2023.3.19

修了、おめでとうございます。卒業、おめでとうございます [Ⅱー336]

【幼稚園の修了から】 3月14日、第68回修了式を行いました。一人ひとり名前を呼んで、修了証書を受けとりにくる姿をみて、とても成長したと感じ、嬉しく思いました。ゆり組の皆さん、修了おめでとうございます。

保護者の皆さん、お子さんの修了、おめでとうございます。

幼稚園にくださったアルバムを読ませていただいて、コロナ禍でたいへんな日々を過ごされたことをあらためて思いました。お子さんの健康と命を育み、幼児期のかけがえのない日々を大切に過ごされてきたことを振り返りました。それから、私たちを支え、励ましてくださり、ありがとうございました。アルバムには温かいことばでいっぱいでした。

「様々な行事が思うようにできない学年ではありましたが、そんな中でも先生がたがその時その時にできることを考えて、1つ1つを親子にとって残念な思い出ではなく、最高の思い出として残してくださったこと、本当に感謝しています。」

「3年の間に背もぐんぐん伸びて、心身共に大きく成長したと思います。幼稚園が大好きで行きたくないと言ったことは一度もなく、雨の日も風の日も電車と徒歩で通うことができました。そして最近、ようやく守衛さんや先生に小さな声で挨拶するようになりました! 親にとっても、先生方が些細なことでも話しやすく、親身に聞いてくださったので心強かったです。」

「コロナ禍の中、先生方はなんとかイベントを継続しようと沢山の配慮や対策をして開催して頂き感謝申し上げます。中略 お馬はみんな、ちかてつ、サラスポンダ、赤いスイートピーなどの曲を聞くと当時が蘇り感慨深いです。初めての子育てに戸惑い悩むこともありましたが、先生方に声をかけて頂きお話を聞いて頂きと大変有難かったです。」

「育児の悩みは尽きませんが、私が悩んでいる状態を受け入れてくださり、はき出したい時にはき出せる環境があったことで、私たち親子は少しずつ3年間で歩み寄ることができたと思います。先生方が私たち親子の心の動きを(気持ちの変化)をとても大事にしてくださったことが印象的です。」

など、とても励まされます。ありがとうございました。

【第64回卒業式を終えました】 一人ひとりが卒業証書を受けとる時に、緊張が伝わってきて、感動を共有しました。一人ひとりの成長を嬉しく思い、「おめでとう」と気持ちを伝えました。一人ひとりの言葉や学年全員での表現を聞いて、成長の喜びを何度も感じ、卒業の寂しさをおもいました。涙が出ました。

この学年の人たちのすばらしさの1つに、「思い切り遊ぶデー」(八ヶ岳合宿代替行事)や八ヶ岳合宿、修学旅行などを実行委員を中心に、自分たちのやりたいことを出し合い、話し合って、自分たちの力で実現することがありました。つくる過程でのたいへんさとやり切った喜び、満足感など、大切な経験をしてきました。

私からは、一緒に学んできたことから1つ話したいと思いました。9歳の時に突然、車椅子での生活を送ることになってしまった中嶋涼子さんとの学び(学んだ内容については別の機会に)を話すことにしました。涼子さんは、皆さんが話を聞いて、一緒に考えてくれて嬉しかったと言っていました。涼子さんと学ぶ前は、障がいは、義手や義足などで軽くすることができると考えていた人が、涼子さんのアメリカ留学の話から、いろいろな人がいて当たり前の世界、環境づくりのすばらしさを学んで、そうした社会を自分たちも築きたいと、社会に目を向けていました。また別の人からは、涼子さんと接して障がいに対する怖さは少なくなったけれど、いろいろな障がいをもつ人とどう接したらいいか悩んでいると聞きました。学ぶことによって考えが深まることもすばらしいと思います。私もそうした人でありたいと思いました。

桐朋学園で学んだことの意味も伝えたいと考えました。桐朋は、1947年に第2の出発をしました。その時の務台理作校長が、教育基本法の制定に携わり、学園の教育理念を教育基本法の精神「一人ひとりの人格を尊重し、自主性を養い、個性を伸長するというヒューマニズムに立つ『人間教育』」としました。この教育基本法は、日本国憲法で大切にしている世界の平和、民主主義の実現などを、日常の教育でつくり出していこうとするものです。このような願いを持った学園で、一緒に学んだことに誇りを持ってほしいとおもいました。

現在、ミャンマー、ウクライナなどで戦争や争いがあり、子どもたちをはじめたくさんの命が脅かされています。核兵器使用の危険もあります。私たちは、暴力や武力ではなく、世界の平和をつくること、命を活き活きと輝かせて生きていくために、一緒に努力していきましょう。

卒業した皆さん、自身の人生の主人公へ、社会のつくり手へと育っていってください。応援しています。たくさんの可能性をもつ皆さん、卒業おめでとう!

保護者の皆様へ。お子さんのご卒業をおめでとうございます。コロナ禍で子どもの命と健康を守り、児童期を充実させたいと懸命だったと思います。一人ひとりの成長を喜び、皆様もこれまでよく取り組んできたことを振り返ってみてください。これまで桐朋小学校の教育を支えてくださり、ありがとうございました。

※原稿を読んだのではありませんので、当日話した通りには書けませんが、このような話をしたと振り返っています。

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