桐朋小だより

2021.5.24

4年生

これは井戸水?

4年生の国語の授業で、「アメンボはにんじゃか」という説明文を読んでいます。

その中で、アメンボが水に浮いて生きている仕組みと、水のきれいさの関係を明らかにする実験が行われている記述があります。4年生の子どもたちも、その実験の追体験を行いました。

とある日、水飲み場でコップを手にした隣りのクラスの男の子が私に、
「アラキン、この水は井戸水だよね?」
と尋ねてきました。私は、
「学校の水道水は、井戸水(地下水)と普通の水道水を合わせたものだよ。」
と説明しました。すると、
「この水は井戸水じゃないの?」
とさらに尋ねるので、私は、ん?と思いながら、
「だいたい半々だよ。」
と答えました。

答えながら、なぜこんなに井戸水にこだわっているのだろうと思案していると、そばで会話を聞いていた女の子がその男の子に向かって、
「ねぇねぇ、アメンボじゃなくて、アメンボの足の代わりの針を浮かべるんだよ。だから、この水で平気なんだよ。」
と話すのを聞いて、あぁ、と合点がいきました。

男の子は、生きているアメンボを水に浮かべて実験するものだと思っていたのでした。だから、井戸水(地下水)であればカルキなどの薬品が使われていないから安心できると考えていたのだと気づきました。

自然広場には池があり、たくさんの生き物が生活しています。日常的にもこれらの生き物に触れる機会が多い子どもたち。この説明文で明らかにしていたことを日常生活の中で獲得していたのだと再認識できたのと同時に、生き物を大切にする優しさに触れた、心が温かくなったひとときでした。

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