2021.5.20

緑に囲まれて [Ⅱ-261]

園庭やしぜんひろばに出て、春から初夏にかけての心地よさを味わっています。光や風、小鳥のさえずり、木々の匂い、たくさんの実、水の冷たさなど、一瞬一瞬の出あいを大切にしたいと思います。

桐朋学園仙川キャンパスには、約150種の樹木が生きています。1947年創立以来、環境を整備し、たくさんの緑に囲まれてきました。この環境をこれからも大切にしていきます。

園庭に、ナツミカン、モモ、プラタナス、ケヤキ、ビワ、アンズ、サトザクラ、イチョウ、ソメイヨシノ、ウメ、ムクロジなどが育っています。木陰をつくり、落葉し、実をつけ、生活にも潤いをもたらしてくれます。

しぜんひろばに、イロハモミジ(木のぼりできる)、カキ、キリ、キンモクセイ、イチョウ(木のぼりできる木を増やしたいと育てている)、ヤマモモ、コナラ、クヌギ、コブシ、ザクロ、シダレザクラ、アンズ、ウメ、被爆アオギリなどが育っています。新しぜんひろばになってから3年目。子どもたちとともにしぜんひろばの木々も成長しています。

『樹木誌2011』(創立70周年記念)の解説では、プラタナス「和名モミジバスズカケノキ。交雑種。街路樹として多用されます」

私たち人間も、生きものの一つであり、自然の一部です。自然が持つ多様さや広さ、奥深さに委ねること、すなわち自然の中で子どもたちが育まれることで、自然がもたらしてくれる刺激によって覚醒された身体になります。

自然の中で生きる時間を持ち、実の周りにある自然に没入して、出あい、感動、不思議さ、思い通りにいかなさ、心地良さ、よろこびなどを経験し、感じることを大切にしていきたいです。

脳科学の知見によれば、健康に身体を育て、身体中で感動し、身体中で自然のものを吸収していく。そして脳にきちんと情報を伝達し、精神の根底をつくり出していく。その過程が大切で、子どもの心がつくられていくといいます(小泉英明『脳は出会いで育つ』参照)。「脳にきちんと情報を伝達」するとはどういうことかを深く知りたいです。頭で理解することが優先されるのではなく、身体を大切にすることに共感します。

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