夏の特設〜地球市民の時間(総合学習)〜
1学期の終業式の後、5,6年生は特別に登校する日があります。
『特設:地球市民の時間』です。
午前中の4時間を外国語2時間、総合学習2時間ずつ地球市民の一人として学ぶ時間を設けます。
外国語の時間は4人の外国人の先生(英語のネイティブスピーカー)が英語で出身国やご自身の紹介をして下さり、
ゲームや生徒の自己紹介などもします。
通常は4日間日替わりで毎日違う先生と出会い、4つの国や地域のことを学びます。
総合では、人との出会いを大切にしています。
外国から日本に来ている留学生や海外で志を持って活動する日本人などと出会い、そのことを深める学習をします。
今年の5年生の総合では、オーストラリアのクイーンズランド州にある公立の「ウルウィン小学校」で
日本語を第2外国語として学ぶ5,6年生から頂いたお手紙に返事を書く、という学習をしました。
まず、「オーストラリアってどこ⁈」から始まり、ウルウィン小学校のHPを見ました。
「きれいな学校!」「おやつの時間があるんだって。」「えー――!いいなあ!」
日本の学校とは違う様子に驚いたり、感心したり。
そして、運命の出会い⁈の「お手紙くじ引き」一人一枚ずつ送られてきたお手紙を引き当て、
その相手に返事を書くのです。
もらったお手紙には自画像とひらがなやカタカナで自筆の日本語が書かれていました。
「うわー!がんばって書いてる」「ぼくたちが書く英語はこう見えているのか…」
「女の子だった!」「男の子だった!」「名前何て読むんだ?」などなど、
ちょっとワクワクしたりドキドキしたり。
さっそくこちらもお返事に取り掛かります。
1日目はまず、日本語。ついつい漢字を使ってしまうけれど、「あ、そっか。」と言ってひらがなに書き直したり、
ふりがなをふったりしました。
2日目は、自分が書いた日本語を英語に“翻訳”します。
友達同士で相談したり、辞書をめくったり、ipadなどを使ってなんとかかんとか…。
多くの子が一番困ったのは「自然広場」。
桐朋小学校の魅力として、自分達が一番好きな場所として伝えたいけれど、直訳の「nature square」で、伝わるのかな…?
すると、早く書き終わった子達が何人かで「ipadで自然広場を撮ってくる」と言って出かけていきました。
しばらくして戻ってくると、子どもの目線で「これがぼくらの自然広場!!」という写真が何枚もありました。
もちろん、お手紙と一緒に送ることにしました。
もう一つ、補助に入っていた先生が「外国に行った時に漢字で自分の名前を教えたら喜ばれた」
というエピソードを話してくれたところから、
ウルウィン小学校の子たちにも漢字の名前をプレゼントしようということになりました。
今度は漢字辞典をめくります。「ハビーバ」「セバスチャン」「クリスチャン」…
「どんな漢字を使えばいいの~~??」それから、ウルウィン小学校からリクエストがあった
「折り紙でカブトを作る」ミッション。
あちらではそれを並べて貼ってこいのぼりにして展示するのだとか。
一人一つは折ろうということで始めましたが、今度はその手が止まりません。
いくつもカブトを折ったり、よく飛ぶ飛行機、鳥、紙風船など、「あれはどうだ、これは折れないんじゃないか」と、クラスの“折り紙マイスター”たちが張り切ります。
相手のことを知る、自分のことを伝える、どうしたら喜んでもらえるか、
そのための手段は、自分ができることは何か…。
海外との行き来がままならない昨今ですが、
一朝一夕では作れない平和のためのコミュニケーションを学ぶ「はじめの一歩」になったでしょうか。
※「地球市民の時間」は例年は4日間ですが、今年度は八ヶ岳合宿を夏に行った関係で2日間に短縮されています。