夏季改修工事のご報告と今後の取り組み [Ⅱ‐470]
今夏の改修工事を予定通り行うことができました。改修にかかわり、さまざまなご協力をありがとうございました。
1、改修工事の目的
●テーマ、コンセプト 『未来の桐朋幼稚園・小学校を自分たちでつくる』 ~気候変動から子どもたちを守る。/木の温もりを五感で感じながら安らぐ。/自然エネルギーを活かし学び続ける。~
●背景と大切にしたこと 地球温暖化が加速し、酷暑など気候変動から、子どもたちの生活、学習環境を守る(=子どもたちの人権を守る)ために、園舎、校舎を断熱し、機密性を高める。断熱し、気密性を高めることで、省エネルギーをすすめ、温室効果ガス(主に二酸化炭素)を削減し、地球を守る取り組み*をする。
木質化をすすめ、木による子どもたちへのプラスの影響(心と情緒の安定など)を大切にする。熱伝導率の低い木を使用することは、断熱、省エネルギーにおいても有効である。
*地球温暖化対策推進法(日本)では、「2030 年までに温室効果ガス排出を 43%削減(CO2は48%削減)」し、2050 年までにカーボンニュートラル達成を目指す。
●今後の取り組み
□子どもたちと改修にかかわる取り組みをすすめる。
□地球温暖化や省エネルギーの重要性など、子どもたちの実感を伴った学びをすすめる。自然エネルギーを活かし、学び続ける。
□木(質)による子どもたちへのプラスの影響を捉える。
□断熱、機密性を高めたことの効果をはかり、検証する。
□断熱、木質改修工事について、外部へ発信する。
□2027年度、第2期断熱、木質改修工事を実施する。

高学年玄関付近、 図書室木製扉、廊下木質化
2、2026年度工事内容
工事は、高学年3階5・6年教室、図書室、高学年校舎1階廊下、幼稚園3部屋で実施。主な内容は、
●高学年3階教室 …木製内窓断熱、窓面壁断熱、窓面下多摩産材木板横張、天井断熱
●図書室 …床断熱、木製内窓断熱、床多摩産材木板張、天井断熱、卵漆喰塗装、木質ドア
●高学年1階廊下 …多摩産材木板横張
●幼稚園3部屋 …床断熱、床多摩産材木板張、木製内窓断熱、窓面壁断熱、木質ドア
高学年3階5・6年教室
3、断熱、木質改修をしたことの効果の検証
(1)断熱、気密性
8月中旬、木製窓設置(二重窓)以外の断熱、木質工事を終えた幼稚園保育室は、エアコンがよく効いていました。それは工事によって、断熱、気密性が高まったことによるものと捉えました。子どもたちの様子やエネルギー消費量の変化などから効果をみていきます。
同様の工事をされた他校では、「断熱した教室は外気温の影響を受けにくくエアコンを稼働してからの効きも早い」、「内窓の効果が確実にあり、消費エネルギーを減らすことができる」、「屋根、天井の断熱は、冬季の暖房負荷を大幅に削減するのに非常に有効であり、夏季の冷房負荷の削減効果は限定的だが、室内の温度上昇を緩やかにし、快適性を高める効果は大きい」などの検証*がされています。 *参考図書『断熱学校 学校から脱炭素社会』竹内昌義他著
(2)木質化
私たちは、他園、他校を見学し、木質化の良さを実感し、心理面、身体面、衛生面、学習・生育面などの効果を学んできました。「建物の内装木質化のすすめ-科学的データが示す内装木質化の効果-」(公益財団法人 日本住宅・木材技術センター発行)によれば、心理面では、リラックス・癒し、心地よさ・落ち着き感を高める、愛着心を高める効果など、身体面では、免疫力アップ、感覚を刺激する、疲労感を緩和する、安全性を高めるなど、学習・生育面の効果では、集中を助ける、活動力を高めるなどがあげられています。
9月より、園児、児童の様子や声から、どのような良さと課題が見られるのかを捉えていきます。多摩産の杉は、とてもやわらかく、さわると気持ちがよい、木の香りもします。素足での心地良さを感じる子が増えると思います。冬季の冷たさ、寒さに対して、断熱した床での生活、学びはどのような変化があるのでしょう。たのしみです。
(3)断熱と木質化をすすめること
熱の出入りがもっとも多いのが窓です。これまでアルミサッシの窓を使用してきましたが、熱伝導率は、アルミサッシ 236(単位はすべて W/m・K)、木材 0.15、樹脂 0.17、ガラス 0.8、鉄83です。アルミサッシは軽量で加工しやすく安価という利点がありますが、熱を伝えやすく、熱の出入りが激しく、冷暖房ロスの大きな要因となります。今回の改修では、木製内窓断熱、窓面壁断熱(断熱材の熱伝導率は0.024 W/m・K)にしました。
また、天井のコンクリートは蓄熱容量が大きいのです。太陽熱を吸収、保持しやすく、昼間暖められたコンクリートは、夜にも熱を放出します。寒さにかんしては、冷たさを保持します。そして冷気が下りてきます。壁や床も同様です。ですから、断熱が大切になります。

図書室
4、2027年度、第2期改修工事に向けて
私たちは、2027年度、低学年1・2年教室を中心に、第2期改修工事を行う予定です。
第1期工事では、私たちが願うすべての改修工事ができませんでした。それは、建築資材、建築関係費用の高騰、戦争によるホルムズ海峡閉鎖で石油由来の建材の不安定さと高騰などが要因としてあります。

462人の職人さん(のべ人数)に工事をすすめていただきました。ありがとうございました。
2026年7月より、第2期工事に向けて、寄付を募る活動をはじめました。2026年7月~2027年度末の期間、初等部にいただいたご寄付は、すべて第2期工事に使用させていただきますので、「『未来の桐朋幼稚園・小学校を自分たちでつくる』~気候変動から子どもたちを守る。/木の温もりを五感で感じながら安らぐ。/自然エネルギーを活かし学び続ける。~」へのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。