2022.9.20

ジェンダー、性について、6年生といっしょに学んでいます。他にも[Ⅱ‐312]

●ジェンダー、性について、6年生といっしょに学んでいます

学内で、桐朋会会報『みずぎり』2022年号が配布されました。特集~桐朋生活とSDGs~の記事(SDGsの17項目の中で、5ジェンダー平等を実現しよう 10人や国の不平等をなくそう に着目)をもとに、6年生とジェンダー、性について学んでいます。毎年学び合う内容で、今年度は『みずぎり』の記事からはじめました。 

記事には、「ジェンダーによる差別を感じたことはある?」「はい30%、いいえ70%」、「日本社会は男女平等?」「はい3%、いいえ97%」などの高2生アンケート結果もあります。また、「なぜ女子大はあるのに男子大はないのか?同性婚を認める国、認めていない国の差は?なぜ桐朋の制服はスカートだけなのか?なぜ女子校なのか?結婚はしなくてはならなのか?考え始めると素朴な疑問は尽きません。/性別は女性だけど制服はスカートではなくズボンが良い、公共のトイレで男・女どちらに入ればいいか悩む、など最近では広い年代での悩みが上がっています。きっと桐朋でもそういうもやもやを抱えている人もいるはずです。そのような子が一人でも減って、学校生活をもっと楽しめるように、色々なことを他人事だと思わずに皆で考えられるような桐朋女子であれたらいいなあと思います。/そのためには、私たちはもっと多くのことを知らなくてはならないし、学ばなくてはならないのだと思います。」と書かれていました。

  

授業終了後すぐに、七頭舞の道具づくりへ

記事を読んで考え、語った6年生。「ジェンダーによる差別」「日本は男女平等?」などについて、いろいろな考えを伝えてくれました。ここをスタートに、これから学んでいきましょう。

「自分の思っている性別では女の子と思っていても、周りから見たら男の子と感じるのは、本当に人それぞれだなと思った。そこで私は、男性がスカートをはいたらいけない、女性はズボンをはいたらいけないというルールはないから、自分の好きなようにするというのが大切だと思った。」

「自分のことを日本語では「私」や「ぼく」などと言うが、男子が自分のことを「私」と言っていたら、みんなが気持ち悪いと言う。英語では、自分のことを「I」と呼べるから、そこで差別が生まれないからいいと思った。」

「女は家事をする、料理をする、などという「女はこう」というのがあり、別に男で家事をする人もいるし、料理が好きな人もいる。だから、「女はこう」「男はこう」というものをなくせず、女で料理が苦手な人などのためになると思う。このクラスでも「女は暴力的だ」と言われていて、それは人によって違うし、男だって暴力をふるうから、なくしてほしい。」

「友だちのガチャガチャの話(このガチャガチャは「男の子っぽい」「女の子っぽい」など分けられている例)がとても納得できた。服とかも、ワンピースやスカートを着た男性は見たことないし、男性が坊主にしても何も思わないけど、女性が坊主にしたらとても驚いたり、不思議に思うと思った。」

「社長は男性がほとんどだったり、国会議員なども女性が少なかったりするので、女性があまり社会で活躍できていないのではないかなと思った。どうやったら女性の国会議員などをやる人が増えるのかを考えてみたい。」

「性別で年収や役職がかわったり、国会議員も女性がぜんぜん少なくてほとんど男性の意見で決まってしまう。」

「外国の政治は、女性の官僚も多いが、日本の政治は男性が多く、女性が少ないことからも、男女不平等だと思いました。」

「私はLGBTQなどがときどき特別扱いになっていると思う時があります。男らしく、女らしく、異性のことを好きにならないといけない、というのが「ふつう」で、「男」と「女」しかないという考え方ではなく、自分の心の性別や服やモノの好みや誰を好きになるかなどは、自分で選ぶ権利があると思います。」

「「君は男だから」とか「女だから」というがい念の事なんですけど、男の子は髪が短いイメージがあり、女子は長いイメージを持っている人がいると思います。ですが、最近は、髪が長い男子も、坊主の女子もいます。なので、こういうがい念はこれから変わっていくと思います。」

「5個の性がある事を普通にすればいいのでは? 大人の人たちは生まれた時から2つの性しか知らなかったろうから、体にその「普通」がしみ込んでいると思う。友だちがトランスジェンダーと聞いて、「大変だね、頑張って!」とかじゃなくて、「へーそうなんだ。」とかくらいが言える世の中になってほしい。」

「日本社会は不平等だと思っています。たとえば歴代総理大臣は女がめちゃくちゃに少ない、またはいません。なぜ女は総理大臣になりにくいのかわかりませんが、これをふまえて平等とは言えないと思います。」

「昔は同性愛が認められにくい環境が自然とつくられていたし、女装、男装は「気持ち悪い」と悪口を言われる事もあったけれど、最近では有名な芸能人もゲイなどを公表していて、LGBTQの人々が過ごしやすい環境に少しずつ近づいているなあと実感する!!」

 

2年生竹馬。乗りたいけれど、乗れない、自分なりのやり方をする経験も大切に。「やったあ、乗れた~」。嬉しいね。

次回は、性について、性自認、体の性、性表現、性的指向、制度の性という5つの側面から考えてみる、整理してみたいと思います。それから、多様な「性」についての実際の声などを取り上げてみます。

私は子どもたちと同じ人間として、率直な疑問や考えを言い合える自由、平等な関係を大切にしたいと思います。また、子どもと対等に共同で学びあうことを大切にすすめていきます。

パートナーのかかわり。6年生がつくった絵本を2年生に読み伝えています。

●大型台風が各地で被害をもたらしています被害にあわれた方がたくさんいて、たいへん心配しています。被害にあわれた方の状況を知ること、私自身何ができるのかを考えていきます。

今回の台風の対応についてです。

前日に休校、始業を遅らせるなどの判断をし、各家庭に連絡をしている園、学校もたくさんありました(園、学校の子どもたちの年齢、通学条件などいろいろな違いがあり、どの判断が正しいということはないと考えます。)

本園、本校ではどうするかを考えました。

子どもたち、保護者の方には、通常と違う対応をする場合、早目のお知らせをし、対応していただかなくてはならないと考えています。

一方、子ども一人ひとりの登園、登校の状況を想像し、園、学校生活を大切に過ごせるように願って、判断を「緊急連絡網」をまわす朝の時間まで考えたいと思いました。

前夜から何度も情報をとらえ、当時は朝3時から5時過ぎまで情報収集し、判断をしてきました。

子ども一人ひとりの安全に登園、登校ができ、園、学校生活を大切に過ごせるようにと願って、このような判断をしていることをお伝えしたいと思いました。

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