桐朋小だより

2020.4.26

全学年

「今」、たくさんのことに出会って

 みなさん元気にしていますか。

  私は美味しいものを作って食べたり、ちょっと遠くまで散歩に行ったり、歩いてすぐの実家の犬に会いに行ったりしています。この前はあんこを作り、おはぎにして食べました。美味しくできてついつい食べ過ぎてしまいました。

 

  6年生の子が休み中に、「映画をたくさんみている」とハガキに書いて送ってくれました。そこには、「今まで苦手だと思っていたり、食わず嫌いのような感じでみていなかった映画も実はみてみると面白くて、なんで今までみなかったんだろう」ということも書かれていました。

 

  私は子どもの頃からジブリ映画が大好きで、1997年に公開され大ヒットとなった『もののけ姫』は家族で映画館に観に行ったし(その時は幼稚園の年長でした)、翌年発売されたVHS(「ビデオ」と呼ばれていたもの)を祖母がプレゼントしてくれると、毎日早起きをして登校前にちょっとずつ観ていたことを思い出しました。小学校1年生で、映画の内容をきちんと理解していたとは思えませんが、登場人物の魅力や美しい風景画の魅力、音楽の魅力を、幼心ながらに感じていたのかもしれません。「私もこんなかっこいい人になりたい!」と夢見ていたのでしょう。

 

  大人になってから、子どもの頃散々観た映画を観る機会があります。金曜ロードショーなどで放送されることを知ると、ついつい観てしまいます。あんなに観て展開も結末も全部わかっているのに、どうしても観たくなるのです。

  そして、大人になって観てみると、子どもの頃は何も感じなかった場面や台詞に、ハッとさせられることがあります。そんな時、私は子どもの頃に帰ったようなワクワクした気持ちと、まだまだ世間では若い方ではありながらも、これまでの人生の様々な経験を「大人として」振り返り、「あの時こんな言葉を誰かにかけてもらえたら・・・」なんてしんみりした気持ちと、両方がごちゃまぜになっているのです。

 

  自分のやりたいことにじっくり取り組める時間がある今、映画に限らず、夢中になれる色々なものに出会ってほしいと思います。これまで「好きじゃない」と思っていたものも、実は「今」だったら、また違った見え方や感じ方ができるかもしれないと思うのです。

 

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