2024.4.30

みんなのねがいでつくる学校 [Ⅱー388]

桐朋小学校は、学園の教育理念である「一人ひとりの人格を尊重し、自主性を養い、個性を伸長するというヒューマニズムに立つ人間教育」を大切に、〇子どもを原点にした教育の実現、〇自身の人生の主人公に、社会のつくり手としての根っこを育てること を教育目標として、日々の教育をすすめています。

教育目標を実現するために、大切にしたい11の柱をあげ、子どもとの日々を大切に過ごすこと、子ども一人ひとりが幸せな子ども時代を過ごすことを目指して、私たちの教育はこれでよいのかを問い続けています。

柱には、「子どもの発達にあわせた教育課程の自主編成教育を行います―子どもの身近にいる私たちが芸術や科学の成果を大切にしながら、子どもの発達にあわせた教育課程の自主編成教育を行います」、「学びの過程や意味を大切にします―時間がかかっても、試行錯誤や失敗などから、身体でわかることを大切にします。とりわけ総合学習では、身近な生活や実際の現実社会の課題とつながることを重視します」などをあげています。

私立学校法第一条には、「この法律は、私立学校の特性にかんがみ、その自主性を重んじ、公共性を高めることによって、私立学校の健全な発達を図ることを目的とする。」と書かれており、私たちは大切にしています。

 全校で1年生を迎える会

2024年1月、奈良教育大学附属小学校の教育が「不適切な指導」などと報道され、たいへん驚きました。同校には、教育実践や学校づくりを学んできました。知り合いの先生もいて、同校の実践記録『みんなのねがいでつくる学校』(クリエイツかもがわ)も読んで学んできました。同校の実践は、「子どもには子ども特有の感じ方、考え方、成長のしかたがある。/それを無視して教育なんてできるはずがない。子どもを知ること。教育は、何をおいてもまずはそれからだ。」(ルソー「子ども発見」)などをとても大切にされ、「子ども中心の教育課程」が組まれています。子どもたちを中心にして教育課程の工夫がされています。それから、私たちの教育の柱の一つ「自治」を同校も大切にしていることにも学んできました。

私たちは、教育課程の編成を行う主体は学校であると考えます。学習指導要領は、細部にわたって教育課程や教育実践を規定するものではなく、大綱的基準と捉えて学んできました。学習指導要領には、「各学校がその特色を生かして創意工夫を重ね、長年にわたり積み重ねられてきた教育実践や学術研究の蓄積を生かしながら、児童や地域の現状や課題を捉え、家庭や地域社会と協力して、学習指導要領を踏まえた教育活動の更なる充実を図っていくこと」が重要と明記されています。

報道によれば、「「不適切な授業」奈良教育大付属小の波紋」「「学習指導要領に沿わず」文科省、全国に点検通知」(朝日新聞4月28日)などと書かれていますが、私は教育を委縮せず、教育の自由が尊重されることを願っています。

 小学生にいっぱい押してもらって、たのしい気持ち(ちょっとドキドキも)になりましたね!

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