2025.9.3

命を活き活きと輝かせて[Ⅱ‐435]

2学期、創立70年記念日に向けて、全職員が協力してさまざまな準備をすすめています。記念誌には、卒業生、PTA会長、旧職員、学園関係の皆様より、期待も含めあたたかな文をいただいています。たいへんありがとうございました。

皆様より励ましをいただいて、これからも一人ひとりを大切にした保育、教育をすすめられるよう、初等部をつくっていく努力をしていきたいと思いました。

 写真は1学期の様子から

卒業生の方の文を紹介させていただきます。

言い尽くせないほどの思い出がありますが、私にとって桐朋小学校での 6 年間は、目一杯のびのびと遊んだ記憶で埋め尽くされています。私はとてもおてんばで、とにかく外遊びや走りまわるのが大好きな子どもでした。

 鬼ごっこ、ドロケイ、隠れ鬼、ポコペン、氷鬼、手打ち、キックベース、ドッジボール、一輪車、竹馬、泥団子づくり…。たった20分の中休みであっても、1分でも1秒でも長く友達と遊びたいという気持ちで、授業終わりのチャイムが鳴るなりみんなで一斉にグラウンドに駆けて行き遊んでいました。放課後も、日暮れの最終下校時刻ギリギリまで、クタクタになるまで走りまわっていました。

 その生活は丸6年間、高学年になっても続きました。それくらいの年齢になると鬼ごっこなんて子どもじみていると感じてもおかしくないのですが、私のいた5、6 年の西組は、男女一緒になって本気で鬼ごっこをする、とても仲の良いクラスだったのです。それが私はとても嬉しく、大好きなクラスでした。このような日々がずっと続けば良いのにと当時も思っていましたし、今でも夢に出てくるほど、本当に楽しかったです。

私にとっての夢中になれることは外遊びでしたが、周りを見渡すと絵が上手な子、自然広場で昆虫採集をしている子、泥団子を黒光りするまで磨いている子、本の虫の子、走るのが速い子、何やら段ボールで大作に取り組んでいる子、けん玉を極めている子、ずっと野球やサッカーをしている子、教室でピアノを楽しそうに弾いている子、木登りが好きでずっと木の上にいる子、自作のお笑いを朝の会で披露している子…と、いろいろな子がいました。

 先生方も好きなことや個性を尊重し伸ばしてくださる方ばかりで、子ども同士もお互いの良いところを見つけて認め合える環境でした。だからこそ、今でも桐朋小出身の友人達は特別各々の個性が光っていて、自由で面白いのだと思います。

コロナが蔓延して職場と自宅を往復するだけの閉ざされた生活を経験したり、戦争が世界の様々な場所で始まったり、AI技術が急速に発展して自分で考えなくとも簡単に答えをくれるツールができたり、そんな昨今、“幸せとはなにか”ということをより一層考えずにはいられませんが、自分にとっての幸せとは、“夢中になれる好きなことがあること”と、“友人や家族など大切な存在がいること”だと強く感じます。

 そう断言できるのは、自分にとっての小学校時代がまさに幸せそのものであったからです。思いっきり遊べた経験や好きなことに夢中になれた経験は人生の糧になっていますし、桐朋で出会えた個性豊かな友人達は、ずっと根っこの部分や関係性の変わらない特別な存在です。これからの桐朋っ子たちも、幸せで満たされた子ども時代を過ごせるよう心より願っています。

皆様の文を読ませていただいて、たいへん励まされます。今回紹介させていただいた方が書かれた「思いっきり遊べた経験や好きなことに夢中になれた経験」「個性豊かな友人達」「友人や家族など大切な存在がいる」などを大切にして、「幸せで満たされた子ども時代」となるようにしていきたいと思います。

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