子どもたちの学力実態を把握し、成果と課題を取り出すことは大切です [Ⅱ-152]
2018年4月17日、文部科学省「平成30年度 全国学力・学習状況調査」(小6、中3対象。以下「全国学力調査」と記す)が実施されました。
報道によれば、国公私立の小中約3万校で約213万人が参加(島根西部の学校は地震の影響により、後日参加)。国語、算数・数学に、理科(3年ぶり)も加えた3教科で実施。結果は7月に公表。この調査は、2007年度に始まり(東日本大震災の時は中止)、今回が11度目です。
調査のねらい(文部科学省HP)は、
◇義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図る
◇学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる
◇そのような取組を通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する
です。
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桐朋小学校は、子どもの発達にあわせた教育課程の自主編成教育を大切に行っています。
扱う単元で重点とするところ、じっくり時間をかけて学ぶところを明確にし、必要に応じて単元の組みかえなどを行っています。
ですから、私たちの自主編成教育にあったテスト、調査などを行うことが大切であり、この全国学力調査には参加をしていません。
私たちのテストに対する考えと評価です。
子どもたちの学力実態を把握し、成果と課題を取り出すことは大切です。
桐朋小学校では、5、6年生全員に対し、春と秋に「学力実態調査」を実施します。また、どの学年も単元テストなど行ない、学力の実態把握、成果と課題の取り出し、カリキュラム、授業、指導などの改善に結びつけます。そのような取り組みを大切にしています。
私たちの評価についての考えです。
私たちの学校には通信簿がありません。このことは子どもを評価しないということではありません。評価は、その子らしさを認め、励ましていくことだと考えます。
一人ひとりの子が自分の良さや課題がわかり、自ら取り組むことを大切にします。テストは、その子の、そして私たち教師の課題を明らかにし、共有していくためのものです。点数をあげるためにテスト問題を繰り返し、テストのための教育をするようなことはしません。
子どものよさは数値で評価できるものではありません。年に2回行われる個人面談が、親と教師が子どものよさを発見する大切な評価の場です。
教職員AED講習の様子から
私学の独自性。
私学は、独自の教育理念と教育内容を持ち、学力調査やテストの内容や進度、範囲とは異なる場合があります。私たちが参加しない理由の一つは、私学の独自性からです。
実際に、全国学力調査の問題をみてみました。ぜひ子どもたちと学びたい、考えたい問題がありました。
これまでの全国学力調査では、たとえば、成績が全国平均以上だった校長名を公表することなどがありました。「序列化や過度な競争が生じないよう配慮が重要」と実施要領で定めたことが守られていない実態がありました。そうしたことは改善されていく必要があります。
「かめが 2ひきに ふえた!」(3歳児の発見!)