2022.6.6

幼稚園保護者の皆さんと学び合う [Ⅱー300]

学び合う会へのご参加、ありがとうございました。アンケートを読ませていただいています。「桐朋幼稚園に入って3年目。初めての対面でディスカッション有りの会でした。」「他学年の保護者の皆様とお話する機会が少ないので、直接意見交換をすることができて嬉しく思います。」「対面でのディスカッションは緊張しましたが、完璧に見える周りの親御さんでも同じような悩みまた正反対の悩みを持っていらっしゃることが分かり良かったですし、様々なお考えが聞けてとても参考になりました。」など、私も皆さんとお話できて嬉しかったです。

事前に、保護者の皆さんより、どんな内容がよいかご意見をいただき、役員さんがまとめてくださいました。そのまとめをもとに、役員さんと打ち合わせをしました。たくさんの問いがあり、じっくり考えてみたいこと、私にはこたえられないものがありました。皆さんよく考えられていてすごい! と思いました。 

私も学ぼうと、以前にお話しを聴いてまとめた汐見稔幸先生のお考えなどを改めて読みました。そしてコピーを事前にお配りました。汐見先生には、「21世紀の社会とは。その社会の主人公となりゆくための根っこを育てるには」「人間の豊かさとは何かを考えてみましょう」「習い事について」などをお聴きしました。幼児期に大切にしたいことについては、脳の研究をされている小泉英明氏の「幼少期は特に、自然のなかに身を置くことが大事」「実体験が大切」などを学んで、引用させていただきました。皆さんといっしょに考えてみたいと思いました。


写真はすべて6月4日に見学させていただいた学園(幼小中)。たくさんの刺激を受けました。

当日、時間がなくなって、ふれることができなかったことの1つに、『暮らしの手帖』2019年秋号の齋藤陽道さんの文があります。3歳半の樹さんが骨折し、完治した後で、齋藤さんご家族は「ひょこひょこと歩く五十代くらいの」「右足になんらかの障害があるようだった」「男性」と会います。樹さんはその男性をじっくり見、「「すごいね~!」と目を輝かせながら指をさし、ひょこひょこと歩き方をまねた」そうです。

齋藤さんは、樹さんに「「笑ったら失礼だよ、まねもダメ」と教えてはいけない」と考えたそうです。そして、「自分とは異なる人を見る時、好奇心がまずある。人が人に惚れるのに似た、無垢な好奇心。だが、社会通念、常識、空気を読む、等といった、画一的な観念に支配されながら、その好奇心を抑えられることで、人が人に対して抱く興味の発露が歪められる」と書いていました。さて、私なら、樹さんにどう接しただろうか? 「周囲の目を意識して常識を教え諭す」だろうか。このことを、皆さんと考えてみたいと思ったのです。

最後は、私のレジメから。(こんなことを考えながら、学び合う会に参加しました。)

1、願い

子どもが活き活きと育ち、かけがえのない命を輝かせてほしい。その人その人の個性的な能力を全面的に開花させ、未来をすばらしい世界にするためにしたい。そのために、ヒト、もの、自身にはたらきかけて自分を成長させてほしい。

活き活きと命を輝かせていくに、〇知的好奇心「やってみたい」「なぜだろう」…〇心を動かす、感動できる「やった」「できた」「失敗した。がっかり」…〇安心感「自分が主体的に行動して心を動かす経験」「支えがある、いざというときにたすけてくれる」…等を大切にする。

2、願いの実現には

〇おもしろそう、やりたいという気持ちの芽生え、やりたいけれどもできないことでの試行錯誤や失敗の経験 〇「自分なりのやり方」を大事にされる。(大事にされることによって「他の人のやり方」とどう違うか考えられる。) 〇試行錯誤や失敗を引き受ける経験もして、できる喜び、満足した喜びを得る。3点は、その子の育ち、「人権」が大切にされていること。

私が大切にしたいこと。〇子どもの分析から入るのではなく、感情、願いを受けとめていく。「あなたはどうしたいの?」「お母さん、お父さんにはどうしてほしいの?」…という子どもへの問いかけ。 〇子どもの気になる言動にはわけがある。子どもどうしのトラブルは、双方が成長していくチャンスにしたい。子ども、他者の失敗に対して不寛容になっていないか考えてみる。 〇大人から見た価値判断の押し付けやコントロールではなく、日常生活における子どもの小さな自己決定を尊重し応援していくプロセスを大切にしたい…等。

3、社会、世界の出来事に対して

子どもたちには、現在を充実させて生きてほしい。活き活きした生活、あそび、学びをたくさん経験した人は、それが奪われることに対して、立ちどまり、考え、行動するという信頼をもっています。

大人は、現在の子どもたち、未来の子どもたちへの責任があります。たとえば直面するロシアのウクライナ軍事侵攻にかかわること。国際憲章、国際法、国際条約の無力さ。私たちの力のなさを感じる日々。

「地球の危機」~地球規模で作動するシステム→◎気候システム、〇オゾン層、〇海洋と、生物圏の4つのバウンダリー(地球の回復力の調整)→◎生物多様性(地球上のすべての生物種とそのつながり)、◎土地(地球上の重要な生物群系または広範な自然生態系)、〇淡水(地球規模の水の循環)、◎栄養素(主要な生物地球化学的循環である窒素とリンの地球規模の循環) において危機的状況をむかえている(限界値を越えている可能性大◎)ものがあります。※「新規人工物(人類が開発して放出した何千もの人工物の総称。化学兵器、生物兵器、核兵器もここに入る)」「エアロゾル(大気汚染を引き起こす大気中の微粒子)」も新たに加わります。~を学び、考え、考え合い、行動すること。

皆さん、また話し合いましょう。どうぞよろしくお願いします。

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