2021.11.6

大きなプラタナスとともに[Ⅱー280]

園庭に大きなプラタナス(和名。科名はスズカケノキ科。花基:4~5月/果期:11月)の木があります。

左は夏に、右は秋に撮影

プラタナスは、暑さが厳しい季節に、たくさん木陰をつくってくれます。そして、園庭で遊ぶ子どもたち、砂場でじっくり遊びこむ子どもたちを強い日差しから守ってくれています。風が吹くと、葉の音が聞こえて気持がいい。暑さが和らぎます。

右は、『初等部ブックレット№5 一人ひとりの、幸せな子ども時代のために』28、29頁

秋から冬にかけて、プラタナスの大きな葉が毎日ひらひらと落ちます。落ちてくる葉を子どもたちと見て、どこから落ちてくるのか上の方を見ると、プラタナスの大きさに改めて驚かされます。

葉は、園児の顔全体が隠れてしまうほど大きなものもあります。庭いっぱいに落ちて散らばった葉は、おままごとの材料となったり、砂場にこしらえたコンロや砂山の土台などに使われます。ちぎってご飯(砂)の上にかけておかずになります。集めて空中に撒いてみたり、集めて飛びこんだりします。たたかいごっこの場面では、盾やお面になります。

 

右は、『初等部ブックレット№5 一人ひとりの、幸せな子ども時代のために』16、17頁

学園のたくさんの樹木に囲まれた環境の中で過ごしてきて、木々や花々に目にとめるようになりました。冬芽に励まされることも増えました。

 

11月3日の「天声人語」に、街路樹のことが書かれていました。プラタナスについて、「たとえば東京都内では35年ほど前には5万本(街路樹として)あったが、いまや半分に。」「(急減した理由として考えられることは)秋になると落ち葉が大量で、毛虫もポトポトと路上に落ちる。どうしても苦情が増えます。(海老澤清也さん『街路樹は問いかける』)」。そのことから「強めの剪定」が「広ま」っているそうです。

それから、気候変動危機に対して、「熱波や水害が続くいま、主要国は気候変動に対処するため街路樹の力を最大限に活用しているという。「プラタナスのような暑さに強い木を増やし、枝を存分に伸ばして木陰を広げています」。それなのに日本では、落ち葉対策もあって強めの剪定が広まり、緑陰の面積が減っているという」とも書かれていました。

考えさせられます。すぐに何かできるわけではありませんが、考え続けたいと思います。

私は、子どもたちと木々のある園庭で過ごす毎日を大切にしたいと思います。活き活きと心ゆたかに過ごした経験は、一人ひとりのこころやからだに沁みこむものだと思います。そして、自然が失われることに対して、立ち止まり、考えていくことに繋がると信じています。

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