桐朋小だより

2022.3.27

5年生6年生

平和とは。

6年生卒業前の最後の行事は平和学習報告会でした。

2月上旬に予定していましたが、オミクロン株の流行拡大で延期に。

その間にはじまってしまった新たな「戦争」。核の恐ろしさ、戦争の惨さを1年かけて学んできた子どもたちも、私たち教員もこの現実に大きなショックを受けると同時に、学び、伝えていくことの意義をあらためて強く感じながら臨みました。

平和公園の記念碑、平和記念資料館、大久野島の毒ガス製造などの分担で事前準備を進め、当日は小グループで5年生と保護者に紙芝居形式で報告を行いました。

 

どのチームもとても落ち着いて、大切な内容をしっかりと届けていました。

被爆者から直接お話を伺うことができる最後の世代となるであろう彼ら。これから担う平和への責任感も伝わってきました。そして、報告をうけた5年生は次年度のことを思い浮かべながらびっしりとメモをとっていました。

【感想より】

◯今回の広島の歴史を聞いて、心に思ったのは、日本は中国で毒ガスを使用していたという事、日本は被害者であり、加害者であるという事。原爆ドームは、原爆力が落ちる前は、展覧会などに使われているという事は初めて知りました。来年、自分たちが実際に広島に行くので、いい予習にもなったし、楽しみににもなりました。来年、発表する時も今日の6年生みたいにうまく発表したいです。(5年 男子)

◯広島の原爆投下で14万人もの命がうばわれれるということにおどろきました。たった1回の原爆投下でたくさんの命をぎ牲にするという事が、本当にあったように思えない。日本は、なぜ戦争を始めたのだろう。平和がほしかったなら、戦争を起こすのは違う。これは、世界中の人みんなが考えて気をつけなければいけないと思う。遠い昔の出来事ではなく、最近の話として語りつがなくてはいけないなと思いました。毒ガスを使って攻撃するという事もすごく驚いた。日本は被害者だと思っていたけど、加害者でもあったことは全然知らなかった。(5年 女子)

(6年生美術:平和ポスター)

◯プレゼンテーションの準備、おつかれさまでした。非常に戦争の詳細が理解できました。日本は、被害者かつ加害者だという事実を戦争学習から学んだと思います。この報告会と学習したことをを、いろいろな人達と共有し、伝えながら、「なぜ人は戦争を現代でも起こすのか?」を議論していって欲しいと思います。(保護者)

◯過去の歴史、特に人類が起こした大きな過ち、戦争について、文書だけでなく、五感で感じとる経験ができたことは、辛かったり良い気持ちがしないことも多かったと思いますが、貴重なことだったと思います。毒ガス工場についての発表の中でもありましたが、日本は一方で加害者でもあったことを同時に忘れてはいけないと思いました。また、ロシアの現状について感想を言っていた人もいましたが、戦争は決して過去のものだけでなく、現在進行形であること、もちろん何があっても戦争はいけないことですが、それだけでなく、なぜそんなことが起きてしまったのか、歴史や社会・経済の構造も同時に考え、学んでいけたらと思いました。また、同時に日本は対岸のこと、ととらえずに、ウクライナへの支援、ロシアへの制裁をしていることも学び、何かしら関わりあることを認識し、考えていきたいと思います。(保護者)

 

お家の方の参観は2年ぶりでした。体も、表情も、言葉つきもぐんと成長した6年生の姿に驚きと喜びを感じておられたのではないでしょうか。

小学校の学習のしめくくりは、世界の平和を願う祈りでもありました。

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