「算数なのに、おいしい~!」
そんな言葉が聞こえてくることが桐朋小学校の算数の授業では、たまにあります。
入学してから、1学期でさまざまなことを学んだ1年生。今日は、「おいしい算数」について紹介します。
おいしい算数と聞くと、食べて終わりなの?と思われてしまうかもしれませんが、しっかり学んでからおいしく味わうというのが、大まかな授業の流れです。
まずは、担任が実際にやったことを絵でノートに描きます。子どもたちが見たものは、
「右手にラムネ2こ、左手にラムネ3こ。持っていたラムネを全部お皿に入れる。」
です。算数の世界では、これが以下のような文章題になるわけです。
「2このラムネと3このラムネを、お皿に入れました。ラムネは全部で何こになりますか。」
さっき現実で見たものと、この「文章題」がつながるかどうかがまず大切です。
つぎに、文章を「算数の式」にします。この場合は、「2+3」です。桐朋小学校では単位をつけることも大切にしているので、「2こ+3こ」と書きます。
最後に、文章題の問いに答えます。この場合は、「5こ」です。1年生の子どもたちにとっては、初めての足し算でした。日常生活の中で自然とやっていたことをあえてやることに算数の授業の意味はあると思います。今まで無意識にやっていたことを、算数を通して理解していきました。この後、子どもたちもラムネを使って、実際に計算をし、答えが出てきたところでおいしく食べました。
このように桐朋小学校では、子どものペースに合わせてゆっくり学んでいきます。具体物を使って、じっくり思考し、時に立ち止まり、現実の世界と文章題をつなげ、式を立て、答えを出します。その1つの手段として「おいしい算数」が位置づいています。
とはいえ、子どもたちにとって「おいしい算数」は、おいしくて学べる一石二鳥の算数であることは間違いありません。子どもたちにも大人気です。2学期は何を食べ…いや、学ぼうかな。