくま新書)に学んできました。

 以下、平野さんが書かれた「戦争と教育 -イスラエルから考える共感と憎悪」を読んだメモより。

・イスラエル中部に、「ネベシャローム」という村がある。村の名は「平和のオアシス」を意味し、「ユダヤ人とパレスチナ人が共に暮ら」している。平野さんが2021年に村の小学校を取材。「共生の理念を体現」しようと実践を創造。

・オアシス建設は、1970年代。手がけたのは、神父ブルーノ氏で、「他者を受け入れ、自由に意見を交わす共同体を目指した」。4家族から、人口約300人へ拡大。「ユダヤ人とパレスチナ人が半々で、入村には共生の理念への賛同が求められる」。

・村の小学校は、「社会・文化・伝統」の授業に力を入れる。ヘブライ語とアラビア語を使用。その小学校の教師パレスチナ人リーム氏とユダヤ人教師ヘジ氏のこと。リーム氏が大学卒業後、イスラエルの占領に抗議するアラブ人の民衆蜂起「インティファーダ」が始まり、リーム氏の自宅にもイスラエル軍が押し入る。その後、4人の子どもの母親になったリーム氏は、「平和のオアシスを知り、40歳を前に入村」。「わが子にはユダヤ人を憎しみながら生きてほしくなかったんです」。

・リーム氏の「対話の授業」が紹介されている。たとえば、「爆弾が怖くない人なんている人なんている?ユダヤ人とパレスチナ人、人間と人間が殺し合っている。私たちは何をすべきかしら」という問い。

・「ネベシャロームの教育はイスラエルでは例外」であること。「イスラエルの一般的な公教育では、ナクバは周縁に追いやられ、ホロコーストの悲劇が繰り返し語られる」こと、「集合意識の中に「永遠の被害者」が刻まれる」そうだ。

・リーム氏は、「無知は恐れと不信を生み、憎しみを醸成します。悪循環を断ち切るには双方の立場から事実を伝え、対話を重ねるしかありません。一緒に学ぶのは他者を理解するためなんです」と言う。

 2023年10月、ハマスによる奇襲、パレスチナ自治区ガザの戦闘、「イスラエル社会では改めてパレスチナ人への憎悪」。リーム氏「(学校の様子は)厳しい」。「かつて「争いのない未来をもたらす平和の使者を育てる」と希望を語ったリーム氏」。平野さんは、「理想と現実の乖離を感じた」と言う。

 歴史学者ユヴァル氏への取材で、平野さんは氏のことば「この紛争は資源を巡る争いではありません。双方が『この土地はわれわれのもので、あいつらはここにいるべきではない』と幻想を抱いているのが問題」「二つの民族が暮らしているという現実を認め、この幻想を取り除かなくてはなりません」を紹介。そして、「教育には、憎悪をほどく力がある(リーム氏、ヘジ氏らの実践)一方、被害の記憶や排他的な民族意識を再生産し、紛争の継続に寄与する現実(イスラエルの一般的な教育)もある。子どもたちが恐怖や怒りを自分の言葉で語り(リーム氏の「対話」実践)、相手の言葉を聞く場をどうつくるのか。その困難さは戦争が長引くほど重くなる。(リーム氏「厳しいです」)」と書かれている。

 

 平野さんに学んで、自分の授業、社会、国のあり方などを考えます。昨年度、桐朋小では『故郷の味は海をこえて』(著・写真 安田菜津紀)を教材に扱い、学びの最後に、その本に出てくるミャンマー料理店を営むタンタンジャインさん、タンスエさんや難民支援協会の方に来ていただいて、料理をいっしょにつくることをしました。タンスエさんから、自由のない社会、命を狙われ日本に逃れてきたこと、「難民認定」までの長い道のり、「どこに逃れたとしても人間らしくいられる場所を」という願いなどを直接聞いて、困難な状況を学び、考え続けています。「争いのない未来をもたらす平和の使者を育てる」ことを願って実践をすすめます。

 イスラエルの一般的な教育が「排他的な民族意識を再生産し、紛争の継続に寄与する現実」として捉えると同時に、私たちの教育や社会がそのようになっていないかを考えます。そして、日常の対話、政治の話題における対話などを重ねていく必要を感じました。

 京都大学の藤原辰史さんが『中学生から知りたい パレスチナのこと』の本で、「低関心は、戦争の暴力の激化とも深く関わっています。イスラエルによるパレスチナ人の生存条件の破壊はもう半世紀以上もつづいていて、ほとんどの人が理解しているべきだったにもかかわらず、なぜこの程度しか知られていなかったのかという問いを私たちは突きつけられています」と書いていて、心に突き刺さるようなことばでした。なぜなら、これは私自身のことだと捉えたからです。

 

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