幼稚園保護者の皆さんとの学習会③ [Ⅱ‐266]
保護者の方から、・園として今大切にしていることは何ですか ・3学年それぞれの発達段階で大切にしたいこと(Ⅱ‐262) ・子どもの権利について(Ⅱ‐263) ・子どもの心が社会の中でどう育っていくのか ・子どものやる気をどう育てていくのか ・子どもがこの状況下(コロナ禍)でどう感じているか ・今後子どもの社会性が変わってくるのか ・個性とわがままの違いについて(今回) 考え合いたいという願いが出され、私も学んで参加しました。
左 園庭の杏 右 永野農園さんでのじゃが芋掘り
今回は、「個性とわがままの違いについて」の「わがまま」にかかわることを、子どもの姿をもとに学び合いたいと考え、保護者の皆さんに投げかけた文章からです。
どちらがよい子と考えますか?
5歳のAさんとBさんが公園の砂場で、たくさん山や川をつくっています。水を運んできて、全身でダイナミックに夢中になって遊んでいました。(こんな公園にしていきたいですね。)
4時になり、2人ともスイミングの時間なので、お母さんが声をかけました。「お時間だから手を洗ってらっしゃい。」
Aさんは、「はーい」と、遊ぶのをすぐにやめて、水道で手を洗い、お母さんといっしょにスイミングに行きました。Bさんは、「いやだー。もっとお砂場するー。ママ、みて、すごいでしょ! スイミング? 今日は行かない」と言って、お砂遊びから戻ってきません。
どちらがよい子と考えますか? (この例は、以前、初等部の研究会講師で来てくださった大河原美以先生より学びました。)
オンラインのグループで感想や意見を出し合いました。時間があれば、Bさんに何て声かけをするかを考えてもらいました。
2年生のRちゃんが見せてくれた草花図鑑。
同じお子さんでも、その時その時のいろいろな反応があるので、この一場面だけでどう考えるのかは難しいとも思います。
中村の考えを書きますが、これが正解ということではありません。Aさんのように振る舞ってくれたら、親として楽でしょう。きちんと言うことを聞ける、すぐに切り替えが効く、動作の早い子と捉えられます。しかし、『感情の育ち』ということ(ここが大河原先生が大切に話されていたこと)から考えると、Bさんの方が望ましいと思いました。身体中でわくわく楽しむことが、子どもにとって望ましいと思うからです。その遊びを止められた時には、「いやだー」というのは自然の感情の流れだと思います。Aさんは、身体のなかにある楽しみを、お母さんの声を聞いて止めてしまったと捉えます。こうしたことが続くと、感情の育ちを考えたときに、たいへん心配になります。
保健委員会の人たちが全校に呼びかけて集めたペットボトルキャップ。ポピーの家に運んで、リサイクルや世界の子どもたちへワクチンを。
では、Bさんに何て声かけをするといいのでしょう。
「行かないなんてわがままだわ。(こんなことを言わさないよう厳しく叱らなくちゃ。)」「スイミングに行くって言ってたでしょ。行かないなんて悪いこと!」などと叱る。
「もっと砂場で遊びたかったのね。残念。がっかりだね。」、「今日は、スイミングの時間だからもう遊べないよ。」と伝え(できるだけ落ち着いて)、子どもが泣いてしまったら自分の力で泣き止むまでそのままにする。泣き止んだら「よく我慢したね」と褒める。
保護者の方からは、いろいろな発言がありました。