一人ひとりの輝く姿に感動 ―卒業、おめでとう― [Ⅱ-187]
3月15日、卒業生の保護者、ご家族のみなさまのご列席をいただく中で、第60回卒業式を行うことができました。たいへん嬉しく、ありがたく思います。保護者のみなさまには、お子さまのご卒業を心からお祝い申し上げます。また、今日まで、私たちの桐朋教育に温かいご理解とご協力をいただいたことに対し、御礼申し上げます。
卒業式での「お祝いの表現・在校生(を代表しての5年生)」、「卒業生の表現」は、一人ひとりが輝いていて、たいへん素晴らしいものでした。いろいろなことが心に浮かび、心がふるえました。
私が、みなさんに話したことの中から、「30条から成り立つ『世界人権宣言』を知っていますか?」を取り上げます。卒業生のみなさんと学んだ「トピックス」(週に1度の授業)では、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんの仕事を教材に、世界の子ども、世界の出来事について考え合うことなどをしました。そして、みなさんから、もっと世界のことを学んでいきたいという感想、意見を聴きました。そこで、卒業式では「世界人権宣言」を取り上げよう、この宣言に掲げられた世界をみなさんといっしょに築いていきたいという気持ちをもって話したのです。
[世界人権宣言] 20世紀に起こった二つの大戦で、世界中の人が深く深く傷つきました。そのような戦争を二度と起こさないために、そして世界が平和であるためには、一人一人が大切にされる世界でなければなりません。それを言葉にしたのが「世界人権宣言」です。条文を3つ紹介します。詩人の谷川俊太郎さんが訳したものです。
1条 一人ひとりがかけがえのない人間であり、その値打ちも同じです。だからたがいによく考え、助け合わねばなりません。
19条 私たちは、自由に意見を言う権利があります。だれもそのじゃまをすることはできません。(すべての人の自由と権利を守り、住みよい世界をつくろう)
26条 人は教育を通じて、世界中の人と共に平和に生きることを学ばなければなりません。
世界人権宣言は、約70年前にできたものですが、現在でもなお、世界中の人々が幸せに暮らせるための拠り所となっている約束です。しかし、この宣言が目指した世界が実現できているといえるでしょうか。まだまだ多くの取り組みが必要です。みなさんは、「ラオス応援プロジェクト」に取り組んだり、広島修学旅行など学んだことをもとに、長い時間をかけて台本にし、みんなで演じたということなどもその一つだと考えます。
これからも、一人ひとりが大切にされ、平和な世界を築いていくために、たくさん学び、多くの人と協力していこう。
卒業おめでとう!