物質の「三態」に迫る
5年生の理科では、『三態変化』という学習を進めています。
日常生活で見られる物の変化に目を向けつつ、理科室でしかできない実験を通して、さまざまな物質が「どんな状態へと変化するのか」じっくり観察していきます。
今回は、子どもたちが、ストロー状のガラスをガスバーナーで熱する実験です。
以前に、金属のスズをガスバーナーで熱して、固体から液体(液体から固体)になる様子を確認しているので、
「ガラスは液体になる?ならない?」意見は2つに割れます。
では、実際にやってみよう!
「ぐにゃんと柔らかくなった!」
「常温に置いておくと、また硬くなる。」
「これは、液体の状態ではないね。」
安全面に留意した上で、ガラスをのばしてスポイトを作ったり、先を閉じてマドラーにしたり・・・
ガラスの不思議な魅力にすっかりはまってしまう5年生でした。
~追記~
昨今、小学校の理科の授業では、アルコールランプやガスバーナーが消え、カセットコンロなどを使うことが増えてきました。
確かに、現在の生活では、マッチを擦る機会はほとんどない。
家庭の台所と同様、つまみを回せば簡単に火をつけることができる。
しかし、桐朋小学校の理科では、子どもたち一人ひとりがガスバーナーを扱えるようになり、それを使用して実験することを大事にしています。
「どのように点火し、どうしたら燃焼し続ける炎をつくりだすことができるのか?」
子どもたちが自ら体験することで、その原理を理解し、本質を捉えることができるのだと考えています。
構造を理解するために、ガスバーナーを分解し、仕組みを学ぶことから始めます。
元栓を開け、ガス調節ねじを回して点火する。
火の大きさを調整する。
不完全燃焼の状態から、空気調節ねじを回して空気を送り込み、持続して燃焼する青い炎をつくりだす。
「だから、空気(酸素)がないと、火は消えてしまうのだね。」
「実験で何か異常があったとき、音で気づくことができる。だから、ガスバーナーを使った実験中はしーんと静かに集中しよう。」
元栓係、マッチ係、ガスバーナー係…と役割分担し、何度も練習することで、一人ひとりが、使い方をしっかりと習得していくのです。
危険だから遠ざける、むやみに怖がるのではなく、時間をかけ根本を理解した上で操作することで、炎というものに向き合い、安全に取り扱うことに繋がるのではないでしょうか。
これからも、子どもたちの追究は続きます。