1学期のふりかえり⑤ 平和について考える
8月6日。広島に原爆が落とされた日です。例年であれば夏休み真っ只中ですが、今年は登校した6年生と一緒に、戦争について書かれた詩を読んで感じたことを書き、友だちと聴き合いました。
自分と年齢の近い人が書いた詩に心を寄せ、自分がそれに対して思うこと、また友だちが感じていることにも共感をしました。
この日だけでなく、6年生では戦争について考える時間を作ってきました。その中で、親戚の人に話を聞いてみたり、自分で本を借りて読んでみたり、テレビを観てみたりと、自ら戦争や平和について考えようとする姿に頼もしさを感じました。
戦争 5年 橋口さくら
私は、今日 夕食を食べながら、ニュースを見ていました。画面に病院の様子がうつされていました。このイラクとアメリカの戦争でケガをしたイラクの人達がたくさんいました。頭や手足に、包帯がグルグルとまいてある人もいました。私は、
(こうやって食事している間にも、多くの人がケガをしたり、亡くなったりしているかもしれない。)
と思いました。イラクやアメリカの大統領は、自分が戦うわけでもないのに戦争を始めました。あの人達は、「戦ってこい。」と言うだけです。自分が戦争を始めたことで、いったいどれだけの「命」が犠牲になるのか、分かっているのでしょうか。
・「大統領は自分が戦うわけでもないのに戦争を始めました。あの人たちは『戦ってこい』と言うだけです。」という文章が印象に残りました。理由は、どこの国でも、えらい人やけん力を持っている人だけが好きなように人生を送れて、貧しい人たちはえらい人たちに従う、このようなことが原因で小さな争いがたえないんじゃないか、と思ったからです。
・日本で幸せに暮らしていても、どこかの国のだれかが殺されていると知ると心が苦しくなる。戦争って、本当にだれのためにもならないと思った。
・命は一個しかないのに。何で「戦え」と言うんだろう。
平和という幸せ 青森6年 佐々木裕佳
欲張りな私/服がほしい/くつがほしい/その他にも/文ぼう具、CD、マンガなど
あげくのはてに/グランドピアノや部屋の広さ、/視力まで/次から次へと出てくる欲
だけど、ある日/テレビの映像に目を疑った
戦争で家を焼かれた人々の群/砂ばくのテントの中で/とほうにくれている姿
病院で泣いている子供たちの/悲しげにゆがんでいる口/不安そうな目
もし私が/この人たちだったらどうだろう
ほしいものはきっと一つ/「平和」
この生活から抜け出したい/幸せになりたい/それだけだと思う
そう考えた時/私のほしいものは/なんてちっぽけなんだろう
この平和な日本に住んでいられることが/最高の幸せなのに
・砂漠のテントの中でとほうにくれている姿や、病院で泣いている子どもたちを見ると、平和で不自由もない日本に住んでいることは幸せなのかもしれないと実感した。
・「ほしいものはきっと一つ『平和』」という文を読み本当にそのとおりだと思いました。今、私が友達などと笑って楽しく、平和に過ごせているのはとてもしあわせな事だと感じました。
・ぼくはゲームもおもちゃもたっくさん欲しい。だけど、やっぱりなによりも幸せなのは戦争がない国に生まれて、平和に生きていくことだと思う。だからこそ、今、これからも、絶対に戦争はやってはいけないと思う。戦争をしても、何も得られるものはない。絶対に戦争を起こさないように、ぼくたちが戦争がこれからもない国にしなければならないと思った。
戦争に行ったおじいちゃん 6年 樋口武伸
おじいちゃんが/目に涙をため/手にちり紙をもって/身をのりだすように/テレビを観ていた。
中年の男の人が/涙を流しながら/何かをしゃべっている。/中国残留こ児のテレビだった。
おじいちゃんは/重機関銃隊で/中国へせめに行った。
敵との戦いの中で/畑をめちゃくちゃにふみつぶし/村や家を焼きはらい/人まで殺した。
大軍に囲まれて/あぶない時もあったと思う。/話すおじいちゃんの額には/汗がでていた。
ときどきぼくを呼んで/戦争の時の写真を見せてくれる。
「これがおじいちゃんの入った連隊だ。」/「これが隊長だ。」
ほこり気に言う。/何かニコニコしている。
テレビを観て/涙を流し/「戦争はいけねえだ。」/と言っているおじいちゃん。
でも/おじいちゃんの戦争の話を聞くと/少しはよかったこともあったように聞こえる。
ぼくには/おじいちゃんの気持ちがよくわからない。
戦争は/絶対にいけないことなのに。
・良いこともあったというところが気になった。良いこととは、自分的には自分の国の人を殺した人を自分が殺せるということなのではと思っている。今の時代では考えられないことでも、その時は、相手の国へのにくしみが多かったのかな?と思った。
・僕は戦争は良くないことで一般人も死んでいく野ばんな争いだと思っている。しかし、文を読んでいったらおじいちゃんは戦争に行って多くの人を殺してきたのは良くないと言っているけれど、心の中では生き残った自分のほこらしさを感じていたので、立場や状況が変わると戦争に対する気持ちも異なってしまうことが印象的だった。
・ぼくのひいおじいちゃんも戦争に行っていた。もしそこでひいおじいちゃんが死んでいたりしたら、ぼくはいない。生きていてくれたひいおじいちゃんに感謝しなきゃいけないけど、そもそも戦争をすることはちがう。絶対に戦争はしてはならないと思いました。