桐朋小だより

2020.4.27

全学年

ゆったり時間

  本来の放課後の美術室は、ゆったりした時間が流れています。
子どもたちがそれぞれに、「これを作りたい!」と元気よくやってきたり、「暇だから何かしたい」とぶらぶらやってきたりします。

 自分が作りたいものが決まっている子は、「これをどうやったらできるの」とたまに先生にも声をかけたりしますが、多くの場合、黙々と「何か」を作っています。いろんな材料を机の上に並べ、切ったり、貼ったり、折ったり、丸めたり・・・・
「ああでもない・こうでもない」と口を尖らせた表情で試行錯誤しています。それが最終的に、完成という「形」にならないこともほとんどで・・・・でも、なにかしら満足して帰っていくようです。

 大人から見ると、「なにやってるのかな~?」と不思議に見えてしまうかもしれないこの行為は、じつはとても大切な・・・というより、子どもにとって必要な行為なのだと思います。それは工作や絵に限らないことかもしれませんね。
 自分の頭の中にある思いやイメージを、外の世界に工作という形で働きかけて自分のイメージに近づける。
その中では作りながら次の展開を考えたり、自分のイメージに使づけるためには計画性や根気が必要なことを学んだり、この世界のことを素材、道具を扱い感じながら学んでいるのだっと思います。また自分のイメージを形にしていくことに感動をしているのだと思います。

 

 放課後の美術室には6年から1年生の子までやってくるので、図らずも、子どもたちの異学年交流も自然にあります。つい最近まで(大人の時間的感覚ですが・・・)先生がつききりで工作を行わないと、なかなか自分だけではできなかった子が、1年生に自信満々に先生のように教えていたり、また1年生が高学年の子の作る工作のすごさにあこがれを持ったり、近くで見ていて本当にほほえましい気持ちになります。私は今、またこのゆったりとした時間が過ごせるの心待ちにしています。

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