幼稚園と小学校の人たちの交わりで育まれるものを大切に [Ⅱ-264]
先日、ばら組(3歳)の人たちは、小学校へ出かけ、3年生の教室でウーパールーパーを見せてもらうなど、いろいろな発見と感動があったようです。校庭の大きなアスレチックは、ゆり組(5歳)の人たちにとって、冒険や挑戦しがいのあるものです。またやりましょう。
幼稚園の人たちは、小学生の活動や遊んでいる様子を見たり(まねしてほしくないことばや行動も含む)、中高生のクラブ活動、歌や劇の練習をしている学生に出あいます。好奇心や遊び心、社会性など育つ機会につながります。
小学生のアスレチックはたのしかったね!(ゆり組の人たち)
園舎、低学年校舎では、お互いの雰囲気を感じながら生活しています。2階より小学校の人たちの大きな歌声、詩の音読などが聴こえてきます。2階テラスからは、「何つくっているの~」と声をかける小学生。幼稚園の人たちが「光のテラス」で遊んでいるのを羨ましいと思いながら応援してくれます。
園庭の奥にある小学校の畑のまわりの草原に、たくさんの生き物がいて、幼稚園の人も小学生も生き物を探しています。小学生がトンボやカナヘビなどを見事に捕まえるのをみて、自分も!と試します。しかし、うまくいきません。やりたいけれどできないことも、子どもの成長にとって、とても大切です。
小学生が総合学習で畑の作物作りに取り組むと、幼稚園の人たちがまねします。小学生が田んぼに水をはると、これから何が起きるのか、興味津々、たのしみがひろがります。
幼稚園の人たちがしぜんひろばに行くと、小学生が高い木に登っていたり、一本綱ぶらんこをしていたり、川にある石をすばやく飛び越えて渡ったりしています。園児はやりたくてうずうずします。
ときどき池ポチャすることもあります
幼稚園と小学校の人たちの交わりで育つことは何かを考えてみます。
幼稚園の人たちは、自分(たち)だけでは複雑すぎたり、難しすぎたり、危なすぎたりする〈冒険〉や〈挑戦〉活動に取り組み、学ぶことができます。小学生の複雑な活動を見たり、話しているところをきいたりすることだけでも学べます。小学生の活動を観察することで、幼稚園の人たちは、その活動がどのように行われるのかの感触を得ることができ、それを試したくなります。
成長していく際のプロセスの一つは、見本をみることです。自分より前を行く見本で、届かないほど前ではない見本です。
幼稚園の人たちは、小学校の人たちから励ましや応援、共感などの感情的なサポートや配慮も受けています。社会的、精神的、知的な発展の機会となります。
しぜんひろば委員の人たちの枇杷とり
先日、しぜんひろばで、3歳クラスの人が手製ブランコに乗ろうとしていましたが、できませんでした。一本綱で不安定なため、跨ぐことも難しいようです。それをみた小学生が「乗りたいの?」と声をかけました。小学校の人が一緒だと、幼稚園のほかの子たちともできないことを、小学生の協力でできます。幼稚園の人たちはたいへん喜んでいました。
小学校の人たちにとっては、年齢が下の人とかかわることで、リーダーシップや愛情を込めた世話などを経験します。近くの木にぶつからないようにと、木の前に位置をかえて小学生が押していました。協力、思いやり、面倒見のよさなどを発揮します。小学生の人の養育本能を自然に活性化させます。教えることを通して学び、成長しています。[ケア―関心、心配、思いやり、親切、世話など、人と人の精神的、物理的な深い関わりを持つこと]
幼稚園の人たちにとって、小学生は憧れや目標となります。小学生にとっては、凄いと言われたり、頼りにされたりします。また、小さい子へわかりやすく教えること、いっしょに遊ぶ喜びなどが生まれます。コロナ下でも幼稚園と小学校の人たちの交わりで育まれるものを大切にしていきます。