創立70周年に向けて [Ⅱー396]
2025年度は、初等部創立70周年を迎えます。初等部にかかわる人たちと喜び合いたいと考え、準備をすすめています。この夏、園案内、学校案内を見直し、2025年以降~、園、学校で大切にしたいことを職員全員で話し合っています。
8月、理科園しぜんひろば
現在、人々が平和で仲良く暮らすにはどうしたらよいのか、地球環境の危機的な状況を変えていくにはどうすればよいかなど、私たちの課題はたくさんあります。幼児期、児童期から、人と交わることや自然との触れあいを心地よいと思える感性が育まれていることが大切だと考え、保育、教育を行います。体験により価値づけ、意味づけがされて、その子その子の意味の世界がつくられる道筋を大切に、幼児期、児童期の子どもたちが夢中になって遊ぶ、学ぶ中で身に着けていけるようにしていきたいという願い、理想を持ちます。
初等部の研究会に何度も来てくださった汐見稔幸先生は、『保育のグランドデザインを描く』(ミネルヴァ書房)などで、「すべての子どもたちが人間らしく生きていき、自分を大事にすると同時に他者を大事にしながら、格差のないコミュニティーを実現し、社会が抱える諸課題に立ち向かっていけるような人間になってもらうためには、幼児期、児童期にどういう体験をしたらいいのか。」と問うています。どんな人間になってほしいのか、そのために初等部としてどんなことができるのか、そうしたことを大切に考えています。
7月、園田青年会の人たちと美ら桐朋の人たち
現在、桐朋小学校の教育目標は、「子ども一人ひとりを原点に。」「自分自身の人生の主人公に、そして社会のつくり手となりゆくための根っこを育てる。」です。
学校案内などには、「「子どもを原点に」という時の「子ども」とは、十人十色の子どもであり、その全てがかけがえのない価値を持った存在です。(中略)桐朋小学校では、子ども一人ひとりを尊び、ていねいに寄り添います。そして常に目の前の子どもの姿から教育を創り出していきます。」と書いています。
前理事長の小柳敏志先生は、初等部の教育について「まず出発点に一人ひとりの子ども達が、子ども自分は自分でよいのだと思えること、自分を大切だと思う心があるということだと思います。そして、自分は自分でよいと思うとともに、他の人のこともその人はその人でよいのだと認めることだと思います。」と、話してくださいました。
それから、「社会のつくり手となりゆくための根っこを育てる」という目標に対しては、小柳先生は「生涯を通して地球市民としての自己実現のための素地の形成を援助する。」と受けとめ、初等部で大切にすることを希望を込めて話してくださいました。
いろいろな方にお世話になって70周年を迎え、そして80周年に向かって進みます。私たちは何を大切に子どもたちとの日々を過ごしていくのかをこの夏もじっくり考えていこうと思います。
8月、しぜんひろばの様子
それから、小学校の教育目標である社会の主人公、担い手としての根っこを育むことを目指すならば、私自身が社会の主人公として生きる生き方を追求しているか問われていると思います。そして、自身の社会や世界の見方と関わりを問い、教育観を鍛え、教育実践を創る過程に自己の形成、成長をもちたいと考えます。
7月、秋の遠足の実踏
パリオリンピックが連日報道されています。
オリンピック期間も、世界では戦争、攻撃が止みません。先日、NHKで、ガザ地区南部の病院で活動する国際NGO、国境なき医師団の医師が「私たちからのメッセージは明確だ。安全な場所などない。停戦が必要だ」と述べていました。
オリンピズムの目的は、「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会を奨励することを目指し、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである」と、オリンピック憲章で定められています。
世界中で停戦の声がひろがり、停戦してほしい。