桐朋小だより

2020.3.9

全学年

図書室からみんなへ➂

今回は、おもに5,6年生へ。

5,6年生は、卒業前の大切な時間にみんなと会えなかったり、6年生を送る会の企画などがんばってきたことができなかったりして、おちこんでいる人もいるでしょう。私も残念でしかたありません…。 

 

今日は、授業で書いてもらった5,6年生のおすすめの本を中心に紹介します。学校で友だちに会えない日が続きますが、みんなの感想を紹介するので、気分転換にぜひ読んでみてくださいね。

 

まずは、5年生が書いてくれた一言感想より。(お休み中にじっくり読めるように、少し長めの本を多く選びました。)

 

『パパのメールはラブレター!?』(メアリー・アマート作/徳間書店)

 フランキーという女の子は、お父さんのメールを使って、女の人の悪口を言っている!ちょっとヤバイ。

 

 この本は何回も読んだけど、やっぱりおもしろいな~と思った。どこがおもしろかったかというと、最後にフランキーがアヤーナを好きになったところかなあ。

 

『ハートビート』(シャロン・クリーチ作/偕成社)

 赤ちゃんが呼吸をしていないシーンでは、私もヒヤヒヤした。美術の宿題で100日間りんごを描きつづけるのに、おじいちゃんがひと口かじってしまったりしても、それをヒントとして描きつづけているのはすごいと思った!

 

『こちら「ランドリー新聞」編集部』(アンドリュー・クレメンツ作/講談社)

 おもしろい!私は家の新聞をつくってみようかなあと思った。

 

『あやつられた学校』(ジリアン・クロス作/偕成社)

 校長先生がさいみんじゅつをかけていると見やぶったダイナがすごいと思った。悪魔の校長の思うようにならなくて良かった。

 

『白いキリンを追って』(ローレン・セントジョン作/あすなろ書房)

 まぼろしの白いキリンがぬすまれて、マーティーンがキリンを救いに行くとき、全く友だちのいなかったベンが力をかしてくれたところが一番よかった。

 

『HOOT ホー』(カール・ハイアセン作/理論社)

 この本は、登場人物の設定がおもしろい。たとえば、ベアトリス・リープは「くま」と呼ばれ、主人公の自転車のタイヤにかみつき、穴をあけてしまう!

 

『FLUSH フラッシュ』(カール・ハイアセン作/理論社)

 夜中にこっそり家を抜け出して港に行った時に、主人公ノアの妹、アビーがスキンヘッドの男にヘッドロックをされたにもかかわらず、男のうでをかんで大声をあげさせた。これほどの強い妹がいればいいと思った。

 

『ガーディのミッション世界一』(ケイト・ビーズリー作/岩波書店)

 メアリー・スーという転校生がやってくるのですが、それはとてもイヤなやつです。誰だって主人公のガーディをおうえんしたくなるはずです!

 

『スピニー通りの秘密の絵』(L.M.フィッツジェラルド作/あすなろ書房)

 セオの祖父は「たまごの下をさがせ」という言葉を残した。ボーディーという女の子といっしょに、セオはなぞの絵を調査する。たまごの下にあった聖母子像の絵は、美術館からぬすんだものなのか。本のとちゅうくらいから、ひやひやドキドキ読める本だ。

 

『チビ虫マービンは天才画家!』(エリース・ブローチ作/偕成社)

 小さな虫のマービンと人間の男の子ジェームズが冒険を通して友だちになっていくのが楽しかった。二人の言葉は通じなくても、友情が深まっているところが良かった。(友情が描かれた本や、家族間の心情、冒険の本など、とても興味深く、大人も楽しめました。保護者より)

 

『シカゴより好きな町』(リチャード・ペック作/東京創元社)

 ごうかいなおばあちゃんと住むことになったメアリ・アリス。クリスマスプレゼントのために、冬の寒い中キツネを狩りにいくところが好き。(高学年になってから、本を共有できるようになりました。私も読んでみたいです。保護者より)

 

『パディントンの煙突掃除』(マイケル・ボンド作/福音館書店)

 賞金をもらうために、浜辺で新聞の写真を見ながら「バージル・バッド」を探していたが、なかなか見つからないので、写真がだんだん人をからかっているような顔に見えてきて、腹を立てているパディントンがおもしろかった。(子どもと一緒に読みました。私も本を読む良い機会になりました。保護者より)

 

『歯みがきつくって億万長者』(ジーン・メリル作/偕成社)

 歯みがきを自分でつくろうと思ったルーファスが、本当につくってしまうなんて天才だと思いました。

 

『ぼくとくらしたフクロウたち』(ファーレイ・モワット作/評論社)

 ずっと小さいころから人間に飼われていて、とぶことをおぼえなかったフクロウ(ミミズク)が初めてとんだときが感動した。

 

『白いイルカの浜辺』(ジル・ルイス/評論社)

 カラは、海でケガをした子どものイルカを見つけた。イルカのケガは、魚をとるあみが原因。そんなこともあって、サンゴしょうについてのプロジェクトを行うところに感動した。 

 

『ドリトル先生の動物園』(ヒュー・ロフティング作/岩波書店)

 ドリトル先生みたいになれたら、どんなにおもしろいだろうと思った。アヒルのダブダブなどに語りかけてみたくなった。

 

『ハリー・ポッターと賢者の石』(J.K.ローリング/静山社)

 ハリーが指一本動かなくなってしまった時、「ハリー、がんばれ」と心の中で応援しました。

 

『シルバーレイクの岸辺で』(ローラ・インガルス・ワイルダー作/福音館書店)

 ローラさんの情景の描写がすごくすてきだなあと思った。たとえば、「この広く大きな大草原のすべてが、そして大きな空も風も、もとのままの姿にもどり、自由に息づいているのでした。」(文庫版p.186)というところ。

 

『カイウスはばかだ』(ヘンリー・ウィンターフェルト作/岩波書店)

 この本は、ルーフスが書字板に「カイウスはばかだ」と書いたところから始まる。これのせいで、同じ学校に通うムキウスたちは事件にまきこまれてしまった。最初はなぞだらけだったけど、最後に全てのなぞがとけて、とてもスッキリした。

 

『クララ先生、さようなら』(ラヘル・ファン・コーイ作/徳間書店)

 ユリウスの担任の先生は、クララ先生。クララ先生はとってもやさしくておもしろい。でも、病気になってしまった。だから、教室のうしろで、みんなのようすをみることになり…。ユリウスが、クララ先生のことを好きな気持ちが、いろいろな場面で伝わってきた。

 

『小さなバイキングビッケ』(ルーネル・ヨンソン作/評論社)

 力ではなく知恵でたたかった小さなバイキングのビッケはまさに英雄で、びっくり。「フランク人の城」でビッケの仲間がつかまった時、ビッケがみんなを助けるために自分の毛をそったのがおもしろかった!

 

『名探偵カッレくん』(リンドグレーン作/岩波書店)

 名探偵を夢みるカッレくんは、ある日友だちの家にやってきたエイナルおじさんの怪しい行動に目をつけ、ある事件を友だち二人と協力してあばいてしまいました。カッレくんの頭脳と行動にあこがれました。

 

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さて、6年生は、図書の宿題がありましたね。もう終わっていますか?

えっ、まだ?!そういう人はすぐにとりかかってくださいね。

 

お休みになってしまう前に提出してくれた人の中から、いくつかご紹介します。

6年間で読んだ本の中のベスト1です。

 

『小やぎのかんむり』(市川朔久子作/講談社)

 この本は、主人公の夏芽が、暴君と化した父から逃げるため、お寺のキャンプに参加する物語だが、そこで出会う人物が皆、個性豊かで、それがおもしろかったです。そして、この本は、親子とか何か、絆とは何かを考えさせられる本なので、そこに深く感動しました。4年生の夏休みに初めて読んだのですが、2年後の6年の秋に、もう一度読みたくなったという思い出があり、ベスト1に選びました。

 

『カーネーション』(いとうみく作/くもん出版)

 私はこの本を一夜で読んでしまいました。それぐらい魅力的なストーリーでした。主人公の日和は、私の性格と反対で、あまり気持ちを言い出せない。愛したい母と愛されたい日和の心情が正直に書かれていて、ガツンと気持ちが襲ってきました。嫉妬することや、好きになることは誰にでもあることを知れたし、その感情に共感できて、日和になっている気分だったので、最後の結末にすごく感動しました。いつもは、実話とかでしか泣くことがないけど、物語という現実ではないお話でも感動しました。内容や表現を鮮明に覚えています。また大人になって、家族ができたらもう一度読みたいと思いました。 

 

『獣の奏者』(上橋菜穂子作/講談社)

 この本を初めて読んだのは、5年生の時。なんとなく手にとって読んでみたら、すごくおもしろくて、自然に読み進んでいました。6年生になってもう一度読んでみて、なんだか5年生の時読んだおもしろさとは違うおもしろさがありました。この本を通してエリンの人生を見ていくのがすごく楽しくて、何度も何度も借りて読みました。

 

『源平の風』(斉藤洋作/偕成社)

 僕がなぜこの本をベスト1に選んだのかというと、僕はきつねにまつわる本が好きで、その中でも読みごたえがあるからです。特に心に残る場面は、源義経をかばって、忠信が死に、その後白狐魔丸が白駒山に戻る場面です。また、シリーズが何冊もあり、すべて時代が違うので、歴史好きにはたまらない内容になっています。

 

『ひみつの校庭』(吉野万理子作/学研)

 この本をはじめて読んだ時、ちょうど理科の授業でマイツリーをやっていました。この本もマイツリーをテーマにしています。最後の方にある「正確にいえば、雑草なんて名前の草はないんだぞ。」という言葉に共感しました。 

 

『劇団6年2組』(吉野万理子作/学研)

 この本は、4年生の時にちらっと見ただけだったけど、6年になり、まとめの会の劇でやることになって、改めて読んでみました。心に残る場面は、「シンデレラ」の劇を見に行ったシーンです。それから、劇に真剣に取り組むすがたがいいなと思いました。この本を読んで、クラスの劇もこんな感じで成功したいと思いました!! 

 

『その魔球にまだ名はない』(エレン・クレイジズ作/あすなろ書房)

 僕は、ケイシー・ゴードンの魔球におどろきました。ケイシー・ゴードンの魔球は誰にも打たれず、リトル・リーグのコーチにスカウトされ、トライアウトに合格したが、女の子だから不合格になってしまいます。でも、あきらめずに女子野球選手を探し続けるところに感激しました。この本はおもしろくて1日で読んでしまいました。僕は、ケイシー・ゴードンの魔球があこがれです。

 

『ぼくたち負け組クラブ』(アンドリュー・クレメンツ作/講談社)

 この本は、本好きにはたまらない本です。『穴 HOLES』(講談社)や『ひとりぼっちの不時着』(くもん出版)といった実在の作品が出てきて、主人公をゆさぶります。読んでいると手が止まらなくなって、次のページが気になります。この本も、この本に出てくる本もぜひ読んでみてほしい。

 

『さよなら、スパイダーマン』(アナベル・ピッチャー作/偕成社)

 テロでお姉さんを亡くしたジェイミーとその家族を描いた作品です。新しい本のコーナーにあったから何となく手にとって読んだだけだった。でも、お姉さんを覚えていないから泣けないジェイミーが、最後に大切な猫ロジャーが死んでしまって初めて泣いたこと、初めて大切な人が亡くなってどれだけ悲しいかを知ったというところに、とても感動しました。

 

『駆けぬけて、テッサ!』(K.M.ペイトン作/徳間書店)

 私は、ずっと馬の物語を読みたくて、探していたらこの本を見つけました。競走馬が負けたら銃でうたれたりして、すごくショックな場面もあったけど、私は馬と生活するのが夢だから、主人公がうらやましいなと思った。

 

 

ほかにも、

『狐笛のかなた』(上橋菜穂子作/理論社)

『ある晴れた夏の朝』(小手鞠るい作/偕成社)

『冒険者たち』(斉藤惇夫作/岩波書店)

『僕は上手にしゃべれない』(椎野直弥作/ポプラ社)

『夜間中学へようこそ』(山本悦子作/岩崎書店)

『ぼくの最高機密(トップシークレット)』(ジョン・レナルズ・ガードナー作/佑学社)

『泥』(ルイス・サッカー作/小学館)

『ワンダー WONDER』(R.J.パラシオ作/ほるぷ出版)

『僕らの事情。』(ディヴィッド・ヒル作/求龍堂)

『わたしがいどんだ戦い1939年』(キンバリー・ブルベイカー・ブラッドリー作/評論社)

『完訳グリム童話 子どもと家庭のメルヒェン集』(小澤俊夫訳/ぎょうせい)

などがあげられていました。

 

小学校6年間の中で、どんな登場人物が、どんな場面や情景が、どんな言葉が、みんなの心を動かしたのか、ほかの人のベスト1も読ませてもらうのを楽しみにしています。

 

 

 毎日、いろんなニュースがあって、不安に思ったり、疑問に思ったりしている人もいると思います。ユネスコによると、日本や中国、イラン、イタリアなど、世界中で3億人近い子どもたちが休校で学校に行けなくなっているそうです。休校になったイタリアの高校の校長先生が、生徒に呼びかけた言葉をどこかで耳にしましたか。落ち着いて、集団のパニックにまきこまれず、十分な予防をした上で、いつもの生活をつづけてください、せっかくの休みですから、散歩をしたり、良質な本を読んでください、と呼びかけているそうです。

 本の世界が、みなさんのたすけになればいいなあと願っています。

 

 最後に、新聞を読んだり、ニュースを見たりする機会がふえ、少し社会のことを考えてみたいという高学年の人にいくつか。

 

『わたしは、10歳、本を知らずに育ったの。』(公益財団法人シャンティ国際ボランティア会編/合同出版)

 

『ふるさとって呼んでもいいですか 6歳で「移民」になった私の物語』(ナディ著/大月書店)

 

『フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ 増補新版 世界を信じるためのメソッド』(森達也著/ミツイパブリッシング)

 

『人間はだまされる フェイクニュースを見分けるには(世界をカエル 10代からの羅針盤)』(三浦準司著/理論社)

 

『16歳の語り部』(雁部那由多・津田穂乃果・相澤朱音 著/ポプラ社)

 

『福島の子どもたちからの手紙』(KIDS VOICE編/朝日新聞出版)

 

『東京大空襲を忘れない(世の中への扉)』(瀧井宏臣著/講談社)

 

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