2018.3.23

コラム

第59回 卒業式 [Ⅱ-148]

 桐朋小学校を卒業されたみなさんと、ご家族のみなさまに、心からのお祝いを申し上げます。ご卒業おめでとうございます。
 卒業生のみなさんは、これまで授業や行事などいろいろなことを経験してきました。友だちといっしょに笑い、泣き、喜び、悩み、一つのことをやりとげる経験をたくさんしてきました。

1 一人ひとりの振り返りから
 卒業式直前に行った最後の「トピックス」で、一人ひとりが6年間を振り返り、話してくれました。その「振り返り」からの紹介です。

5年生の運動会の全員リレー
 私がいた白チームは、星野先生に「2位か3位になるようにかんばれ」と言われていたし、練習でも一度も一位になれていなかったけど、本番は優勝し、桐朋記録もぬりかえました。それはくやしさをばねに最後まで諦めずにバトンパスを練習した結果だと思います。皆で団結し、優勝した運動会は最高の思い出になりました。

6年生の運動会
 今年はたくさん旗取りのルールについて話し合いました。クラスの中でもめたりもしたので、うまくいかないんじゃないかと思ったことも何度もあります。練習し合いでは西組に何度も負け続け、ほとんど諦めていました。でも本番になると「絶対絶対勝つぞ」という気持ちになりました。なので、勝った時は涙が出るほど嬉しく、最高の思い出になりました。とても嬉しかったです。

クラスへ
 楽しいことを楽しむ力はどこの学校にも、そしてクラスにも負けないと思います。遊びを学びに替えていく。そんな「魔法」のかかったクラスでもあると思うし、みんなでしゃべってるだけでも自然と笑みがこぼれてきたり、くだらない話で盛り上がって和気藹々としたなごやかなクラスでもあると思います。なので、それを中学校で形を少し変えて活用できるといいなと感じています。

自分の成長
 私が自分で成長したなと思ったところは、自分の意見を伝える力です。私はずっと昔から消極的で自分の意見をしっかり言えなかったのですが、小学校生活の内にだんだん意見を相手に伝えることができるようになりました。頼まれたら、私は断れないという悩みがあったのですが、今はしっかりそしてはっきり思っていることを伝えて、そして傷つけないように断れるようになりました。

 一人ひとりが歩んできた道は、かけがえのないあなたがつくってきた歴史です。学校では、友だちや先生らとかかわり、自分を成長させてきたのです。みなさんと学んだ私は、小学校時代を振り返ると、自分に自信がなく、まわりの評価を気にし、自分の考えを伝えないようにしていました。ただ、時を忘れて遊ぶことは大好きでした。中学校に入り、先生や友だち、まわりの大人が励ましてくれ、そのおかげで、自分に向き合い、少しずつかわれたなと思います。私と違って、みなさんは自分を成長させていてすごいと思ってきました。

2 子どもの権利条約
 一八歳未満のすべての人の安心・自信・自由という人権を守ること、生きる、育つ、守られる、参加するという子どもの権利について世界中の国々の間で交わされた約束ごとです。

●安心して子ども時代を過ごせること
●自信とは、自分を信じて肯定することができること。世界に一人だけの自分を、他者を価値ある存在として認められること
●自由は自分の考えで行動できること
 一人ひとりは、感情や意志をもった人間として尊重され、「なりたい自分」に向かって可能性を最大限伸ばされるように応援してもらえます。

 桐朋高校三年生の卒業文集を読みました。小学校時代、友だちとの関わり、家族との関係で悩みを抱えていた人が、失敗した自分を受け入れ、何度も立ち上がってきたのは事実だと書いていました。また、高校になって一人の友人のおかげでしたいことを見つけていました。私は私を失わない自己を得たのです、とも。
 みなさん、焦らずゆっくり自分らしく子ども時代をしっかり過ごしてください。自分の可能性をどこまでもひろげてください。

3 新しい世界に向かうみなさんへ
 私たちは生きていく中で、こうなったらいいな、こうなりたいと願うことはありますが、思いどおりにいきません。予定通りにいかないこと、予想していない新しい出来事に出会います。挫折感や成功を積み重ねていきます。
 あの時ああしたらよかったと思うかもしれません。しかし時間をさかのぼることはできません。できることは、今から新しくやり直すことです。何を大切にしてどんな新しい可能性に向かってすすむかを考えます。新たな可能性に向かうときに、これまでの経験が自分の土台になります。

自治の力
 僕が桐朋小学校で学んだことは「自治の力」です。日々の自主学習や自治での自立を学びました。自主学習では、自分で苦手な科目を見つけ、苦手科目を克服する力がついたと思います。自治では児童一人ひとりが主体となって自治を創っていったと思います。国語や算数などでは、一人ひとりの意見を尊重してくれたと思います。

現代社会の平和の授業
 前から世界には生活が苦しい人や内戦で巻き込まれた人のことは知っていて、自分もそんな人を助けられる等のことは聞いていたのですが、そんなことはやりたい人がやればいいと思って聞き流していました。ですが、宮崎先生の授業では実際に動画を見せたり、仕組みを教えてくれたので、生活難の人たちを近くで感じられました。また、自分にできることの具体例もあげてくれました。自分の中で世界の事情に対して近くで感じられ少しは成長したのかなと思いました。

 みなさん、これからも、やりたい、やるぞという気持ちを大切にして、前にすすもう!
 安心して挑戦し、どんどん失敗したり、まわり道をしたりしていきましょう。その中に「やった-」と思えることをつかんでください。自分でよく考えて、自分の意思で行動する人をめざしてほしいと思います。―自分らしい、自分の人生の主人公に、社会の主人公に―

 お父さん、お母さん、きょうだい、友達、先生や周りの大人たちは、一人ひとりの応援団です。
 卒業、おめでとう。(2018年3月16日 卒業式でのことば)

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