桐朋小だより

2022.2.28

6年生

本当に平和な世界は?〜環境問題を考える〜

校長先生が担当する6年生のトピックスの授業。

今回は奥野華子さんをゲストにお招きし、気候変動の危機についてお話しを伺いました。

奥野さんは広島のご出身。被爆者との交流などから、幼い頃から平和や戦争について考える機会が多かったそうです。

フィリピンへの留学などで、貧困の問題にも直面した奥野さん。これまでは「平和=核の廃絶」と考えてきたけれど、核の廃絶だけでは今世界にある様々な課題を解決することはできない、という問題意識が芽生えたそうです。

貧困の問題も、気候変動に大きく関係しています。

「このままでは台風でフィリピンにも大きな被害が出てしまう」という危惧が昨年末に現実のものになってしまった、と教えてくださいました。家も家財も失われ、生活の再建が大変困難な状況だというのです。

「なんであの時行動してくれなかったの?」と後の人に言われて後悔しないように、今、行動しよう!とエネルギッシュに語ってくださいました。

子どもたちが特に衝撃をうけていたのは、「あと7年と145日後にタイムリミットがやってくる」という言葉。

「平均気温の上昇を1.5度以下に抑えよう」という世界共通の考えがあるものの、このままではもうすぐリミットになってしまうというのです。

・ぼくが思っていたより、気候変動が進んでいた。正直7年なんてすぐそこだから本当に怖いけれど、その恐怖を現実にさせないためには怖い怖いと言っているだけでなく、行動に移さなければならない。発展途上国にくらべて日本などの先進国は贅沢な生活をしているから、もっとエコな生活にだってできるはずだから、アクションをおこす良いきっかけになった。

・核兵器がなくなるだけではなく、貧困やジャンダーなどの問題も解決しないと平和が訪れないと気づいた。タイムリミットが迫っていて、一番温暖化を進めているのが電力だとしたら、一人が頑張っても無駄で、いろんな人がやることで温暖化を止めることができる。

・気候変動の問題を解決したいという気持ちがすごく強く伝わってきました。動機も素晴らしかった。この問題は人間が作り出したから、人間が解決しなくてはいけない、ということを改めて感じました。どんな小さなことでもやっていかなくてはならないと思いました。

環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんと同じ世代の奥野さんの力強いお話に子どもたちは引き込まれ、大変刺激を受けた様子でした。「今できることを、ここにいる人みんなですぐにはじめよう。」グループでの話し合いの姿に、未来を担うのは自分だ、という気合を感じました。

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