2023.3.2

障がいについて考え合おう [Ⅱー333]

授業の始まりに、登下校などで障がいをもつ人と出あいますか? と聞くと、駅などでの出あいを話してくれました。私は、親戚に認知の障がいをもつ人がいて、会うたびにその障がいがすすみ、どのように接するのがよいか悩んでいることを伝えました。

授業では、「障がいとは何だろう」「なぜ障がいをもつのだろう」ということを話し合いました。6年生の人たちが出してくれた意見をもとにまとめてみました。

(1)障がいとは何?

病気や怪我では、治療して治るものがたくさんあります。障がいは、病気や怪我などのために、体の組織や器官が傷ついたり、失われたりして、一部が戻らなくなったことを言います。たとえば、手足を切断し、その手足は失われたままです。

※現行の障害者自立支援法における「障害者」の定義は、身体障害(肢体不自由、内部障害、視覚障害、聴覚言語障害)、知的障害、精神障害のそれぞれについて、身体障害者福祉法その他、個別法を引用する形で規定されています。(厚生労働省homepageより)

(2)どうして障がいになるの?

・お母さんのお腹の中で起きる場合があります。「遺伝子をのせている染色体の事故」や異物(風邪薬などの薬の副作用、さまざまな有害物質)などを吸収したために起きる障がいです。

・生まれてくる時に、難産で怪我をしたり、酸素をうまく吸えなくて障がいになることもあります。脳性まひが起きることがあります。

・赤ちゃんや幼児の時に、障がいをもつ場合があります。高熱が続き、脳の一部が壊され、運動神経が麻痺したり、知的な発達に遅れが出たりします。

一人ひとりが取り組んだ自分史には、お母さんのお腹にいる時、誕生の時、赤ちゃんや幼児の時に、ご家族が心配された出来事とお母さんとお腹の命をだいじにされていたことが綴られていました。とても小さく生まれたため入院が長く心配をした、高熱が続いて緊急入院し障がいをもつのではないかと心配したなど、ご家族がたいへん心配されたことを書いた人がいました。

・病気や労働災害による障がいもあります。機械で怪我をしてしまう、人体に有害な物質や危険物を扱う、夜間労働でからだを壊すなどの背景もあります。

・それから交通事故による障がいもあります。他にも、老化によるものもあります。手足が不自由になったり、ことばや記憶に障がいが出ることもあります。私の親戚もそうです。

障がいは、戦争や紛争のある国や医療がすすんでいない国、衛生水準が低い国により多く見られます。手当てをすれば治る病気や怪我も、病院や薬がなければ、悪化して障がいとして残ってしまうからです。

 写真は全て6年生の劇から

(3)障がいを軽くするためには、をみんなで考え合おう

向き合って、考え、お互いの考えを共有することが大切だと思いました。出された意見を少し紹介します。

〇障害は「治す」事は難しいと思うけど、「軽く」する事は出来ると思う。あと、耳が不自由な人は、聾者だったら別だけど、難聴者だったら、人工内耳や補聴器をつけるといいと思う。

〇手足が無くても、水泳をしたりして、人生を楽しんでいる人もいるし、なんかのスポーツでパラリンピックに出て優勝するという夢を持ったら、1つの事に夢中になって、障害だけど、人生楽しめると思う。

〇手や足が失われたら義足などをつけたら軽くなるんじゃないかと思います。お母さんが1回だけ病気をしたけど、血管が一部悪くなった時に、そこに何か金属のような物を入れていたから、それを使ったら軽くなるんじゃないかと思う。

〇障がい者のまわりにいる人が障がいを1つの個性として認めて、普通のように接すると障がい者の方の障がい者意識がなくなると思う。

〇周りの環境によって感じ方が変わると思う。例えば、周りの人たちが障がいを持っている人を見て、何か、その人(障がいを持っている人)の特徴を言っていたら嫌になってしまうから、人によるかもしれないけど、普通にしてくれた方が障がいを忘れ、うれしいんじゃないかなと思いました。

〇完全に治るわけではないけど、手足が切断されたなら、義足などの手や足のかわりになるものを使えば良いと思う。それか、未来の話だけど、「自動再生能力」的な?マイクラみたいな薬や技術を取り入る。

〇軽くするより、そうならないようにするのを考えました。栄養を多く得るのはもちろんですが、親が飲酒やたばこを吸ったりしたら障がいを持ちやすいと聞いたので、看護師さんに注意してもらったり、障がい者の方々にはその人にしか出来ないことを考えて行うべきだと思いました。

〇障害を軽くするには、まず周りが親しくした方がいいと思う。手足、耳、顔の障害であっても親しくできるが、内部障害は難しい。知的障害者に「東京はどこ?」と聞かれた事があって答えたことがあったけど、バスや電車で見ると、怖くなる事もあった。怖く避けることがないようにするにはどうしたらいいんだろう? あと「『障害者』だから仕方ない」とか「『障害者』じゃないんだから」と言われる方は辛い。

〇手術をしたり、薬を飲む。でも、この方法では知的障害の人たちは治らないかもしれない。知的障害を軽くするには、自分が住んでいる地域の人たちと交流をして、会話する能力をつける。そして、そういう障害の人たちは授業をじっと聞けないかもしれないから、授業の時間を、何回かに分けて勉強できるようにする。

〇知的障がいなら、無理やり算数とかを教えるのではなく、その人が出来ることを最大限に活かせるようにする。精神障害は自分の世界が広い人だから、その人はその人でいいと思う。

授業や休み時間に、友だちに発達障がいの子がいてその話をしてくれた人、親戚に障害を持つ人がいて、その人はとてもよく働いていてすごいんだと教えてくれた人など、いろいろと伝えてくれてうれしかったです。桐朋学園小出身の藤井輝明さんの本や『これがぼくらの五体満足』(先天性四肢障害児父母の会編著)から障がいをもつ人自身の気持ちを知り、考え合いました。今度「車椅子の今を全力で楽しむ」中嶋さんをお招きします。これからも一緒に学んでいきましょう。

6年生から「いつも見守ってくれてありがとう」の素敵な記念ファイルをいただきました。その中に手紙が入っていました。「トピックスでは、今の社会について、いっぱい学び、こうしたいと思うことがいっぱいありました。私はいつか戦争もいじめもない平和な世界にこの世界もなってほしいと思いました。」「トピックスがはじまるまで、先生は遠い存在で、トピックスの時に言い間違いをしたり、体験談などを話してくれて先生も人間なんだなとうれしくなりました。トピックスでは自分からは話し合わない話題を話し合えて楽しかったです!」。こちらこそありがとうございました。

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