桐朋小だより

2024.8.9

6年生

墨作り体験

 書写の授業の一環で、奈良県で墨職人をされている錦光園の長野睦さんに、墨作りを教えていただきました。

 4年生のころから書写の時間の初めに、子どもたちが熱心に固形墨を擦って墨液を作っている姿を見ていて、ぜひ体験してほしいと思ったことが、今回の体験学習実施のきっかけです。

 

 生の墨は、菜種油などを燃やして煤を採り、膠と混ぜて作られます。温かく柔らかいものですが、短時間のうちに練りながら空気を抜き、丸めたものを棒状に伸ばして型に入れれば出来上がりです。この出来上がったものを3ヶ月間、桐の箱に入れて置いておくことで、いつも使っているような固形墨が完成します。実際に、子どもたちが練って作った墨は、3ヶ月後の10月に出来上がる予定です。 

 

 墨を使う人が減っていることや、職人技であるにもかかわらず後継者が不足しており、現在9つしか墨作りをしているところがないそうです。貴重な経験をさせていただけたと思います。

 

 以下は、子どもたちの感想です。

▢すみ作りのプロにすみ作りを教えてもらいました。そのうえで、ぼくは青や赤色などのすみはあるのか気になったので、聞いてみた。「青や赤色のけむりはないので…」と聞き、ダメかーと思った時、プロの人が「動物のゼラチンに青や赤色が入っていたら付くかも」と言っていました。いつか作ってみたいと思いました。

▢すみを作ったりする授業をやりました。初めて知ることが多くて、おもしろかったです。すみ作りは初めての感覚で、おもしろかったです。

▢とても新せんな感じだったけど、思いのほかくさかったです。でき上がるのが楽しみです。


▢なまずみの触感が気持ちよかった。3ヶ月後にはこをあけるのが楽しみです。


▢生ずみは、意外とかたくてだん力があった。ひびが入ってて心配。楽しかった。


▢(すみを)作るのに、とても長い事かけて作っていることがわかりました。実際にやってみたらおもしろくて、楽しかったです。すぐそこにある物でも、とても長い事かけて作っていることが改めてわかりました。


▢プロの人からすみ作りを教えてもらいました。すみ店っていうのが全国に9けんしかないのがびっくりしました。すみがすごくやわらかくて、ねんどをさわっている気分でした。すみがタイムカプセルみたいなもののよう
な感じがしました。


▢今日のすみづくり、おもしろかった!一番おどろいたのは、全国ですみ屋さんは9つしかないこと!そのうち8つは奈良県だということ!あれはビックリ!すみをこねているのおもしろかった!ねんどみたいだったよ。丸くするところでめっちゃつやつやになっていたのが「すごいっ!!」って思ったよ。


▢生すみが最初あったかくて、ねん土みたいでおもしろかったよ!3ヶ月後が楽しみ!


▢最初は空気をぬいて丸くして、その次に棒状にして指でにぎって、最後にかんそうさせたら完成です。ぼくはにぎってかたを取るのが難しかったけれど、うまく完成できてうれしいです。使うのが楽しみだな。

▢おもしろかった点は、材料が3つだということです。たった3つで、あんなものができると思うと、おもしろかったです。

▢すみ作り、すごく楽しかったから、「すみキット」みたいなものがあったらよさそう。

▢材料で印象に残ったのは香料。ニオイがおもしろい感じ。でも、ふだん使っているすみは、こんなニオイがしないからびっくり。あと、形を作ってから3か月も待たないといけないなんて…。話を聞けば聞くほど、大変なのがわかった。

▢1つの材料(例えば「すす」)を作るだけで、かなり時間がかかる上に、すべてをまぜてかたちを作って固めるとなると、毎日作らなきゃふつうに買えないんだろうと思ったし、見せてくれた倍くらいのスピードとなると…。(自分が)すみ作りした時もひびが入ってしまって、職人さんってスゲーって思いました。

▢墨の作り方がずっと変わっていないのもすごいと思いました。あと、実さいに作ってみて、ひびとかがあるとやり直しになってどんどん固くなっていくのも大変でした。時間とか技術とかはやっぱり大切だと思いました。

 

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