2020.9.3

6年生との「トピックス」授業 [Ⅱ-237]

◆校長先生がやってくれる授業なので、つかれる授業だと思っていた◆

6年生との授業「トピックス」があった日の終わりに、学級で「一日の出来事で、一番心が動いたことやその時の気持ちを書」いたものを読ませてもらいました。そこには、

「校長先生がやってくれる授業なので、つかれる授業だと思っていたけど面白かったです。でも、『トピックス』の話題を考えないといけないので面どくさいです。」

「今のことを話すって言っていたから大変なのかなって思っていたけど、全然楽しかった。今日は『防災』のことについて話して、もっと備えた方がいいなと思った。」

「授業では東日本大震災のことの自分達の経験のことをグループやクラスで話し合いました。みんな『こんなことが起きたんだぁ~。』とか『うそえ~!?』とかいろいろなことが頭の中で浮かびました。」

などの率直な気持ちが書かれ、たのしく読みました。「つかれる授業」「(「やってくれる」に心づかいを感じて)『トピックス』の話題を考えないといけないので面どくさい」などの感想も受けとめながら、一人ひとりが主体的に学び、主人公となる授業をしていきたいと思います。

3~5歳児学級の子が集まって、「あっ、なにかいる。」「えんちょうせんせい、ほうき かして!」(ビールケースも積み重ねて)

◆一人ひとりが社会の出来事を自分なりにとらえて交流しよう◆

授業では、4人学習班で自分のトピックを話し、交流する時間をとります。今回出されたものを紹介します。

「私のトピックは、最近家族で、テニスの大阪なおみ選手が黒人差別について話していたことなどを朝ご飯の時などに話しています。昔は、白人用のバスと、黒人用のバスが分けられていたりしたらしいです。なぜ『黒人』というだけで、差別をされなければいけないのかが不思議です。」

「ぼくのトピックは、ブラックパンサーという映画のブラックパンサーを演じている黒人のはいゆうさんががんで亡くなってしまったことです。自分も、ブラックパンサーを見ていたし、マーベルという会社が出している、アベンジャーズというぼくが気に入っている映画にも出ているからです。とても悲しいです。」

「コロナウイルスの感染者が出た病院の人たちがひぼう中傷を受けていることをニュースで知りました。だって自分が怪我をしたり病気になったりしたときも病院の人たちに助けてもらうし、今の時期一番がんばっているのも病院の人たちなのに、なぜそんなことが出来るのか、ぼくは不思議に思いました。」

「モーリシャスの重油が流れた事件だ。油が湖の中に入ってしまい、とるのが大変で、今も撤去作業をしている。湖にいる魚が死んでしまうので、今後そういう事故はなくしてほしい。」

そうした自分のトピック、友だちのトピックを交流して、社会の担い手としての根っこを育ててほしいと思います。その子の授業での発言や授業の終わりのまとめを読ませてもらうと、私の学びがひろがります。

5歳児学級の木のぼり名人。「せみのぬけがら はっけん!」(両手いっぱいに)

◆9/1のトピック 防災の日◆

私からの投げかけは、「防災の日」について考えようでした。

テキストは、『特別授業3.11 君たちはどう生きるか』(国語 あさのあつこさん、歴史 池澤夏樹さん、地理 鎌田浩毅さん、理科 最相葉月さん)と、『日本子ども文詩集 2011年版』を使用。なぜ、日本は地震が多いのか。地理、歴史から学び考えてみよう。東日本大震災を体験した子どもたちの綴ったものを読んでみよう、などの内容でした。

「今日、四人班で話し合った時、その頃を覚えていない子がたくさんいました。自分もその中の一人。東日本大震災の時、お父さんは出張で宮城に行っていて、『食料を買いたくても買えなかった。』『この地震があってから地震の時になる音が大嫌いになった。』と話していました。私はそれをきいて、地震って怖いんだなと改めて思いました。」

「班の中で話していた時に、「もし何か一つ持ってにげるとしたら、何を持っていくか。」という話になりました。その時に「けい帯電話」という人がいて、それもそうだな~と思ったけど、私だったら「定期券」や「身分証明書」を持って逃げると思います。理由は、一人の時だったらお母さんとかを探しやすいし、自分の証明になるからです。」

「やはり大きな地震があると、いつもの訓練のように机の下にもぐる事は難しいのだなと思った。机ごとゆれてしまうほどの大きな地震がきたら、私は何をしたらいいか分からなくなってしまう気がする。お母さんなどが迎えに来る事ができなくなってしまったら不安で仕方ないと思う。」

「地震は見えない危険であって、雨や風と違ってすぐ逃げられないのが怖い。ぼくは地震の時になる『チャーランチャーラン』の音が、理由は自分でもわからないけどトラウマになってしまった。」

「今日の授業を受けて、『防災の日』はすごく大切な日なんだなと思いました。首都直下型地震が起きると言われているので、しっかり防災しないといけないな、とすごく思いました。私は自分の家でどのような対策をしているか知らないので、もちろん非常食の場所とか知りません。なので、すごく怖くなりました。今日、家に帰ったら、親に色々聞いてみようと思います。」

「自分は東日本大震災があった時の記憶はありません。でもパパとママから聞いたことはあります。私は保育園にいたそうです。そのあとパパが車で迎えに来てくれた、という話を聞きました。」

授業後には、家族を第一に逃げる、大切にしているぬいぐるみを持ってなども教えてくれました。

(小学校グランドでは、1年生が水鉄砲で気持ちよさそうに。みんなで鬼ごっこをする3年生の姿も)

もう一つの「9月1日」。それは、『9月1日 母からのバトン 樹木希林 内田也哉子』の本からの学びでした。しかし、時間がなくなってしまいました。授業前に描いたとおりにはすすみません。

(新しくなったブランコも気持ちいいね。「カブトムシを見つけた!」)

◆「トピックス」の授業では◆

・身近な問題から地球全体の問題も考え合い、一人ひとりに自分なりの意見を持てる力を育んでほしい。

・毎回、一人ひとりの考え、感想を大切に交流し、多様な見方、とらえ方を学んでほしい。

・自分が何をしたい人間なのかを探してください。

などを願って、子どもたちと成長しあいたいと思っています。

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