2024.1.25

ロマナさんとアンドリーさんが送ってくださった絵 [Ⅱー378]

ロマナさんとアンドリーさん(Ⅱー360など参照)が送ってくださった絵

6年生の人たちに、1枚の絵(上)を見せて、これは誰の絵だろう? と問いました。「ピカソ」と言った人がいました。この絵は皆さんに届きました、と伝えると、ロマナさん、アンドリーさんからだ! という人がたくさんいます。そう、この絵はお2人から、ブロンズ新社さんから届きました。(「ありがとうごさいました」)

その後、この絵を見て、考えたこと、感じたこと、想像したことを教えてください、と伝えました。

6年生の人たちから。

〇飛行機みたいなものの羽が折れている。足が長い人が支えている。黒いものを戦車や蛇が上がってきている。黒い壁に爆弾が当たっている。矢印みたいなものが気になる。赤ちゃんも黒い壁を支えている。赤色が黄色・青色と敵対している。

〇黒い壁の真ん中の部分が、かけて(折れかけて?)いる。黒い壁は勇気を表しているように見える。

〇戦争のための兵器などが乗った板を、ベビーカーに乗った赤ちゃんやつえを持った老人まで支えている。

〇へびだけが人工物の兵器ではない。

〇赤い部分は、ミサイルや戦車などが描かれているので、「戦争」や「悪」。そして、青と黄色の人は、ウクライナ人を表し、「悪」に立ち向かい、戦っている様子だと思います。また、赤ちゃんは、小さな力(子ども)でも、皆で力を合わせれば戦えるということを表していると思います。

〇2人は、私たちに、赤ちゃんも大人も子どももみんなが戦争を止めようとしている。ウクライナの人々は誰もが望んで戦争をやっていない。終わることを願っていると、人々の色をウクライナカラーの青と黄色にして表していると思った。

〇下の青と黄色の人は、ウクライナを示していて、ウクライナが重い戦争という荷物をしょっている。

〇人々が壁を使って戦争に耐えている。赤ちゃんもどんな人々も耐えている。でも戦争をし、相手の国も傷つけている。相手も同じ。人々がいる方がシェルターに見える。

〇戦争にがんばって耐えている人たちの事を表しているのかなと思いました。人々は黄と青で、ウクライナの国旗で、赤は血や炎のイメージを持ちました。

〇大人も子どもも小さな赤ちゃんも色々な人々がロシアのウクライナ侵攻と(絵でいう赤いモノ)戦って自分を守っていることをあらわした絵だと思う。黒い壁はウクライナとロシアの国境(境界線)なのでは、とも思う。

〇戦争の武器をたった1枚の壁で押さえている。しかも、赤ちゃんから大人までが。これはウクライナを戦争から守りたいと思ったのではないか。襲ってくる武器から、自分たちを守りたいんじゃないか。

〇色や年齢、体の大きさなど、みんなそれぞれ違う人だけれど協力し合っている。赤ちゃんもび力だけれど、無力ではなくてできることをしている。みんなで協力すればいくら相手が兵器でも戦争を止められるのでは、というメッセージだと思った。

今後、この絵を小学校で展示します。たくさんの人に見ていただいて、感じたこと、考えたことを掲示板に書いていくなど交流したいと思います。

ブロンズ新社さんから、「出版目録 2024」(下)もいただきました。目録のはじめに、「ブロンズ新社創立40周年記念事業 絵本づくりの未来形」として「この10年、絵本の可能性を切り拓き、世界を刺激してきた作家のトークを開催」され、ロマナさん、アンドリーさんのことが書かれていました。その中に、「桐朋小学校を訪問し6年生の児童を対象にウクライナの現状を語った特別授業」も入っていました。*以下の写真と文は、「出版目録」から引用させていただきました。

来日への道のり

戦争のただなかウクライナから来日することは、容易ではありませんでした。ロマナはスロバキアのブラチスラバまで行って、1週間滞在後にやっとビザを取得。16歳から60歳の男性の出国が禁じられているので、アンドリーは国にアーティストビザを申請して、出発1週間前にやっと日本訪問が認められました。

桐朋小学校でレクチャー

9月22日、6年生2クラス約70人を対象に特別授業が行われました。ウクライナでのふだんの暮らしや絵本制作のようすなどをスライドで映しながら、わかりやすい言葉で語ってくれました。「戦争中でも、なるべくふつうの生活を送るように心がけています」と語るふたりの言葉に多くの子どもたちが驚いたようす。着弾時刻を予測するミサイルアプリを活用して生活しているという話に、緊迫感をもって聞きいりました。

「わたしたちにできることはなんですか」という児童の質問に、「あなたたちにできることはただひとつ。しっかり勉強すること」というアンドリーの言葉が強く印象に残った授業でした。 

 

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