2023.3.15

『子育てのノロイをほぐしましょう』本の紹介と、子どもに学んで[Ⅱー335]

■子育てにつながりを ~本を通してつながる試み~ 

コロナ禍の緊急アンケート(1)には、「頑張りすぎて、おひとりで抱え込まないでくださいね」「子どものことを誰に相談していいのか、親同士や学校に話に行きづらかった」など、保護者の声がたくさん紹介されています。コロナは『かかわり』を避け、子育てにおいても「孤立化」が進行し、心配です。これからコロナが落ち着くことを願って、子育てに『つながり』を大切にしていきたいと考えています。

今回、『子育てのノロイをほぐしましょう 発達障害の子どもに学ぶ』赤木和重著(2)を取り上げます。神戸大学の赤木さんは、ぼくの「すべき」という考えの縛りをほぐし、自分らしい子育てや保育、教育を考えさせてくれます。この本を皆さんに紹介したい、「こうあらねば」から自由に、と願いました。赤木さんは、

「子育てに「こうすればよい」という正解はありません。絶対にありません。親の性格、子どもの性格、家庭の事情、現代社会の状況など無数の要因があるため、「これ!」という正解は出せないのです。」16㌻

「「できることがよい」というノロイは、子どもの素敵な思いや悩みを見えなくさせる可能性があります。「できないけど考えている」「できないけど頑張っている」「できるけど無理している」……そんな子どもの思いが見えなくなるのが、親子にとって実は一番怖いことだと思います」20㌻

「お家では、「やってもできないこともある」という寛容さと、「できる・できない」から距離を置いた夢中さを、リビングにそれとなく転がせておけるといいなぁと思います」43㌻

などと述べています。”ちゃんと”のノロイ、「やればできる」のノロイ、コトバのノロイなどを解きほぐしてくれます。

(1)国立成育医療研究センター『コロナ×こどもアンケート 保護者さまの声』

(2)『子育てのノロイをほぐしましょう 発達障害の子どもに学ぶ』赤木和重著、日本評論社


卒業生の中嶋涼子さんに話を聞きました。中嶋さんの話は、別の機会に書きます。 

■子どもの表現(意見表明権)に心をふるわせて ~お祝いしたい!!

 これまで、小学校卒業式への参加を各ご家庭2名までとお知らせしてきましたが、先週末、6年生の妹弟(在校生)の参加もできることに変えました。

このように考えましたのは、6年生に在籍しているきょうだいから、「卒業式に出て(ごきょうだいの)お祝いをしたい」という願いが出され、受けとめて考えたからです。そこには、「小さいころからずーっと一緒だった。お互いの入学式を祝ってきた。だから初めての卒業式をどうしても祝いたい!! 一緒に校歌を歌いたい!! 卒業生のきょうだい(在校生)の卒業式の出席をみとめてください!!」(一部分漢字を変換しています)と書かれていました。

あわせて、6年生が入学した際にごきょうだいで一緒に撮った写真や下のごきょうだいの入学式で一緒に撮った写真なども貼ってありました。また、厚生労働省や東京都のコロナ関連のページからのコロナ感染者の人数の推移とグラフから考えたことなどがたくさん書かれていました。 

その願いを受けとめて、6年生のきょうだい(在校生)の人数を調べ、卒業式会場の広さや全体の人数を考えて、先生たちと話し合って参加できるようにしました。

□子どもの権利条例案づくり(武蔵野市)

案作りの過程に10代の人たちが参加し、考えた、話し合ったという3月15日朝日新聞記事を読みました。条例前文に、「子どもたちのことば」が盛り込まれたとありました。うれしくてうれしくて、何度も読みました。以下、新聞より「子どもたちのことば」を引用させていただきます。

わたしたち子どもは、未来の希望となる種で、無限の可能性や能力があり、それらを発揮することができます。

わたしたちは、平和に生活することができ、さらに豊かで充実した人生を歩むことができます。

わたしたちは、自分らしく生きるために、自分で考えて行動することができます。自分の夢を、自由に考えて決めることができます。

そのためには、わたしたちだけではできないこともあり、おとなの協力や支援が必要です。

未来の社会をつくるわたしたちは、知りたいことを学び、十分な教育を受けることで成長できます。

わたしたちは、不安に感じたり、なやんだり、困ったりしたときに、信頼できる人がいる場所で、相談したり、助けを求めたりすることができます。

おとなと子どもは、お互いの権利を理解し尊重し合うことで、それぞれの権利を守ります。

また、わたしたち子どもは、お互いを尊重し合って行動することができます。

わたしたちは、自分自身のことを大切に思い、幸せを感じられるよう、これらのことを願います。

そして、これらの願いが届くようなまちであることを望みます。

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