ワークショップ

6月29日、国境なき医師団で活動されている方々に来ていただき、ワークショップをしていただきました。

国境なき医師団の活動内容を伺った後、「医療体制がない地域で人々の命を救うためには何が必要か」「難民がこの学校がある地域に来たら受け入れるか」ということについて考えました。

1つめのテーマについては、比較的イメージがしやすかったこともあり、『病院』『水』『薬』『道路』といったものが次々と挙げられていました。

2つめのテーマは、大人でも結論を出すことが困難なことですが、率直に自分の考えを出し合い、学びあっていました。話し合いを続ける中で、理想と現実の間で揺れ動き、初めは受け入れに賛成だった子どもが反対の方向に向き始めたり、どちらかと言えば賛成という考えを、さらに強固なものにする子どももいました。

国境なき医師団のことは知っていて、アフリカや中東で紛争がおこったり、医師がいない村がたくさんあることも知っていたけれど、実さいに何をやっているのかはそこまで知らなかったです。すごいと思ったのは、NPO法人だということです。民間がこのように有志を集めて行っていて、活動資金を支えているのは市民だと知って、そのような地域を救うことがぼくたちにもできるんだと思いました。
難民の問題は、すぐには解決できない問題です。受け入れる側の気持ちも分かるけど、故郷を追われた人の心中を考えると、胸がいたくなります。だからこそ、そういう人たちがいない、できない世界をつくっていかなければならないと思います。でも、それは片言ではいかないだろうし、そこまでとうたつするか分かりません。内戦や紛争をかいひするためには、お互い信じ合い助け合う、そういう世界をつくっていかなければ、平和な世界はつくれないと思います。
でも、アフリカ等でおきている飢えなどは自然のせいでおきることのため、努力をしてもおきてしまうことはあります。だからこそ、そういう時にこのような団体が活動することが大切だと思いました。また、この団体の憲章もすばらしいと思いました。

▶ もし難民が自分たちの住んでいる町に来たら難民を受け入れますか?という質問には、少しなやみました。
難民の人たちに病気をうつされたらどうしよう、難民の人たちが沢山病院に来て病院がこんで長い時間またされたらいやだなーなど、難民の人たちが来てこまることも沢山あります。
けれども、難民だって自分たちと同じ人間だし、好きで日本に来ているわけでもないだろうし、むしろ自分たちが学ぶことも沢山あると思います。
だからぼくは、もし難民の人たちが自分たちの町に来ても、こころよく受け入れてあげたいと思います。「この地球でくらしている全ての人が平等に生活できる」そんな未来を実現していきたいです。

▶ 私達の世界には、医療をうけたくてもうけられない人がいっぱいいるのだとよくわかりました。
私が今回の話で一番印象に残ったことは、「子どもたちの栄養失調」です。うでがペットボトルキャップぐらいの子もいると聞いてとてもびっくりしたのと、かわいそうだと思いました。だけど、今回もう1つRUTEという栄養補助食を知りました。最初おいしいのかなと思ったけど、「国境なき医師団ってなんだろう?」という本に、ピーナツバター味でおいしいと書いてあって、それなら子どもたちもよろこんで食べるだろうなと思いました。
私の将来の夢は獣医です。でも今回の話を聞いて、世界の困っている生き物・動物達を助けたいと思いました。

▶ 難民キャンプに病院を作ることを国境なき医師団がやっていることを、スタッフは簡単にみんなの前で話してくれていたけれど、実際にそういうことをするのは大変だなと思いました。ちがう国の人達も地球の仲間達だから、国境なき医師団の話を聞いていると、本当に大変なのにみんなで人々を助ける。そういうことをすることで、パンフレットにも書かれていたように、ちがう国からも『ありがとう』などたくさんの人達から尊敬されていて、すごくいいことだなと思いました。こういうことが、平和な世界を作る大切なことだとあらためて思いました。

▶ 『街に難民を受け入れますか?』という質問で、私は賛成に手を挙げました。けれど、考えていくうちに(賛成と反対の間かな)と思いました。
班の人も大体が私と同じ意見で、話していくと「そうだよね~」と同感でした。個人的に話し合いは楽しかったです。
あと、『命のうでわ』で、赤い部分の子はペットボトルのふたぐらいだと聞いて、おどろきました。栄養失調が本当にこわいことだと改めて分かりました。そして、『命の重さはみんな同じ』という言葉は、私も聞いて(そうだな)と感じました。
こういうことは、また考えていきたいと思いました。

▶ 私がかよっているテニスクラブのコーチがミャンマー人でした。コーチは、「ミャンマーはとてもいい国で、いろいろな人が楽しくしている国だよ。」といっていたのに、こんなに苦しんでいる人がいると知って、びっくりした。
戦争をなくすために私達ができることは、国同士の人が認め、仲間だと思い、世界をよくしていけばいいと思いました。

パートナーと七夕飾り

5年生のパートナーと一緒に、七夕の飾りを作りました。短冊に願いごとを書いて、笹に結びつけました。「サッカーせんしゅになりたい。」「バレリーナになって、おどりたい。」「やすまないでがっこうにこれますように。」など、かわいい願いごとがいっぱいです。

折り紙で、飾りもいろいろ作り、笹にたくさんつけました。一緒にお弁当も食べて、にっこにこです。

       

素敵な七夕飾り

『桐朋教育』50号・記念号 [Ⅱ-161]

 7月12日、桐朋教育研究所より『桐朋教育』50号が出る予定です。「創立50号 記念号」として、「初等部の教育」を特集します。内容は、3部構成で、

[桐朋幼稚園]●桐朋幼稚園は、2018年度より「3年保育」「3歳児保育」をはじめました。 ●座談会 三年保育の夢を語ろう―桐朋幼稚園の今までとこれから― 久保健太(共同研究者、大学教員)、川角さえ・市川杏子・能登比呂志 ●幼稚園ゆり組「一クラス四0名」を送り出し… 萩谷みづき ●汐見稔幸先生インタビュー(東京大学名誉教授、白梅学園大学前学長、保育学会会長)

[桐朋小学校]●三年生と総合の授業をつくる 島田晶子 ●本質に迫る理科教育 長崎由季 ●「自分たちの学校」をつくる 渡邉春菜 ●けん玉で広がる仲間づくり 久保田勇気 ●座談会 桐朋小学校の素敵なところは? 束原和郎・鷲阪恭子・滋野真優・星野俊樹・武藤あゆみ・渡邉春菜

[桐朋学園のつながり、同窓生から]●小学生とのふれあい実習 中高体育科 鎌田依利 ●小学生の音大見学 飯田彩子 ●学園で育った同窓生高橋侑子(トライアスロン選手)・SINSKE【石原信輔】(マリンバ奏者)・山内美香(山内ぶどう園経営)・千葉裕子(桐朋女子中・高等学校校長)・吉野圭悟(桐朋小学校音楽科講師)  敬称略 

 『桐朋教育』は、一九七一年五月に創刊しました。学園内に桐朋教育研究所を設立して以来、教育の成果を『桐朋教育研究所時報』にて発表してきました。その『時報』を現在の『桐朋教育』にかえました。(写真は、『桐朋教育』1号。巻頭に、「教育の基本」生江義男先生の講演記録掲載)

 ねがいとしては、桐朋教育の理念を理解していただきたい、「具体的な教育の事例をあげ、でき得る限り、その展開と躍動ぶりを生のまま伝えたい」ことでした。「教育の危機」という状況認識をもち、それに対して「桐朋学園をとりまく、自然的、人間的、社会的環境を改めて検討し、広く多くの方がたのご協賛を得る場としたい」こと、「学園にあってつねに変革されなければならない」というおもいが込められています。

 50号特集では、上記のように、初等部の特色ある教育、活動をとりあげました。また、記念号ということで、二つの座談会「三年保育の夢を語ろう」、「桐朋小学校の素敵なところは?」を試みました。とりあげた実践や座談会は、私たちの未来に向けての希望も込めています。

ひまわり

梅雨が明けて、暑い日が続いています。

クラスでプランターで育てていたひまわりの花が咲きました。プランターに土を入れ、種をまき、肥料を入れ、毎日水やりをしていた子どもたちが咲いた花を見て、とても喜んでいました。

まだつぼみがたくさんあり、続々と黄色い花が咲いて、私たちの目を楽しませてくれそうです。

新しい風 [Ⅱ-160]

 子どもたちから、異年齢のまじわりが自己教育力を伸ばすことを学んでいます。ブランコを立ち乗りできる、アスレチックの棒を滑りおりることができる、雲梯の棒の上にのぼることができる、木にのぼることができる、速く走ることができる、缶ぽっくりにのって歩くことができる、そうした子の姿をみて、自分もやりたい(願い、欲求、自発性、自主性)、やりたいけれどうまくできない、でもやりたい(失敗や試行錯誤、工夫や手立て、粘り強さなど)、できた瞬間の喜びなど、命を活き活きと輝かす瞬間に出あわせてくれます。

 雲梯では、5歳の子たちが2段とばしや逆さまになってぶら下がる、足をひっかけて手をはなす、横にすすむなど、どんどん技を編み出しています。それを4歳、3歳の子が見ています。4歳の子が挑戦したものの、2歩目で落ちてしまうことがありました。そのまましゃがんで手に砂をつけました。その様子をみていた3歳の子が、しゃがんで手に砂をつけたのです。自分もやりたい、4歳、5歳の子のようになりたいと、願いや憧れを育てているのだと思いました。

 最近読んだ本に『遊びが学びに欠かせないわけ』(ピーター・グレイ著、築地書館)があります。異年齢のかかわりが、「子どもが主体的に自分を教育するのに欠かせない鍵」と書かれていました。それは「人類の歴史の99%の期間で異年齢混合の遊び方をしていた」歴史や、「直接的にやりとりをしていなくても、年少者は年長者がしていることを見たり、話していることを聴いたりすることで学びます。年長者がしている活動を観察することで、年少者は、その活動がどのように行われるのかの感触を得ることができ、それを試してみたくなります。年長者のより洗練された言葉や考えを聞くことで、年少者は自分の語彙を増やし、自分の考えを向上させることができます」という実践や記録から述べていました。このことは、ぼくが学んでいる子どもの姿に重なりました。  

「子どもが新しいスキルや理解をもてるようになるのは、自分の「誰かの助けでできるようになる領域」で他者の協力を得ることが多いこと」(レフ・ヴィゴツキー)という提起もあり、今後の保育、教育の課題と受けとめました。また、年長者にとっての異年齢のかかわりの意味や幼小で異年齢のかかわりの実践とその意味についても考えてみたいです。

 子どもたちは大事なものに気づかせてくれて、未来をこんなふうにしていきたいという希望をもたらせてくれます。

 掲載した写真は、異年齢のまじわりに出あった瞬間です。その子がどのような気持ちでいたのかをいろいろいと想像しています。(PTA機関誌『わかぎり1号』7月2日発行より)

第3回学校説明会受付時間について

第3回学校説明会の受付時間について 

Aコース受付時間 9:15~9:30

B、Cコース受付時間 9:55~10:15 です。

ご来校の際は、受付時間内でよろしくお願いします。恐れ入りますが、あまり早く到着することのないようにご配慮いただけますと幸いです。

B,Cコースの受付時に混雑が予想されます。あらかじめご了承願います。

尚、当日受付にて、受付表をご提出いただきます。スマホなどの端末から予約画面をご提示いただいても構いません。どちらかが必要ですので、あらかじめご準備下さい。

また施設見学コースをご予約の方は、上履きと靴袋をご持参下さい。

明日も大変暑い1日になりそうです。どうぞ軽装でお越し下さい。

よろしければ、学校説明会のページもご覧下さい。よろしくお願いします。

土曜参観~2年生竹馬づくり~

先日の土曜日、2年生は竹馬づくりをしました。本物の竹に触れ、おうちの人の力を借りながら自分たちの手で竹馬を作り、その竹馬を操作し、乗れるようになることを目指します。

3m近い竹を自分のちょうどよい高さに合わせたり、のこぎりで竹を切る補助をしたり、やすりで木のザラザラをなめらかにしたり、金槌で釘を打ったり、子どもたちは自分のできることを探して、完成することを楽しみにしていました。

おうちの方も力仕事ばかりでなく、特に針金を竹と足場の木が外れないように5周巻いて固定するところを丁寧に、隙間ができないように、がんばって作ってくれました。

 

おうちの方にとっても、普段なかなか体験することのない作業ばかりでしたが、こちらも大人同士が声を掛け合って作業してくれていました。こうした姿を子どもたちが見て、学んでいくことは、とても大事な育ちだと考えます。

完成した竹馬を嬉しそうに抱え、早速少し練習しました。ここでもおうちの人が支えてくれていました。

今週早速、授業で竹馬に両足で乗ってみるところから始めて、一歩、また一歩と、だんだん歩けるように、子どもたちは教え合いながら練習しています。

 

おそらく近いうちに竹馬ブーム到来がすることでしょう。

5年生の音大訪問

音楽の授業の一環で、5年生の子どもたちと桐朋学園音楽大学を訪問しました。

毎年土曜参観の保護者会の時間にお世話になっており、今年で6回目です。

いつも目にする音大の校舎ですが、中に入るのは初めてという人がほとんど。

みんな、わくわくしています。

玄関の大きな庇の下で、高校部長の合田先生が迎えてくださいました。

地下の教室には、打楽器を専攻する学生さんが待っていてくれました。

オーケストラではいっぱい楽器を使いますが、

ヴァイオリンなどの「弦楽器」、トランペットなどの「管楽器」、

それ以外たくさんあるものを「打楽器」の奏者が担当するんだよ、との説明を受けて

みなビックリ。

見慣れたタンブリンやカスタネットの特別な奏法も見せていただきました。

単に「たたく」と言っても、様々な音がします。

「大きな音がするから、覚悟してね」と言われていたのに、タンブリンの予想をはるかに上回る激しい響きに一同「わあっ!」とあとずさりするほどでした。

叩く・打つ、という音の出し方のほかに、指で擦って回りの鈴を響かせる奏法も見せてくださいました。

それらの組み合わせを子どもたちがリクエストしたところ、お兄さんがすぐにやって見せてくれて、かっこよかったですね。

このあと音楽室にある打楽器でいろいろ挑戦する子どもたちの姿が目に浮かびます。

 

コントラバスのお兄さんは、5本も弦のある楽器を持ってきてくれました。

深い豊かな響きが部屋に広がりました。

低い音を代表する楽器ですが、子どもたちは「一番高い音はどこまで出ますか?」と質問していたのが印象的でした。

 

最後に、金ぴかの大きな楽器が台車に乗ってやってきました。

「人魚姫のやつだ!」「かっこいい!!」と子どもたちは大興奮。

そう、ハープです。「美女と野獣」のテーマ曲を弾いてくださいました。

とても優雅な形と音色の楽器ですが、足元では忙しくペダルの操作をするそうです。

最後に、数名が実際にハープに触らせていただくことになりました。

「しっかりしたいい音だね」と褒めていただいた人もいましたね。

こんなに目の前で、生の音に触れて、演奏者と対話ができる。

桐朋学園ならではの光景です。学生のみなさん、合田先生、ありがとうございました。

  

 

学園のつながり ~小学生の「音大」見学~ [Ⅱ-159]

 6月23日(土)、今年も桐朋学園大学音楽学部(以下、音楽大学)の合田先生、学生さんにお世話になり、小学5年生の「音大」見学ができました。本物に触れ、音をいっぱいたのしんだ子どもたちは、たくさんの刺激を受けたようです。このあとの文章は、初等部の音楽科 飯田彩子さんが『桐朋教育』の原稿として「学園のつながり・「音大」見学」をまとめたものです。ぜひみなさんにも読んでいただきたいと思いました。

 

 仙川キャンパスの隅々まで我が物顔に闊歩する小学生だが、毎日目にしながらも唯一未知のエリアがある。それが音楽大学だ。旧館があった二年前までは、ガラス越しの通路でホルンやトロンボーンの練習に励む学生さんの姿が見えてはいたのだが、新しい校舎になりそれもなくなった。

 よく聞かれるのが「音楽大学があるから、桐朋小の音楽の授業でも専門的なことをやっているのでしょう?」というものである。それは全くの勘違いで、子ども達はとてもたくさんの歌を楽しみ、リコーダーをシンプルに演奏している。だからこそ、ぜひすぐお隣の校舎に満ち溢れている、普段は馴染みのない「音楽」「楽器」と触れ合う機会を持ちたいものだと長年考えていた。

 近くて遠い「音大」への道が拓けたのは6年ほど前のこと。高校部長を務めておられる合田先生から「ぜひ来てくださいよ!」との言葉をいただいた。とはいえ小学生の生活と大学の授業時間を合わせるのはなかなか難しい。そこで、土曜参観後の放課後を利用することになった。

 最初は希望者の数名の六年生と伺った。古い校舎の各階の廊下に楽器を鳴らす学生さんがいた。合田先生に連れられて小学生がぞろぞろと歩いていく。クラリネットのお姉さんに出会うと、「練習中ごめんね、小学生に楽器見せてあげて」「リードはどんな風になってるの?」と至近距離で子ども達に覗くように促してくださる。ハープの部屋をノックすると運よく学生さんがいて、ここでも突撃インタビューが開始。「ハープはどのくらいの低い音、高い音を出せるの?」「足元のペダルは、どういう役割?」。子ども達は初めて近くで見る大きな楽器に圧倒された。最後は、少し照れながらも、タラララランと弦を撫でて、うっとりしていたのが印象的だった。

 以降、希望者との訪問が数回続いたのだが、貴重な経験をその後の音楽室での授業にも活用したいという願いから、3年前より授業の一環と位置付けて学年単位で訪問している。

 『全員で』というのは実は少しプレッシャーがあった。というのも、「そんなの興味ないよ」と反発する小学生もいるのではないか? 集中が続かないのではないか? という不安があったからだ。その上、土曜参観の緊張感から解放された子ども達である。高学年玄関で整列して出発する前に、口を酸っぱくして言い聞かせた。これは、音楽の授業である。すぐそこだけれど、大学という別の場所にお邪魔するのである。大学生の貴重な勉強の間をみんなのために割いてくださるのだ・・・等々。しかし、たった二分歩くだけだが、『毎日見ているけれどよく知らない場所に行く』というのは、思いのほか良い緊張感があったようで、普段やんちゃな子ども達も集中して参加することが出来ていた。

 2016年度は、工事の関係で校舎内をめぐることは難しく、管・打楽器のグループ発表会にお邪魔させていただいた。学生さんの他、それぞれをご指導される先生方も一同に会して、少し緊張感のあるステージ。子ども達も「なにがはじまるのだろう?」身構えていたところ、最初にトライアングルなど身近な楽器が登場し、意表をつかれた様子。とはいえ、子ども達が普段鳴らすのと同じと楽器とは思えぬ、様々な技法や音の重ね方を目の当たりにして、一気に高揚した表情になった。その後に続く正統的(?)な五重奏の発表も、なにかを発見しよう、感じよう、という姿勢が感じられた。子ども達の感想からは、楽器そのものの構造や奏法にとどまらず、実際に演奏する姿から「息をあわせる」「ちょうどよく音をまぜる」「チームワーク」などの、音楽を作る大切な場面・要素を感じ取った人も多くいたようだ。

 ○トライアングルだけでいろいろな音が出せてすごいなと思った。

 ○印象にのこったのは、みんなが一緒に吹くところ。すごく息がそろっていました。生で、迫力があった。

 ○ぼくが一番興味をもったのは、トランペットです。楽器すべてがキレイだったけれど、すごく通るような音だったから。

 ○はじめて管楽器の合奏を聞いたけれど、予想した音よりも全体的にとても大きかったことが印象にのこった。

 ○知りたくなったことは、なぜ指揮者がいないのか、ということ。ぼくたちがやっている音楽会では必ず指揮者がいるのに、とても気になった。

 ○ファゴットは、すごく長くて空気を吹くのにすごく肺活量が大変そうだった。吹き込み部分の形が他の楽器とちがっていた。

 ○ホルンは、吹くところ以外に長い管がたくさんあっておどろいた。あと、指のパーツが外せることにも驚いた。重さや構造が知りたい。

 ○みんなと目を合わせて、タイミングを測っていたところが印象にのこった。ちょうどよく音が交ざっていた。

 ○サプライズで、カウボーイの格好でトロンボーンを吹いてくれて、かっこよかった。のばしたり、ちぢめたり、すごく音の場所を覚えるのがむずかしそうだけど、一回吹いてみたい。

○きいたことないような楽器があって、びっくりしたので、もっといろいろ知りたいとおもった。今度は、練習風景も見たい。  

合田先生、学生のみなさん、ありがとうございました

 そして、2017年度はいよいよ新しい校舎のお披露目でもあった。長期間工事の柵に覆われていた分、興味も高まる。五年生の子ども達と校舎に一歩中に足を踏み入れると、木の香りがいっぱいにひろがり、皆思わず「いいにおいだねえ!」「なんか、落ち着く!」。注意事項を守ってのひそひそ声が微笑ましい。ピカピカの校舎を3階までのぼると、管・打楽器のアンサンブルクラスの学生さんたちが、子ども達が楽しみながら聞けるプログラムを用意して待っていてくださった。軽快な曲の合間、楽器の特徴を、時にはクイズ形式にして、興味を引き付けながら話してくれる。

「チューバの管はのばすと何メートルあるでしょう?」(答えは、5~6m)「ホルンは昔、何かの時に必要でした。な~んだ?」(答えは、狩り)

 5年生は直前の授業で、小学校の倉庫にあった古い楽器をいくつか手に取ってはいたが、さすがにファゴットやオーボエとなると初めて目にする人も多く、椅子から身を乗り出すようにして眺めていた。

 ○カスタネット、ただ叩くだけでつまらないじゃん、と思ってたけど、ああやってみんなで合わせてやると、楽しいなあ。

 ○タンバリンもたたき方しだいで音がかわっていておもしろい。

 ○マリンバは、叩く棒の種類によって音が違うことがわかりました。

 ○コントラバスは想像以上に低い音だった。

 ○生で音楽をきいて、おとの響きがいつもとちがってすごかった。こんなにちかくでラッキーだった。

 小学校に学生さんを招くことも考えたのだが、お邪魔することで、より受け身にならずに参加できているように感じている。家庭で演奏会に出かけたり、音楽教室に通っている子どもも少なからずいるが、皆で同じ生の演奏にふれる経験は代えがたい。トライアングル一つをとっても、見学の後の授業で「にやり」と笑って意味ありげにビーターを振ったり、音楽室の椅子をパーカッションに見立ててリズムをとったり、日常の生活が彩られていく実感がある。また、あの校舎の中で学生さんたちが日々音楽と真剣に向き合っているということがわかると、通学路の景色も少し変わって見えるのではないだろうか?

 最後に一番嬉しい感想を紹介する。

○土曜参観の後、いつもは映画を見ながら保護者会が終わるのを待つけど、映画より全然楽しかった!また行きたい! (本稿は、2018年7月教育研究所発行の『桐朋教育』に掲載)