2023.4.1

2023年度がはじまりました。どうぞよろしくお願いします [Ⅱー337]

3月の終わりに、1年間の振り返りをしました。そして、新年度のことを考えました。今年度は、平和な世界にしていきたい。生きる、育つ、守られる、参加するという子どもの権利が守られ、「一人ひとりが感情や意思を持った人間として尊重され、『なりたい自分』に向かってその子の可能性が最大限に伸ばされるよう応援してもらえるという、子どもの権利条約の考え」が大切にされる世界にしていきたいです。

 写真はすべて1年生が育てたチューリップ。

子どもに学ぶ

ロシアがウクライナを侵略し、1年が経ちました。3年生は、この内容に関連した小学生新聞を読み、考えました。その日の宿題を「この戦争について考える1日にしよう」と呼びかけ、子どもたちは自主学習ノートにTVなどで見たこと、聞いたことなどをまとめました。3月2日の通信にはその取り組み、子どもの表現などが書かれています。

せんそうについて思ったこと   

ロシアがウクライナにしんこうして1年がたったらしい。

ぼくが8才だった時に始まって、もう9才だ。137㎝だったのに、143㎝にのびるくらい。ホームランが打てなかったのに、もう少しでホームランが打てそうだ。

1年間て、とっても長い。こんな長い時間、●●ちゃんと■■くんにとっては、きっと自分が何ができるようになったって考えるより、苦しいやかなしいやさみしい、こわいがいっぱいな1年だと思う。

ウクライナの人がせんそうで七万人は死んだと、ニュースは数しか言わないけど、この7万人は家ぞくがいて、家ぞくみんなが悲しい気持ちになったと思う。/その悲しい気持ちになった人の数は、どのくらいだろう。家族が4人いたとして、7万人の4倍の28万人。両親合わせて、さらに14万人。合わせて42万人。それだけの人を悲しませてしまったせんそうって何の意味があるんだろう。

たしかにぼくも人のものをほしくなっちゃうきもちはわかるけど、それを力ずくで取ることは人にいやなおもいをさせてしまうんだって、今のぼくはわかっているよ。

大人のロシアの国のせんそうを考えている人は、どうしてわからないんだろう。(学級通信3月2日号より)

作者は、ロシアがウクライナに侵略した一年間を自分の成長をもとに振り返り、桐朋小に来てくれた●●さん、■■さん(2人とも小学生)とお母さんのことを考えながら、「苦しいやかなしいやさみしい、こわいがいっぱいな1年だと思う」と想像し、表現しています。

戦争で亡くなった「7万」人から、それぞれに家族やつながりのある人たちがいることを考え、「それだけの人を悲しませてしまった戦争って何の意味があるんだろう」と問います。

それから、「たしかにぼくも人のものをほしくなっちゃうきもちはわかるけど、それを力ずくで取ることは人にいやなおもいをされてしまうんだって、今のぼくはわかっているよ」について、自分の経験と自分の変化を捉えていることが伝わります。経験や変化が自分にはある、だから「大人のロシアの国のせんそうを考えている人は、どうしてわからないんだろう」と問うのだと思います。

担任の先生は作者に向けて、「そのまっすぐな疑問を、大事なことを見失なった暴走する大人たちに問いたい」と応答し、心を響き合わせていました。作者は、一年間、応答される中で、信頼感や安心感を育み、作者自身が、自分は大切な存在なんだと感じられて表現していると考えました。

また、作者は文を書きながら、自分と他者やものごとを発見し、深める、疑問をもつなど、自分の気持ちや考えを自ら伸ばしています。

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