2019年度、初等部の保育、教育で大切にしたいこと [Ⅱ-191]
2019年度、初等部の保育、教育で大切にしたいことをお伝えします。
私たちは、子ども一人ひとりが、現在(いま)を充実させて生きること、その子らしく生きることを大切にする園、学校にしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
1 桐朋幼稚園の保育、教育で大切にしたいこと
保育、教育目標は、
●主体的に取り組み、社会性を持つ子どもを育てる
●心の豊かな子どもに育てる
です。
目標を実現していくために、8つの重点をもとにすすめていきます。
①原点に子どもを
園生活のすべての内容、方法について常に「子どもを原点において考える」ことを大切にします。
②主体的に取り組む気持ちを育てます
子どもが自らやってみたいことを選び、堪能できるようにします。遊びや生活、活動に対して自らやってみようとする気持ちを育てます。
③取り組みの過程を大切にします
子どもが失敗しても、繰り返しやってみようとする姿勢を大切にし、少しずつ自信を持てるようにしていきます。
④生きるために必要な力を育みます
幼児期は人間としての基礎を育む時です。子どもが体験を通して、生きるために必要な基礎的生活力の習得を図れるようにします。また、人と気持ちよく生きようとする中では、楽しいことばかりではなく、疑問に思うことや課題に向き合うこともあります。そうした時に自ら考え、判断し、行動する力を育むことを大切にします。
⑤感性を育むことを大切にします
子どもが身の回りにある環境に、見ること、触れることなど、五感を働かせて自ら関わろうとする力を育みます。
⑥人との関わり合いを大切にします
子ども同士が関わり合う中で、喜び、楽しさ、ぶつかり合い、ままならない思いをすることもあります。そのようなことを通して互いの気持ちに気付き、育ち合う、支え合う関係作りを目指していきます。
⑦総合的な取り組みを通して、創造することを大切にします
園生活は、「遊び」「生活と仕事」「題材による活動」が相互に関わり合っていきます。こうした生活を通して、様々なことに思いを巡らせ、試してみたり、やり直してみたりすることといった、子ども一人ひとりの発想とその取り組みを大切にします。
⑧子どもの育ちを支える、大人同士の結びつき
一人ひとりの子どもがゆっくりと成長することが出来る様に、保護者と幼稚園、また保護者同士が連携し、共同することを目指していきます。
2 桐朋小学校の教育で大切にしたいこと
教育目標は、
●子どもを原点にした教育の実現
●社会の主人公となりゆくための根っこを育てること
です。
目標を実現していくために、
●子どもを原点にし、一人ひとりに寄り添います
子どもは、一人ひとりがかけがえのない価値を持っています。子ども自身が自分の、そして他者のかけがえのなさを深く信頼できるようになることを大切にしています。
私たちは、どの子も人として尊び、子どもの姿から常に教育を見直していきます。
●一人ひとりの子が、社会の主人公となりゆくための根っこを育てます
私たちは、幸せな子ども時代のために、子どもが学校生活をたのしいと思えるようにしたいと考えます。そのことが、一人ひとりの子が、社会の主人公となりゆくための根っこを育てることにつながると考えます。そのために、教職員が個性豊かに協働します。
私たちが大切にしている11の柱です。
①学ぶことはたのしい!
子どもたちが、学ぶことはたのしいと思い、学び続けようとする姿を大切にしています。また、ものごとを考え、判断し、行動する力を育みます。そのためには、子どもの意欲をかき立て、子どもの疑問を大事にし、子どもが自らの課題を見つめ、選択して学んでいくことを大切にします。
②子どもたちが協同で学ぶこと、働くこと、遊ぶことを大切にしています
違いを大切にしながら、集団で学ぶこと、働くこと、遊ぶことを通して、お互いの良さを共有し合う関係を育て、自分らしさを育みます。
③子どもの自治的活動を大事にします
子どもたちにとって、だいじなことは自分たちで決めていく、大人の手を借りて実現していくことを経験します。さまざまな参加活動を通して、学校や社会のつくり手となりゆくための根っこを育てます。
④学びと同じように遊びを大切にします
子ども時代に、たっぷり遊び、心とからだを耕すことはとても大切なことです。遊びを通して、創造力、自立心、連帯、責任感、自主性、選択する力など、さまざまな豊かな力を育てます。
⑤私たちの教育はけっして急ぎません
このことは、単に学習のスピードを遅くするということではありません。子どもの生涯にわたる根っこは何かを考え、子どもの発達課題に応じて必要な時間と手間をていねいにかけて教育していきます。
⑥子どもの発達にあわせた教育課程の自主編成教育を行います
子どもの身近にいる私たちが、芸術や科学の成果を大切にしながら、子どもの発達にあわせた教育課程の自主編成教育を行います。
⑦実際に「行うこと」を追求します
学童期において、1)自然そのものとふれあうこと 2)実際に事物にふれ、操作をすること 3)身体をくぐらせること は、とても大事なことです。学年が進むにつれて、抽象的な概念や法則化などを、実際に「行うこと」を大切にしながら学びます。
⑧学びの過程や意味を大切にします
取り組みの過程で、試行錯誤すること、時には失敗することも大切にし、時間がかかっても身体を通してわかる、できることを育みます。とりわけ、総合で学習の意味=身近な生活とつながる、実際の現実世界の課題とつながることを重視しています。
⑨平和を希求し、一人ひとりの子どもが平和のつくり手として社会に参加できるような根っこを育てます
身近な友だちとの葛藤を解決することや、世界や日本の平和について積極的に考え合うことなど、お互いの気持ちや考えを伝え合い、理解し合う機会を大切にします。
⑩子どもが育つ環境をつくりあげます
子どもが子どもらしくいられる最良の時間と空間を大事にします。教室は、授業や活動に応じて変化させ、自分たちの生活しやすい空間へとつくりかえることができます。放課後は、ゆったりしたり、夢中になって取り組める時間、空間を保障しています。
⑪親と教師、親と親は、子どもの教育のために結びあいます
大人の役割として、その子その子の成長を見守り、援助していきます。子ども一人ひとりの「最善の利益」とは何かを考え、それを実現するために共同します。
ここに掲げたことを、日常の生活、活動、授業において実現できるようにすすめていきます。