2023.2.13

美術展の作品、コメント ~その人の思いや考えを知る [Ⅱー331]

美術展の作品には、その人のコメントが掲載されています。作品をみて、コメントを読むと、作品への気持ちや考え、過程での試行錯誤、対象を選んだ理由など、いろいろなことがわかり、その人と作品に対して理解が深まります。金、土、月の3日間、一人ひとりの作品とコメントをじっくり見ました。少し紹介します。

さいしょは、さかなをやろうとしたけど、できないことがわかると、しましまをつくりました。

長い間がんばって練習してきた『みかぐら』なので、がんばってかきました。

黒のこさがいろいろあって、かくのがむずかしくて、何回もかきなおしました。

この絵に描かれている字は五・七・五とリズムがよくなるように考えました。また、かぼちゃをリアルに描くため色をこくしました。

ここを歩いた時、とてもきれいで、思い出に残っているので、この絵にしました。」(八ヶ岳合宿)

僕がこの作品を選んだ理由は、運動会の七頭舞で踊ったことが一番の思い出だったからです。

私は絵を描くのが苦手ですが、このシクラメンは優しい色あいで、とても気に入っています。

 

本校では、対象との出あい、心のふるえ(感動)を大切に取り組んでいます。美術科「カエルの日光浴」(『桐朋教育54』より引用)を例にすれば、

「子どもたちは、ただ見て観察するのではなく触ったり、持ったり、逃げたのを追いかけたりしながら、カエルを感じます。あのカエルを持った時の感触は、持った人でないとわかりませんあの臭いにおいも嗅いだ人でないと、本当にはどのようなものなのかは、わからないのではないかと私は思います。とにかく子どもたちは、触ったりつかまえたりしながらこの生き物を感じ、観察するのです。」

「一通り遊びながら観察したら次はスケッチをします。大人は頭で論理的に考え、カエルの体のつながりを理解しようとしますが、子どもたちの多くは、感覚的です。パッと見て、足の曲がり方が、つじつまが合っていなくても、感覚的に自分の思うものに合致していれば「うまくできた」と感じます。私はそんな風に感覚的に描かれた子どもの絵はものすごく面白いと感じますが、皆さんはいかがでしょう。中略 /この感覚的に描いて生まれた行為を繰り返しながら子どもたちは成長していきます。」となります。

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