「半日研究会」で学ぶ [Ⅱー410]
先日、初等部で半日研究会を実施しました。幼(年少・年中・年長)、低(1・2年)、中(3・4年)、高(5・6年)に分かれ、それぞれの学級の子どもと活動、授業から学びました。
私は、中学年理科『地球環境 身近な生命の循環編 ~今地球で何が起きているのか 現象を理解し考え続けていくために~』に参加しました。その時間の授業では、「海岸の岸の『ビーチコーミング』をして、砂浜図鑑をつくろう」が学びの中心でした。班ごとに、横須賀市走水海岸の砂からいろいろなものを発見、採取し、見つかったものをルーペや顕微鏡で観察したり、図鑑などで調べながら自分(たち)の図鑑をつくる活動を行いました。最後に、お互いの図鑑を見合う活動をしました。
各班ごとに、横須賀市走水海岸の砂、ピンセット、砂洗い容器、ルーペ、図鑑用ボール紙を用意して、共有の場所には、解剖顕微鏡、光学顕微鏡、参考の図鑑や本、色ペンなどが置かれ自由に使いました。
子どもたちは、砂に入っているものからいろいろと発見し、これは何だろうと見つめていました。
「この貝殻なんだろう? 本で調べよう。」
「どんな種類のプラスチックなのか確かめよう。水に浮かべてみてみよう。」
「これは石? それともシーグラス? 美しい!」
「お宝発見!」
「もうちょっとくわしくみてみたい。解剖顕微鏡を使おう。」
「プラスチックの破片を見つけた!」
子どもたちは、とてもたのしい時間を過ごしていたと思います。自分(たち)の目で確かめ、手で触り確かめ、考え、話し合い、協力して調べていく姿がありました。これは何だろう? と、探求して夢中になってたのしむ姿がたくさんありました。
そうした様子から、好奇心、探究心、問い続ける力を育んでいるなと感じました。私自身もわくわくしました。
自分(たち)で発見したものを自分たちで図鑑をつくります。そのために、どんな種類分けをするか、種類分けをしたものにどんな名前や意味をつけていくか。友だちから教えもらったり、考えてまとめるなど、学び方を自分(たち)で考えていく様子も見られました。
この時間を過ごしている子ども(たち)は、「好奇心のままに知的探求に浸れ」ていることを感じました。
これまでに、子どもたちは、社会科『水の学習』で、水の浄化作用と微生物の関係について学び、『ゴミの学習』の一環として、コンポストを活用して生ゴミや落ち葉等の有機物が微生物や土壌生物の力によって発酵、分解され、堆肥をつくる体験をしてきました。
体験を通して、「自然界での川、土において、生産、消費、分解の関係により、生命の循環が起きている」ことを掴んでいます。
しかし、生態系のバランスが崩れていることにも考えさせられます。一般家庭で出るゴミ、廃棄物量の増加、大量の温室効果ガスの発生などによって、地球温暖化や海水酸性化が進んでいます。
また、熱処理等ができないプラスチックについて、約8割が埋め立てられており、その劣化風化により大量のプラスチックが川や海などに流れ、マイクロプラスチックの問題を起こしています。こうしたことにも学んで考えていきます。
授業者である理科専科のN先生は、「『環境問題』と言われると、どうしても地球規模の漠然としたイメージで、身近に感じにくいのは大人にも言えることではないでしょうか。それが故に、真の問題意識を持つことが難しい。だとしたら、子どもたちが少しでも自分事として身近に捉え、『環境問題』と向き合うためには、実物に触れる・実体験を基に学ことが一番だと考えます。感情を揺さぶる体験、実感を伴った理解こそ、理解で大事にしていることです。本来なら、子どもたちと海に出かけて、現場を見て感じ取ってほしい!」と述べていました。N先生、子どもたちから、実物に触れ、実体験を基に学び、自分事として『地球環境』『環境問題』を身近に捉えようとしていることを学びました。