2026.1.30

子どもの権利を学ぶ① [Ⅱ‐452]

初等部70周年記念PTA講演会では、甲斐田万智子さん(*)を講師にお迎えして「キャッチしよう! 我が子の『あのね』~子どもの権利~」をテーマに学びました。

 *認定NPО法人国際子ども権利センター代表理事、広げよう!子どもの権利条約キャンペーン共同代表、子どもの権利条約総合研究所理事など

 甲斐田さんは、「1.子どもの権利・子どもの権利条約について」「2.日本の子どもたちが置かれた状況は? 私たちの子ども観は?」「3.家庭における子どものつらい体験の影響 ~子どもたちの脳に起きていること」「4.子どもたちの声をもとにつくられたこども基本法・子ども大綱」「5.家庭や学校で子どもの「あのね」をキャッチし、子どもの声が活かされる家庭、社会に」を柱に話してくださり、学びました。今回は、1、2を少し取り上げます。

1.子どもの生きる権利では、「世界の5歳未満児死亡数 2023年時点で5歳の誕生日を迎えることなく亡くなる子どもは年間480万人。7秒にひとり、1日に約1万3200人の5歳未満児が命を落としている」など。

 子どもの保護される権利では、「第19条 親などから虐待されない権利、第34条 性的搾取・虐待から保護される権利、誘拐・売買・取引されない権利」を取り上げ、日本では「JKビジネスが人身売買と批判、子どもポルノ、自撮り被害も深刻、教員、スポーツクラブ、塾の講師による性暴力も深刻」であるなど。

 参加の権利に関わっては、諸外国の事例が心に響きました。「子どもが子どもの権利を学び、ピアエディケーターとなり、仲間に子どもの権利を伝える。自信を得ておとなに伝える」ことなど。

2.日本の子どもが置かれている状況として

 「子どもは権利の主体と考えられない」、「子どもは社会の担い手と考えられない」という大人。「子どもは未熟で指導すべき保護の対象 権利を教えるとわがままになる」と考える大人。「おとなは子どもより優れており、子どもの同意なしに影響を与える権利がある」と考え、行動する大人。そのような大人がいる、自分はどうなのか問う。

 「子どもが権利を使うことを認めない『子ども差別』と言える社会」をつくっていないかという問い。「「権利と義務は対」という誤った考え方もあり、「子どもに権利があるということは、大人にその責務を果たす責任があるということであり、子どもに義務を求めるものではない」こと。自分はその責任を果たしているのかと問う。

 なぜ子どもの権利を尊重する必要があるのかについては、「権利意識をもつことによって子どもがエンパワーされ、諦めない気持ちになるから」、「権利を知ることで、子どもは一人で悩んだり、孤立しなくなる」、「子どもたちが参加の権利を使うことを通して、子どもたちが主人公となり活躍できるから」、「子どもたちは、権利によって、仲間と一緒に社会をよりよいものにかえていけるから」などと話され、学びました。

 上から4枚は、休み時間の子どもたち

6年生の授業では

 子どもの権利、子どもの権利条約を取りあげて、理解を深めることをすすめています。感想、意見は、

〇「よい子って誰が決めるの? よい子を演じるのはつかれるよ。」という意見に対して、確かにずっとよい子を演じるのは疲れるよね。親(大人)が絶対正しいってわけじゃないし…。誰だって苦手なこともあるし…。少しは悪い所あってもいいと思う。自分が直したくないと思っているなら直さなければいいし。無理に演じなくてもいい。

〇自分で自分の事を傷つけてしまうような気持ちになるまで、子どもを追い込んでしまう国だという事が、私は悲しいです。今の日本は、自殺してしまう子どもが多すぎると思います。どんな理由でも、誰かが気づいて助けてあげないといけないと思います。いつか世界からリストカットや自殺がなくなるといいな。

*朝日新聞1月30日朝刊には「小中高生の自殺 過去最多532人」「10・20代死因1位 G7で日本のみ」という見出しで記事が書かれていました。記事には、小中高生の自殺者は2020年に急増。19年の確定値と25年の暫定値を比べると、中学生で2倍、高校生で2.2倍。19歳までの原因・動機をみると、「病気の悩み・影響(うつ病)」が最多、「病気の悩み(その他の精神疾患)」「学業不振」「親子関係の不和」と続いたなどが書かれています。

〇同性愛が権利なのを知らなかった。日本は大丈夫なのかな…。結構印象に残った。日本は確か認められてないはず…。どうなって行くんだろう。

〇たしかに大人と子どもは、大人はえらい人じゃなくて、先生みたいな支え役みたいで、思ったことが、だいたいの家族は大人がえらいみたいになっていて、少し子どもが不利とか可哀想に思った。

〇手伝い家事 女の子がさせられることが多いよね? に関係する条約があるということを知り、良いなと思いました。私は一人っ子なのできょうだいの世話をするということないけれど、家事はお母さんと私でやっている感じなので、お父さんももう少しやってほしいです。学校に行けない女の子がたくさんいるのは、かわいそうだと思います。

〇性別などを理由に、ありのままの自分を表現できない事はよくない事だと思う。昔と比べて今はだいぶありのままの自分でいられる人が多くなったと思うが、まだ差別や偏見が消えないように見える。

〇私は国籍というものを得られない人がいるのを最近まで知りませんでした。国籍とか他にも戸籍とか、私たちが当然のように持っているものを持てない人がいることにすごく衝撃を受けました。そういったものが無いと生活するのとか、身分の証明とかが難しくなってしまうと思うし、自分がどの国の生まれかっていうのは大事なアイデンティティーだと思うので、それが無いのってすごく大変なことだと思います。そういう人たちにとっては、子どもの権利条約が守られていないこととか、そもそもそれを知らない人も多いと思うので、国籍とか、私たちにとって当たり前のものが、みんなにとって当たり前なことになるといいなと感じました。

子どもの権利条約 

 子どもの権利条約は、世界人権宣言とともに、道徳の教科書に出てきて、毎年6年生で取り組みます。今回は、『世界の子ども 権利カルタ』(監修 甲斐田万智子、制作 認定NPO法人子ども権利センター)も使いながら学んでいます。

 1989年、国連で子どもの権利条約が採択  1994年、日本は子どもの権利条約を批准

 批准とは、条約に書かれてあることが守られるように約束したこと。政府をはじめ大人は、子どもたちに子どもの権利を伝える責任が生まれました。

 子どもたちと、「子どもの権利条約」について学びます。学ぶことで、自分自身の悩みを解決したり、成長するために使っていけるといいです。よりよい社会をつくるために使ってほしいと思います。

 条約に書かれているのは、〇生きる権利 〇育つ権利 〇守られる権利 〇参加する権利

 4つの原則として、〇生命、生存および発達に対する権利(命を守られ成長できる) 〇子どもの最善の利益(子どもにとって最もよいこと) 〇子どもの意見の尊重(意見を表明し参加できること) 〇差別の禁止(差別のないこと)

 この2枚は幼稚園(左は演奏をしてくれた同じキャンパスの大学生。たのしい時間をありがとうございました。)

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