桐朋学園創立80周年 [Ⅱー279]
2021年は、桐朋学園創立80周年です。
皆様のおかげで、長きにわたり学園が存続、発展できました。
ありがとうございます。
しぜんひろば委員会の子どもたちと柿とりをしました。家で食べたらとても美味しかった! と話してくれました。
桐朋学園創立80周年を迎え、私たちが大切に考えていきたいことを書いてみました。
みんなが幸せで、平和な世界を
1941年、「教育こそ永遠である」と考えた山下亀三郎氏が私財を寄付され、第一山水中学校(国立)、山水高等女学校(仙川)が開設されました。その後、山水は廃校になり、1947年、東京文理科大学、東京高等師範学校の指導と協力を得、桐朋学園として再出発をしました。2021年、学園創立80周年を迎えました。(女子部門の創立記念日は11月20日。当時の新校舎の落成式の日です。)
桐朋学園の教育理念は、「一人ひとりの人格を尊重し、自主性を養い、個性を伸長する、ヒューマニズムに立つ『人間教育』」です。初代理事長・校長の務台理作氏が、1947年制定の教育基本法(以下、旧教育基本法)制定に深く関わり、学園の教育理念に旧教育基本法の精神を据えました。
旧教育基本法は、「日本国憲法の精神に則り」、「民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しよう」(前文)としました。そして「この理想の実現は、根本において教育の力にまつべき」(同)と記しています。
私たちは、保育や教育を通して、日本国憲法の基本理念である国民主権、基本的人権、平和主義を土台に「生存権としての学習権」を守り育て、みんなが幸せで平和な世界の形成を目指します。そのことを大きな目標として持ち続けています。
幼稚園の人たちは、自分たちでたくさんの遊びを創造してたのしんでいます。
初等部は、2015年、創立60周年を迎えました。2018年、3年保育、1学年を26名にしました。異年齢で遊び、学び育ち合う子どもの姿に、多様であることの豊かさを感じます。E.H.エリクソンの心理社会的発達理論などを学び、保育を探究し続けます。2019年、新しぜんひろばを子どもたちと創設。幼小の交わりが深まるなど、人間発達の可能性を広げています。2020年、地球市民の時間を創設。子どもたちが地球市民として、世界の平和や持続可能な未来のために考え行動できる人に育つ、その土台となる学びの時間です。国際理解、多文化共生、外国語活動を3本柱としています。年少児から小学6年生まで、今を充実させ、かけがえのない日々を生きる子どもの生活、遊び、学びを大切にしてきました。
木登り名人がたくさんいます。
世界中で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が蔓延しています。気候変動危機、生物多様性減少など世界規模で環境破壊が進行し、このままでは持続不可能な地球となってしまいます。日本では、2011年より原子力緊急事態宣言が続いています。今こそ世界の、人類の課題に向き合い、保育、教育で創造的な挑戦をしていかなくてはなりません。「理想の実現は、根本において教育の力にまつべき」に、私たちはどう応えるのか問われています。