1学期の振り返り③ 八ヶ岳合宿大成功!
雨の合間をぬうように、川遊び、ハイキング、ソフトクリームを食べ、カレーライスづくり、キャンドルファイヤーと、合宿も無事終わりました。なんだかもう少し、子どもたちと一緒に話をしたり、ふりかえりをしたりしたかったなと、後ろ髪を引かれる思いで夏休みへ。4年生では3泊4日の八ヶ岳の合宿。こんな長く親元を離れるなんて、多くの子どもたちにとっては、初めてのことだと思います。
それだけに、合宿のテーマには居心地のいいグループ、学級、学年をつくろうと大きく二つのめあてを立ててきました。「自分とみんなにとって気持ちのいい生活・遊び・活動をつくろう」「気持ちのいい生活・遊び・活動をつくるために、ふり返りを大切にしよう」子どもたちは、自分も、周りの人も気持ちのいい場をつくろうと様々な活動をし、少したくましくなって帰ってきました。
合宿中、夜のクラス会議で「トランプやカードゲームは20分間のみ!」とプロジェクトリーダーからの提案がありました。少しでも自然とふれあってほしいし、いろんな人とももっと関わってほしい。そんな願いが全体で伝えられました。すると、少し小雨の降る中でも、今がチャンスと、池の周りでカエルさがしに夢中になる子どもたち。様子を見に行くと、男女もそうですが、クラスの垣根を越えて一緒になって、カエル獲りに夢中です。親指サイズの小さなカエルが、池の中や葉っぱの裏に隠れています。それを獲ろうと、湿った草っ原に這いつくばって、今にも池に落ちるかもしれない。そんなこともおかまいもせずに、水面へ身を乗り出しています。
「あっちの滝のほうにも、いるかも。先生も一緒にいこ!」とぐっと引っ張れると、その腕は水や泥でぐちゃぐちゃ。汚れも気にせず、遊びに夢中になるいい自然体験でした。しばらくすると、袋いっぱいに、つまったカエルがたくさんとれました。活動に快くみんな笑顔。自然と触れあい、気持ちのいい場をつくろうと大成功。
夜、はるな先生が玄関でなにかやっていので声をかけると、「カエルがにげちゃって大変」とが困った顔でカエルをつかまえていました。
自分の仕事を最後までやること。とても大切なことです。今回の合宿では、一人1リーダーとして活躍しようと、5月の高尾山遠足から役割分担をして練習をしていました。プロジェクトリーダー、クリーンリーダー、ケアリーダー、ハイキングリーダー、野外料理リーダー、キャンプファイヤーリーダー、ネイチャーリーダー、八ヶ岳新聞リーダーなどなど。それぞれが、生活や活動で、みんなが過ごしやすいように、はりきって仕事をしました。
けれども、やっぱりはじめてのこともあるのでトラブルは絶えません。野外料理のこと。雲行きが怪しく、いつ雨が降ってきてもおかしくありません。けれども、野外料理の役割分担がグループ団のメンバーにしっかりと伝わっておらず時間が経つのみでした。それを心配した他のメンバーが気を利かせて事前に役割を分担してくれていました。けれども、それが納得できない野外料理リーダー。
さて、困った。「ピンチはチャンス」と、ふり返りを大切にしようと話し合うこと、軒下で30分。他のグループはもう火起こしが終わっています。「どうなるのかな?」と心配をしながら聞いていると、お互い言いたいことを言い合って、すっきりしたのか、「よし!はじめよう」と。鼻息荒くスタートしました。事前の役割分担をうまく活かしながらも、お互い協力しあいながら火起こしを大成功。ハラハラしたぶん、いつもよりもぐーんと、おいしくできました。
野外料理を体験することも大事なことですが、そこでの失敗やトラブルを活かしながら、たくましく乗り越えていくこと。大事な学びです。
一日の最後はグループ団ごとに、ふり返りをします。「今日は○○くんが、自分のことだけじゃなくて、私のことも助けてくれた」「トランプに夢中になっちゃったので、明日はもっと自然とかかわりたい」と、めあてにそって、今日一日のよかったことや発見したこと、明日への改善点など。さらには、「今日のスター」として、毎日、各団で表彰していこうと提案されました。「今日のスターは○○さん。だって、私が困っていたとき優しく大丈夫だよって、助けてくれたから」
グループ団での振り返りをもとに、いよいよクラス全体でのクラス会議。疲れも最大で、眠い目をこすりながらも、思ったことを伝えたり、聴いたり、お互いの一日を話し合う時間を大切にしたい気持ちが伝わってきました。
いいことや改善点や提案などが、毎夜出されます。最終日には、話し合いも板についてきたようで、急遽予定にはなかった一人ずつ合宿の感想を述べることに。自然と拍手がわいたり、それぞれが抱えていた不安を打ち明けたり、ハイキングで足がぬかるみにはまってしまった話をしたり、お互いの素直な気持ちを聴いたりすることができました。
3年生からクラス替えがなく、顔見知りのメンバーでいけるこの合宿は、ひとつの集大成。けれども、この体験の最中でも失敗からもぐんとたくましく育っていく子どもたちの姿や、話し合おうとする様子に、子どもたちの学びには終わりがないんだなぁと改めて思うのです。