2022.5.31

中嶋涼子さん〔卒業生。現 車椅子インフルエンサー〕 [Ⅱ-299]

朝日新聞「フロントランナー」(5月28日・土)に、中嶋さんの記事「ぎこちない壁なくしたい」「障害者へのひと言の声かけで社会は変わる」が載りました。

中嶋さんは、桐朋小学校、桐朋女子中高のご出身です。私は、中嶋さんが小学生の時に出会いました。「剣玉や竹馬が得意な涼ちゃん」「放課後もいっぱい遊んだ涼ちゃん」「話をするのが大好きだった涼ちゃん」「がんばり屋の涼ちゃん」などや「3年生から4年生、とってもとっても心配したこと」「どうしたら涼ちゃんが小学校生活を送れるかを、ご家族、職員みんなで考えあい、話しあったこと」「涼ちゃん、お母さん、お父さんらご家族、みんなでいろいろと考えながら過ごした日々」などを覚えています。

これまで、中嶋さんに6年生の授業に何回かきていただいて、話をしてもらいました。そして、中嶋さんが当時どんな気持ちでいたのか、卒業後どのようなことを大事にして歩んでこられたのかなどを教えてもらい、思いの至らなさ、想像できていなかったことなどいろいろと気づかれました。いろいろと考えさせられ、励まされてきました。

中嶋さんが高校卒業後、映画制作を学ぶために留学したアメリカでは、見知らぬ人が「何で障がいがあるの?」と声をかけ、手助けしてくれる。障がいを忘れるほどの生きやすさを感じたそうです。また、アメリカでは「心のバリアフリー」だけでなく環境面でもバリアフリーが進み、どこに行ってもエレベーターやスロープがあり、車椅子で男女別のトイレにも入れました。トイレの写真や映画館の写真などを見せてくれましたが、日本とちがいます。

帰国後、映画配給会社で編集職に就き、夢をかなえたいのに、毎日が生きづらい。通勤のとき、駅のエレベーターは満員で乗れず、車椅子が誤って人にあたると怒鳴られるなどのエピソードも聴きました。「障がいがある自分がつらい。社会が障がいをつくっている。」事実をもとにした重いことばでした。私はどうなのか。何ができるのかを考えます。

中嶋さんは、進行性の病気を抱えながら働き、シンガー・ソングライターとして活躍する女性のことを知り、難病でつらいはずなのに輝いてみえたり、自分の人生を活き活きと輝かせようとして生きている姿に出あいます。

そして、ユーチューブ制作、テレビ出演、モデル、講演などを行っていきます。人生の主人公として、自らの可能性を引き出し、開花させていきます。挫折を経験してもそれに屈せず、前進する尊さをもち、ご自身をかえていきます。

そして、社会の担い手として「障害者を身近に感じてもらえるくらい、誰もが知る障害者になりたいです。急に障害者になった人に「人生、楽しいよ」と言っても信じてもらえない。動画ではバリアフリーツアーや、海に行く様子をアップしています。楽しそうな映像を見るだけで「こんなこともできるんだ」と思ってもらえれば。健常者にも、障害者を身近に感じるきっかけになったらいい。知ることで壁が壊れると思うので、伝え続けたいです。」「一歩踏み出して、環境を変えることで、すごく人生が変わるから、一歩踏み出して」と話してくれます。

homepageの学校案内電子ブックに、中嶋さんの記事が出てきます。

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