入園、入学おめでとうございます [Ⅱ-258]
式で一人ひとりに渡した園章、校章の話です。
園章、校章は、桐がかかれています。渡した後に、「園章、校章の桐には、『一人ひとりを大切にするよ。』『自分のことを大事にしていこうね。』という願いが込められています。」と話しました。
桐朋の朋の字については、「仲間という意味です。友だちと、周りの人(保護者の方、先生たちも)といっしょに育ち合おうね。」と話しました。ばら組、ゆり組、2~6年生、先生たちは、たんぽぽ組の人たち、1年生の人たち〈仲間〉の入学をとっても楽しみにしてきました。
園章、校章のことで付け加えます。私たちの学園は、戦後、東京文理科大学、高等師範学校の指導と協力を得て、第2の出発をしました。桐朋の名称は、両校(後に統合して、東京教育大学)の校章「桐」に由来しています。桐朋学園の初代校長、理事長が、東京文理科大学学長の務台理作先生でした。先生は、1947年教育基本法制定に深くかかわり、「一人ひとりの人格を尊重し、自主性を養い、個性を伸長するという、ヒューマニズムに立つ『人間教育』」を桐朋の教育理念の基本に据え、これまで私たちは大切にしてきました。
続いて、式で、みんなに贈った〈かわり絵〉のことです。3月末から4月のはじめ、2年生一人ひとりが大事に育てたチューリップがきれいに咲きました。入園、入学の日は、満開のチューリップを見ることは難しいと思い、絵をかきました。それから、しぜんひろばに行って、たんぽぽの絵をかきました。一人ひとりが自分らしく素敵な花をたくさん咲かせてほしいと願いました。
朝、1年生の教室に2年生がいて、1年生といっしょに過ごしてくれています
保護者の皆様、お子さんのご入学おめでとうございます。その人その人の自分らしさ、持ち味をだいじに育ててほしいと思います。自分の人生の主人公に、社会の担い手になる根っこを育ててほしいと思います。
自分の人生の主人公に育つために、大切にしたい3つ〈好奇心を育てよう〉〈いっぱいの安心感のなかで〉〈心を動かす、感動する心を育もう〉をお伝えしました。
〈好奇心〉もっとやりたい、もっと知りたい、意欲的に取り組むなど、好奇心をいっぱいもってほしい。周りには、おもしろそう、たのしいことがたくさんあります。好奇心をもち、達成感や満足感を味わってください。
〈安心感〉学校も、家庭も、子どもが安心感して自分を伸ばしていける場にしていきたいです。安心感があるなかで、挑戦してみよう、失敗してもまたやりなおせるなどの経験から、自分を豊かにしていきます。
〈心を動かす、感動する心〉楽しい、嬉しい、悲しい、つらい、いろいろと感じることを大切にされると、心が豊かになります。そして、ありのままの自分を愛することができるようになり、周りの人の心を大事にしていけると思います。
一人ひとりが素晴らしい可能性を持っています。いろいろな人やものごとにかかわって、自分を変化、成長させていってください。保護者の皆様とともに、子どもたちを支え、成長をたのしみにしていきたいと思います。
左 しぜんひろばで四つ葉のクローバーをたくさん見つけている子どもたちからいただきました。右 八重桜の花いっぱいの渡り廊下